艦娘たちとともに~ダメ指揮官奮戦記~   作:吉岡 忠宏

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本編前の小さなお話、まぁ通勤風景ですね


朝はつらい・・・

9月3日

 

おりしも夏休みが9月に入ることは稀であるが1,2日が土日だったためのことで新宿駅はいつもの混雑ぶりだった。

 

都会では通勤客以外にも、学生や児童、はたまた大学生とは思えない奇抜なファッションをした人たち

 

その殆どが2~3分おきにくる電車に乗降している

 

(舞鶴では絶対にお目にかかれないな、こんなシーン・・・)

 

舞鶴は海上自衛隊の中核である護衛隊の中でも地方に分類される。

 

第3護衛隊群、1~4の護衛隊群のうちの一つであるが、佐世保、呉、横須賀に比べると見劣りどころか、本当に自衛隊の基地なのかと疑うことがおおい。

 

主に日本海側を警備担当する舞鶴では30年以上前にあった不審船事案等を含めて、警備が活発になっている

 

ユーラシア大陸の突端の国からのミサイル発射実験でもその警備の重要性はいなめない。

 

しかし中心都市が京都という色眼鏡がついてしまい、やはり見劣りしてしまうものである。

 

(しかし、本当に人が多すぎだろ)

 

時刻は6時40分を回ったところ、通勤・通学時間には早いのにもかかわらず、それでも人が多いのだ。

 

しばらくして到着した電車に希は乗り、仕事場にスーツで向かう

 

自衛隊は基本的に制服または私服で通勤する、しかしある一定の階級以下は営内者として基地の中で住むことになっている。

 

しかし、場所が場所だけにスーツで出社、その後制服・作業服に着替えることが防衛省内では暗黙のルールとしてある。

 

確かに東京の中心部で電車に戦闘服や制服姿で乗っているのは目につきやすく、色々とトラブルに巻き込まれやすい。

 

あながち間違いではないのだ

 

希はふと顔を上げ、視界に入った映像ディスプレイのニュース画面を見た

 

[自衛隊新型護衛艦建造予算案、深海棲艦に対応するため武器類を強化する見通しに、野党は反発を示す]

 

(戦っているこっちの身にもなってくれよ・・・)

 

大きなため息を吐き出しそうになったが、ここが電車内だということを思い出し、踏みとどまった。

 

15分くらいで市ヶ谷に到着、改札を出て7時15分に衛門前で身分書を見せ、A棟6階に向かった。

 

6階は更衣室になっており[松山1尉]と書かれたロッカーにスーツを仕舞い、戦闘服から名称を変えた作業服(海自迷彩色の服)に着替えて8階まで階段で上がった。

 

8階に着いてふと目線の方をみて、先程までこらえていた、ため息が一気に吐き出してしまった

 

[大会議室]の看板の上に[対深海棲艦対策本部(たいしんかいせいかんたいさくほんぶ)]と張り紙がされていた

 

(本当に、ここで働くのかぁ・・・まぁ幹部は2年ですぐ別の場所飛ばされるし、我慢、我慢)

 

そう思っている矢先、突然ドアが開いた。

 

「なにしてるんですか、松山1尉、もう本部長はお待ちですよ」

 

「おはよぅ・・・えぇ!!もう本部長きてるのですか!!」

 

「なんだ、来てたら悪いのか?」

 

ドアを開けた眉を下げたつばさと、奥で豪快な笑顔の佐伯がこちらを見ていた

 

「あ、いえ、そんなことは・・おはようございます!!本部長」

 

「あぁおはよう、まぁ特に何もないから兎に角入れ・・」

 

「わかりました、失礼します」

 

「お前の職場だから遠慮することないだろ」

 

「ですよね・・・」

 

「おはようございます松山1尉、コーヒーは飲まれますか?」

 

「そうだね、頂こう。あ、遅くなりました、新庄海曹もおはようございます」

 

「さっき聞きましたよ、まっいいか、ブラックですか?それとも全部いれます?」

 

「ブラックでいいです」

 

「わかりました。あ、(わたし)が作ると結構苦いですから覚悟しておいてくださいね。」

 

「あ、はい・・・」

 

奥の給湯室に入ったつばさを見送って佐伯が聞いてきた

 

「それはそうと松山、朝からすごく不機嫌だな・・」

 

「いえ、通勤途中の車内で護衛艦予算のニュースが流れていたので、つい・・」

 

「なんだ、気にすることはないだろ、普通に国会は通る、例の一件もあるしな、それに松山は当事者だろ!」

 

「私はたまたま「あたご」が入港していて、帰ってくる[せんだい]を見ていただけですよ」

 

「しかし、舞鶴の艦が1隻やられてるんだ、なんですぐに出港とかしなかったんだ、[ひゅうが]に[せとぎり]に[わかば]もいただろ」

 

「総監部や司令部から命令が下されなかったんですからウチらも動けないですよ」

 

「まぁそうなるか・・・」

 

例の一件とは、護衛艦である「せんだい」が深海棲艦と戦闘になり、除籍にまで追い込まれた事件のことを指す

 

死者32名、重軽傷21名、PTSDと診断されたのが30名と深手を負わされた事件だ

 

当初は隣国の挑発行動が激化し、たまたま個艦訓練中だった「せんだい」に攻撃したとの報道だったが

 

証言者や記録映像、専門家の話によって「深海棲艦(しんかいせいかん)」と結論づけられた

 

閑話休題

 

「あぁこんな時間か、そろそろ艦旗(かんき)の・・」

 

「内局は陸自方式で8時15分からだ、それに艦旗じゃなくて国旗だぞ」

 

「そうなんですか・・・いやぁ慣れませんね~」

 

「来て2日じゃわからんことでもないさ、あ、挨拶はないから、礼装はしなくて大丈夫だからな」

 

「わかりました」

 

「どうぞ」

 

つばさが持ってきたコーヒーを一口つけて心の中で「苦い・・」と思ってしまったのを

 

どうにか繕い時間まで待った

 

こうして今日一日が始まろうとしていた・・

 

 ・・・・・To be continued・・・・




通勤風景、私は電車通勤したことないのですが、やっぱり辛いんですかねぇ
私は交通渋滞が辛いです
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