艦娘たちとともに~ダメ指揮官奮戦記~   作:吉岡 忠宏

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事件が起きた日がたまたまで、どっかの連合とかザ○トみたいな人類同士の戦争にはなりません
(あ、でも戦争にはなるのか・・・)


バレンタイン戦闘

明成☓☓年2月14日 12時20分 日本海沖

 

天気無粋で波あらし、日露戦争でこんなもん通信で送ったらそれこそ、あの大逆転劇はなかっただろう

 

日本海の天気はまさにそんなものだった。

 

冬場の気圧配置で大荒れ、しかし、その日は運良く快晴で波も穏やかだった。

 

舞鶴まであと少し、はやる気持ちをエンジンにぶつけているのか護衛艦「せんだい」はガスタービンを使って航行していた

 

この艦はCODOG型と呼ばれ、巡航時(民間で言う通常時)はディーゼル機関を使用して航行する

 

戦闘に入るか、よほどのことがない限りガスタービンは滅多に使わないのだが、今回は使用していた。

 

そんなことなど目もくれず、乗員は当直に立っている艦内哨戒第3直員以外が各居住区で談笑していた。

 

「しかしさっきの防火部署SCBA員突入して40分以上経ってたぞ、それに空気ボンベから警報鳴ってたし」

 

「いやいや、それを言うなら隣接区画警戒員なんてもっとひどいですよ、1時間以上ほったらかしでしたよ」

 

「まぁ新しく乗ってきた、通信士と機関士のための訓練だからなぁ、うまく捌けないのが普通ですからねぇ」

 

「でも、機関士これで3隻目でしょ、前は通信士で一様[いなづま]で訓練やってたんだから」

 

「A幹はそんなもんだよ、2年で次の場所いっちゃうから、まぁわからなくて当然でしょ」

 

午前中の防火訓練の話に盛り上がっていた、訓練が終わったので、このままいけば、舞鶴に帰投できるのだから無理もない。

 

1ヶ月前に舞鶴を出港、隣国が領有権を主張する諸島の警戒監視、その間に艦長発案の個艦訓練、艦上体育、洋上補給、さらに寄港地無し

 

肉体的というより精神的疲れが強いのは、赤の他人同士、上司・部下が1ヶ月以上同じ居住区、プライバシーもへったくれもない

 

加えて艦長が「暇だから何かしよう。てか、しろ!」と部下にパワハラも辞さない言い方をし、迷いぬいたあげく個艦訓練だった。

 

乗員の疲れは艦長への鬱憤をいろいろと吐き出し、少しはましになってはいるが、それでも精神的疲れは強い

 

しかし帰ったらリフレッシュできると心掛けているので、全員がその気持ちをある程度は抑えていた。

 

しかし、それを知ってか知らずか、艦内マイクからは意味ありげな放送が入った

 

「達する、現在本艦約8マイル後方に正体不明の艦影、艦橋見張員は厳正な立直体制を行い、目標を追尾されたい」

 

「なお、もしもの場合を備え、1230(ヒトフタサンマル)に合戦準備を行う」

 

「現直員はそのまま、艦内哨戒第(フタ)配備を下令する」

 

「艦内哨戒第2配備」

 

居住区で待機していた非番直員が配置に動き出す

 

「なんだ、もしかしてまた訓練か?あの艦長本当に人使うのがすきだなぁ・・・」

 

「しかし、なんかリアルな言い回しだったよなぁ」

 

「てか、普通だったら不審船対処の何かきとるやろ、しかも領海内まで入ってるのに司令部なにもしらんのか?」

 

「訓練だからでしょ、ちゃんと総監部にはいってるんじゃないんですか?」

 

訓練なのか実戦なのか、マイクの言い回しに戸惑っていたが、そこは訓練の場数を踏んでいる自衛隊員、すぐに自分たちの配置についた。

 

一方その頃艦橋では

 

「CICこちら艦橋、現在8マイル後方艦影を左見張員が双眼鏡にて視認、艦影に自衛艦らしきものは見当たらないとのこと」

 

「艦橋こちらCIC、本艦レーダーにて探知した、速力18kt(ノット)目標(アルファ)とする」

 

「CICこちら艦橋、了解。なお艦長はCICに移動するとのこと、以上」

 

「艦橋こちらCIC、艦長はCICに来られた、艦橋指揮官は航海長とする」

 

「CICこちら艦橋、指揮官航海長とした、以上」

 

左見張員が50倍拡大できる双眼鏡を使い、艦影を見るがどう見ても、普通の軍艦には見えなかった

 

「艦橋こちら左見張員、現在、目標Aを視認、イルカのようなクジラのような感じ」

 

「航海長、イルカかクジラみたいだそうですが・・・」

 

「信号長、どう思います?」

 

航海長と言われた1尉と信号長と言われた1曹は首をかしげていた

 

海は広いが厳冬な、ましてや極寒に近い日本海で、イルカやクジラが今出るだろうか?

 

絶対ではないが、確信もあまりない、2人は困惑しているのを、艦橋にいる全員が見ていた。

 

「兎に角、信号長、18ktで泳いでいるクジラなんて俺の中では知らないですね、まぁもしかした、いるかもしれないですが」

 

苦笑いに近い笑い方をした航海長に信号長は「まぁそうですよね」としか言えなかった。

 

次の瞬間

 

「ソーナー、魚雷音探知165°方向、まっすぐこちらに突っ込んでくる。」

 

「総員対潜戦闘」

 

けたたましい鐘の音が鳴り響く

 

戦闘部署でしか聞いたことない音がそのまま直に耳に入ってくるのだ

 

「信号長、「実際」対潜戦闘用意!」

 

「た・・対潜戦闘用意・・・「実際」!!」

 

とき同じくして

 

「砲雷長、これどう思う」

 

「まぁ潜水艦からではないとすると165°方向でしたら、目標Aしかいません」

 

「仕方ない、対水上、76mm・アスロック・CIWS用意、ソーナー、魚雷音等に注意」

 

「魚雷とおぼしきもの、165°このまま近づく、雷速45kt」

 

「取舵25°、メイ一杯舵を切れぇ!!」

 

「艦橋・CIC、取舵25°魚雷回避運動実施」

 

「CIC・艦橋・25°魚雷回避運動実施する」

 

右に左と大きく舵をきり魚雷を回避行動をとった

 

無事魚雷は「せんだい」から離れた

 

「魚雷音、遠のく、本艦への損傷箇所現在探知中」

 

「なぜだ・・・」

 

「どうされましたか?」

 

「普通敵だったら、アクティブホーミングで推進音探知して当てるだろ、それか無線誘導が現代の魚雷戦略だ」

 

「はい、その通りです」

 

「でもさっきの魚雷は誘導でも自動追尾でもなかったぞ」

 

「そういえば・・・」

 

「隣国の海上技術がどんだけ未発達でも、いまどき無誘導魚雷は目視による戦闘でしかやらないだろ」

 

「じゃあ、あれは一体・・・」

 

しかしその答えが出ることはなかった

 

「レーダー探知、目標・・・・・30」

 

「魚雷か?」

 

「いや・・・これは、水上艦です!!」

 

「なぜだ、艦橋はどうなっている」

 

「艦橋・CIC、水上艦が30以上をレーダーで探知している、目視による確認を行え」

 

「CIC・艦橋、水上艦とおぼしきものは見えず・・・ただ・・・」

 

「どうした?」

 

「イルカらしきものに砲を積んだのや、頭に変な帽子被ったもの、それに戦艦の砲を積んでいるもの・・・なにがなんだか、

訳がわかりません!!30・・いや40以上います!!」

 

「確かめてくる」

 

「艦長!」

 

「砲雷長ここはまかせた」

 

「わかりました」

 

CICから出て階段を登り、艦橋まで見張員の位置にでた艦長は目を疑った

 

どう見ても艦ではないのだ・・・化物・・・いやそれ以上に不気味な・・人間のような「物体」が海の上に立っているのだ

 

「艦長・・・」

 

「戦闘・・・継続、76(ナナロク)をいつでも打てる体制に、いや全火器管制をCICにする。」

 

「76はほとんどが対空弾です、給弾室には榴弾が・・・」

 

「兎に角撃てる準備をしろ、可及的速やかにだ!!!」

 

そこから先は地獄だった

 

訳の分からない、飛行機と呼べるのかわからない機体が飛んでくる、爆弾を落とす、魚雷を入れる。

 

人間みたいな物体から砲弾が飛んでくる近くでそれると大爆発、どう見ても世界大戦の軍艦が積んでいる大口径の威力

 

ミサイル戦においてバイタルパートなど作られていない、現代の護衛艦がそんな口径の威力など食らったらひとたまりもない

 

しかし恐れていた自体が起きてしまった

 

「後部甲板に被弾、後部警戒員、電話員以下4名以外状況不明、火災も併発しております」

 

「CIWSの近くに落ちたか・・・消火急がせ!」

 

「TAS機器室大破、使用不能」

 

「後部甲板被害状況、CIWS使用不能、復旧まであと2時間」

 

「後部警戒員、4名死亡、2名重体、2名重症、火災鎮火、残り火不明」

 

「前部警戒員は出せないのか?」

 

「前部側で応急電線の敷設(ふせつ)中のためもうしばらく時間がかかりそうです。」

 

「小型化したのが今頃になって仇となったか・・」

 

戦闘できるとはいえ小型の湾岸警備艦をモチーフにしているため戦闘力は汎用護衛艦よりは見劣りしてしまう。

 

戦闘開始から2時間経過、重症者や死者が増えて行く中、頼みの綱が、無残にも打ち切られてしまった

 

砲弾が艦首側を直撃したのだ

 

「76砲大破、応答なし、給弾員との連絡がとれません」

 

「あそこには砲術士がいただろ・・・どうなってやがる」

 

するとCICに1人の海士長がやってきた

 

「伝令・・・・・・・給弾室・・・・・敵からの砲弾を浴び、3名全員死亡、砲術士も・・・」

 

「わかった・・残り使える火器は?」

 

「12.7mmしか・・・」

 

「そうか・・・」

 

「CICこちら艦橋・・・敵艦隊急速に離脱していく・・・本艦後方180°」

 

「艦橋こちらCIC、現在レーダーで確認した、状況分かるまでしばし待機」

 

「艦橋了解、なお1時間前に76で敵艦1隻沈没を確認、発射数30発以上命中での撃沈と推定される」

 

「艦橋こちらCIC、それは、人型か?」

 

「CICこちら艦橋、イルカに似たものと推定される、なお人型には76は命中、爆発したが、効果はなかったように見えた」

 

「CIC了解」

 

「艦長、操縦室からです。ガスタービンの異常ストール(失速)により危急停止、ディーゼルのみ航行可能、なお減軸運転のみの燃料しかないため航行は減軸にて舞鶴帰投可能、とのことです」

 

「わかった、戦闘やめ、部署復旧、艦内哨戒第2配備で舞鶴に帰投する」

 

「バレンタインの戦闘」・・・これが人類の、海上自衛隊初の深海棲艦との戦いだった、それ以来至る所に深海棲艦が現れ、被害が出ている。

 

幸いにして「せんだい」の戦闘に看過してか76mm搭載の護衛艦は前に出ず、排水量が高い護衛艦を主力として、戦闘を行っている

 

しかしそれでも、損失は自衛隊のほうが大きかった。

 

自衛隊の増強、もしくは迅速な修理及び航海能力向上、そして装備の拡張など色々やってきたがそれでも勝った試しがない・・

 

しかし、それを逆手にとって暗躍したグループがいた。

 

「防衛省装備技術研究本部」

 

通常は装備品の研究、試作品の試験、運用可能になるかの研究をしているのだが1ヶ所だけおかしな所があった

 

「艦船装備技術向上研究所」聞くだけでは特におかしなところがないのだが、実験内容が違っていた

 

「強化人間による対水上打撃部隊の編成」

 

マッド・サイエンティストよろしくな内容だが、要約すれば、人間(みたいな動物)が武器を携行して、敵艦隊の中心で戦闘する

 

弾・燃料・走行装置は武器を固定できるパーツからエネルギー供給され、それが強化人間とリンクすることによって

 

従来の護衛艦以上の威力をだせるというものである。

 

だが、そんな簡単に研究が進むはずなく、計画は頓挫しそうになっていた。

 

「バレンタインの戦闘」で撃沈された兵器を回収するまでは・・・

 

彼らはその技術を利用し培養液から抽出、クローン化させることでついに人型の個体ができた。

 

しかし、自我および言語能力ましてや身体の動き方までおかしい「イレギュラー」もできたのは事実である

 

その生まれた「イレギュラー」ははじめから何もなかったようにただ「捨てられていく」

 

12~3歳ぐらいにしか見えない女の子がプレス機の中で「壊される」のだ

 

そしてついに「しっかりした」人型が完成した

 

その子、いや彼女たちはこう呼ばれている、対深海棲艦用人形兵器「艦娘(かんむす)」と・・・・

 

 




はい確信を付く内容を取り入れて見ました、一様、考えながら書いていますが
絶対何かしらの掛け違いが出るかもしれません、そのときはどんどん指摘してください
よろしくお願いいたします
さて次回から「艦むす」の登場です、やっとです。艦これファンの皆さん本当にすいません
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