~ 九鬼 皇 Side ~
高速に入ってから襲撃に合い迎撃しているが一向に数が減らないようです。高速から降りた現在でも激しい戦闘が続いています。
「シオン、今の総撃破数は?」
「全て合わせ68台、尚も増加中です」
後部座席の方にいるシオンに聞いてみるとすぐに返答してくれた。シオンの方も返答しつつ手に持っている銃のマガジン入れ替えている。
「減ってる傾向は?」
「多少ありますが、すぐに増援が来るでしょう」
減ってはいるがすぐに増えて元通りになってしまうというのを先程からずっと繰り返している。敵さんも本気ですねこれは。
「もうそろそろ川神学園に着いてしまいますがどうしますか?」
隣で運転しているリンがサイドミラーで後方の攻防も確認しつつ聞いてくる。
「もうですか……出来るだけ川神学園前で止めてください」
「分かりました、皇様の命令とあらば」
そろそろ目的地である川神学院に着くのですか、このままの速度で行った場合は不味いですね。
後方で戦っているナルさんやシオン達もまだまだ余裕を持って戦っていますが、足場が悪いので本来の戦闘力を十分に出せていないかったので一度車を降り、足を地面に着けて戦おうと考えていますが……
「皇様、バルトメロイ様から連絡です。モニターに映します」
リンがハンドルの横についているボタンを押すと小型のモニターが出てきて、画面には二人の女性が映っている、二人とも変わりないようですね。
「ご無事でしょうか皇様」
「零位がいるのだから心配ないと言ったではないか」
赤髪を後ろで一つに纏めたポニーテール、鋭い目つきをした女性であり、彼女はロングスカートのメイド服をちゃんと着こなしいる。もう一人は濃い青色の髪を腰までたらして頭の天辺にアホ毛がある美少女だ、彼女の方はミニスカートのメイド服を着ており、脚を少しでも上げるとスカートの下が見えてしまうんではないかぐらい短い。
「バルさんとめだか、どうしたんだい?」
「襲撃にあっていると聞き、連絡した次第です」
バルさん……バルトメロイ・ローレライという。彼女は欧州を任されている皇の現段階での代理人であり、九鬼の欧州の内政統括をしている人物でもある。好きな字は「万能」というだけあり、彼女自身すべての物事を達人クラスで習得しているので弱点が存在しない超人でもある。
「まぁ、念のためにこちらも増援を送った。5位、9位、12位、14位、21位、31位、34位、56位、90位、
めだか……
「戦力を投入しすぎでは?」
「わ、私もそう思いますが?」
私の従者部隊の実力は熟知している。だから従者を十人も投入するのは明らかにオーバーキルなのだ。隣で運転しているリンも苦笑いしながら明らかに動揺している口調で話していますね。
「貴方様が襲撃を受けていると聞いた瞬間にこちらにいる従者達が全員動きかけたのですから、まだ少ない方です。勿論、私もですが」
「本当だぞ。この欧州支部の半径十キロ圏内は、私達が放ってしまった殺気で気絶者が続出してしまったんだぞ、勿論、私も殺気を放ってしまったがな!」
画面の向こうで冷静に答えるバルさんはどれだけ大変が事が起こったのか説明してくれた。何時もは
めだかも画面の向こうで、がはは、と笑っていますね。実際に周りがどうなっているかが想像出来るのが何故だか悲しいです。何度かこんなことが起こっているので、もう慣れてしまいました。
それにしても心配してくれる人がいるのは嬉しいものです。
ですが、ここは気になることを聞かなくては――
「ラストナンバーズの二人がいるのは?」
ラストナンバーズ……千名いる中の最後から十番を指す。
「彼女達がどうしてもというので許可しました。勝手な判断をしてしまい申し訳ありません」
頭を下げて謝ってくるバルさんは本当に申し訳なさそうにしているため、私もとやかく言うつもりはない。彼女は今までに私のために正しいことをしてきたのだから。
「二人を止めるためにこの辺り一帯を更地にするつもりはないのでな」
扇子で口元を隠して目を閉じているめだかは何かを思っているようだ。多分、もし止めていた場合のことを想像しているんだろうね。バルさんとめだかも相当の実力者であるが、ラストナンバーズの面々も相当なものです。武力に偏る者もいれば、知力に偏る者もいますしね。
「いえ、気にしなくていいですよ。欧州に帰ってみたら本社が無くなっているなんて嫌ですから」
私の発言にリン、バルさん、めだかが笑ってくれた。やはり女性は笑顔が一番ですね。
「ありがとうございます。それと、現在襲撃している連中の身元、支持者、その他関係者のことが分かりましたので処理いたしました。やはり昨日行われた欧州会議の時に護衛を少なめで川神に行くということを我々のことをよく思っていない企業に聞かれたようです」
「だが、気にすることはないぞ。皇のことを裏切る者には死を与える。“
懲罰部隊……彼女らが動いたということは相手側は壊滅ですね。彼女達の実力は従者部隊のシングルナンバー級しかいないのだから心配しなくても大丈夫でしょう、性格に問題がありますがね。ですが……
「
美哉という人物は懲罰部隊のリーダーであり、部隊内で最強の人物だ。普段から笑顔たやさないのだが、怒ると怖い。本当に怖い。
「笑顔たやさないまま背後に般若の面が浮かんでいた……あれは相当怒っていたな」
「えぇ「皇様に逆らう者には死を」と言いながら出て行きましたので今頃は皆殺しかと」
やっぱりですか、何だか想像出来てしまいます。料理をしている時や洗濯物をしている時など、妻として欲しいぐらい甲斐甲斐しく私の面倒を見てくれるので本当に良い女性だと思いますよ。一緒に寝ると甘えてきますしね。
「他の懲罰部隊の面々も修羅になっていたしな、あれは駄目だ。例え、核ミサイルが飛んで来ようが、殴って、切り伏せて、無かったことにしてしまいそうな勢いだったぞ」
めだかが口元を引きつらせながら言っている横で、バルさんが頷いていたので相当酷かったのが伺える。
「皇様、上空に我が社のヘリが到着したようです」
リンの言葉を聞き、上空を見てみると、かなりの高度に飛んでいるヘリが見えた。
「では、我らもそちらへ参ります」
「仕事は一年分は軽く終わらしてあるし、こちらにはオズワルド爺が残ってくれるから心配ない」
彼女達の代行にオズワルド爺が残るのか、なら問題はないでしょう。
オズワルドという人物は執事服に赤いサングラスという身なりの老紳士であり、裏社会では名の知れた存在だったが、裏社会から足を洗い、隠居生活を送ろうとしていたが偶然出会った九鬼皇にスカウトされて従者部隊に所属した経緯を持つ。
「それなら大丈夫だね。休養も兼ねてゆっくり来なよ」
彼女らに仕事を任せてこちらに来てしまったので、出来るだけ彼女達には休んでほしいです。
「ふ、私が休めるのは皇の胸の中だけだぞ」
「めだか、よくそんな抜け抜けと言えたものだな。この間のことを私は忘れてはいないぞ!」
「なんだ、まだ根に持っていたのか?」
「当たり前だッ! 私が皇様に愛して貰うはずが貴様が横から入ってきたおかげで、あまりイチャつけなかったんだぞ」
「それはお前がうじうじしているから悪いんだろうが!」
画面の向こうから何か物凄い威圧感を感じるのですが大丈夫でしょうか?
「じゃあ二人とも喧嘩しな「貴様に絶望を送ろう」……遅かったみたいです」
私が言い終わる前に既に始めってしまった。画面の向こうでは轟音が響き渡り、カメラも壊れてしまって音声だけ聞こえてくるが社内で喧嘩し始めたようだ。本社大丈夫でしょうか?
「私と皇の愛の前に勝てる者などいない!」
「その減らず口、何時まで持つかな」
「私はバルトメロイを倒して皇の子供を産むんだ!」
「それは私が先に決まっているだろうがぁ!」
音声でも十分分かるぐらいの破壊音が聞こえてくる。そして何よりも彼女達の欲望が聞こえてくるのがちょっと怖いですね。まぁ別に彼女達の事は好きですから、好意を寄せられているというのは嬉しいものです。
「本社の方は大丈夫ですかね?」
リンが心配して言ってくれたが、まず大丈夫ではないでしょう。何せシングルナンバー同士が戦ったのだからバルトメロイが一位、めだかが三位なのだから。
「オズワルド爺がいるから大丈夫でしょう」
「そうですね」
オズワルド爺には悪いけど、あとで、すまないと言っておきましょう。彼なら二人の暴走も止めれられるでしょう。
「あ、そういえば聞くの忘れていました」
「何をですか?」
リンも気になって聞いてきましたが、彼女に言うと怒りそうですね。
「怒らない?」
「え、私はそんな短気じゃないですよ」
可愛らしく反応してくれたリンだが、もう五回ぐらいこの話をしたことあるのですが全部怒ってるんですよねこの子。う~ん、大丈夫かな。
「じゃあ言うけど、
やっぱり怒ってしまったか、リンは本当に番外組のことが嫌いなんだな。
「本当に嫌いなんだね」
「皇様を殺そうとしただけではなく、眷属にしようとしたのですから」
あの時は確かに焦ったね。急に襲い掛かってきて血を吸おうとしてきたのだがら、でもどうにか倒しましたし、逆に私の眷属になって貰いましたね。
「
これはリンの護りたいスイッチ入っちゃたね。簡単にいえば護りたい者がいると彼女の戦闘力は十倍増すのだ。常に私の傍に居て、お風呂の時や食事の時や就寝の時も私の元を離れようとしないのだ。私の事を思っての行動だから強く言えないのが私の弱いところだ。
「彼女は私が皇様の護衛の時に限り夜這いをしたり、お風呂場にこそっり侵入したりし、
リンの言っていることは妥当だろうな。自分の知らぬ間に護衛対象に不審者が近付いているという状況なんだから、そして護りたい気持ちが人一倍強い彼女なら尚更だ。
「ごめんごめん、機嫌直してよリン」
「別に怒っていませんから」
いやいや、明らかに怒っていますよね、ハンドルがメキメキ鳴っていますが。
「う~む、なら川神市でデートしない?」
「え、えぇ、いいんですか?」
「勿論ですよ。私も久しぶりに訪れるので変わった所があるか気になっているんですよ」
「はい、是非ともお受けいたします」
満面の笑顔を浮かべて答えてくれるリンを見て、本当に嬉しそうだという感情が伝わってきた。彼女と出掛けるのも久しぶりなので私自身も楽しみです。
それと前方から目を離さないで下さい。
「すいませんが前を見て運転してくださいリン」
後ろから話し掛けてきたのはシオンだね。何か不愉快な表情を浮かべているがどうしてだ。
「皇様、私も川神市を観光したいです」
あぁ、なるほど、先程の話を聞いていたのですね。可愛いヤツめ。
「シオンもデートするかい?」
「是非!」
即答するシオンについ笑ってしまった。あれ、二人ともそんなに顔を真っ赤にしてどうしたんでしょう?
「ちょっとシオン、早く報告しろ」
シオンのさらに後ろからリズが話し掛けてきた。
「そうでした。ヘリから降下してきた他の従者部隊によって制圧されつつあります、こちらの被害は皆無です」
シオンの報告を受けて改めて車内のメンバーを確認してみると、楊志、史進は疲れた表情を浮かべていたが、まだまだ動けそうなぐらいの余力を残しているように見えた。リズも銃の手入れをしながら外の状況を確認していた。
流石は私の従者ですね。
「ねぇねぇ皇様、セルベリア姐さんの蒼いオーラと
「はい、彼女らが自分で志願してきたので了承したとバルさんから報告を受けました」
「セル姐だけじゃなく、番長まで来てんのかよ! 相手側終わったな」
楊志が聞いてきたことに返答をすると後ろの席に居た面々は驚いていた。史進がとびっきり驚いていて今まで追いかけていた襲撃者の方に手を合わせて祈っていた。
彼女達が来たなら、まず間違いなく勝利は確定だ。
「報告によると、5位、8位、12位、14位、21位、31位、34位、56位、90位、
私の変わりにリンが言ってくれましたが、私とリンを除き、他の面々は唖然としていた。楊志や史進なんて座席から転げ落ちていましたし、リズは手入れした銃を落としているし、シオンは他の皆とは反応が薄いもののやはり驚きを隠せないでいるようだ。
「増援が来たのでそこで止めて下さい」
「はい、護衛には誰を付けますか?」
先程とは状況が違いますからね。さてと、誰を選びましょうか……
「そうですね。ナルさん、リン、シオンは私と一緒に付いてきて下さい、リズはリンと運転を変わって下さい。楊志、史進は増援組を一度呼んできて下さい、お礼を言いたいので。それが終わり次第リズと一緒に極東本部に帰還してください」
『仰せのままに』
『りょうかいー』
返事と同時に行動を開始する流石は私の従者達ですね。
先程からナルさんがいなかった理由は増援組の様子を見てきたからだ。仕事が速いですね。
「セルベリアさん、大道寺さんの気迫がとても伝わってきますが、他のメンバーはどうでした?」
「
「夜一さんは相変わらずですね。ミカサ、
三人とも私のために一所懸命に仕えてくれていますね。今日から川神学園でお世話になるのですから彼女達にもちゃんとご褒美あげなくちゃね。
「では、参りましょうか」
校庭付近にいるこの気は知っている人達だ。
ヒュームさん、クラウさん、あずみさん、マルギッテさん、それに百代に鉄心さん、ルーさんですね。本当に久しぶりに会うから楽しみだ。それに由紀江が動き始めましたか……
校舎の方には、英雄、紋白、義経、弁慶、与一、清楚の面々がいますね。これはますます楽しみですね。おやおや、
英雄のすぐ近くに小雪もいるのですね。なるほど、だから一瞬だけナルさんが笑みを浮かべていたのですか納得しました。
さてと、これからお世話になるのですし、舐められない様にしなくては――
~ 九鬼 皇 SideEnd ~
※名前が分かっている人物だけです。
従者部隊
零位:ナルバレック
1位:バルトメロイ・ローレライ
3位:黒神めだか
5位:???
8位:???
12位:???
14位:???
21位:ミカサ・アッカーマン
31位:斑鳩
34位:詠
56位:???
90位:???
992位:セルベリア・ブレス
997位:大道寺
番外組
1000位:《真祖の姫君》???
1001位:《悪平等》安心院なじみ
1007位:《怪異殺し》???
懲罰部隊
No.01:美哉
一言……お金と時間が欲しいです!!