艦娘たちとともに~ダメ指揮官奮戦記~   作:吉岡 忠宏

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希が此処に来た真相とは


本部長の思惑・・・

0840(マルハチヨンマル)「本部長室」と書かれた()()()()だったところに(のぞむ)が立っていた

 

(自分に説明したいことって、一体なんなんだ・・)

 

感情の起伏は人並みな希の顔には疑問の表情を出しているが、深呼吸して真顔の表情に変え、ドアを叩いた

 

「松山1尉、入ります」

 

「おう、待っていたぞ、そこに座ってくれ」

 

隼人が屈託のない笑顔を向け、希に席を勧めた

 

「失礼します」

 

「さて、あまり無駄話をするのもアレだろうから、単刀直入に言う」

 

「[せんだい]の一件を知っているな」

 

「一様前にも話した通り、事件後の艦の姿と書類で大まかな内容ならわかりますが」

 

「やった方は?」

 

「ニュースでなら、専門家が言っていた深海棲艦(しんかいせいかん)の部類だろうとしか」

 

「そうか、一様事件の詳しいことは、海上自衛隊の各地方総監以上の幹部にしか出回っとらん」

 

「それと、ウチの部署との関連は?」

 

「実は技術研究部の奴らが、深海棲艦に対抗できる武器・・・いや、兵力といったほうがいいのか・・」

 

「兵力って、まさか化け物みたいなやつに人間が戦うとか、どこかの空想戦記物とかに描かれてるようなものじゃないですよね?」

 

希が思っていたのは、あたご勤務時、アニメオタクの部下が熱心に()()()()()()()を勧めていたの思い出していたからだ

 

希もアニメを毛嫌いしているわけではない、どちらかと言うと見るほうである。

しかし見ると言っても、日曜の朝にやっている週間コミックのアニメとかだ。

 

「実際のところ言いたくないが、まさしくそんなものだと、聞いている・・」

 

ため息のつきそうな顔を押し殺して希が聞き返す

 

「まさかと思いますが本部長、指揮官になれとか言うんじゃないんですよね」

 

「よくわかったな、今からそのことを言おうとしてたんだ」

 

裏でどういった考えをしているのか、わからせないような笑みを浮かべて、隼人は言った

 

「本部長、赤表紙や黒表紙を見る幹部の立場なら、歴代上司がどのように私のことを書いているか、ご存知だと思いますが」

 

赤表紙や黒表紙は入隊以降、歴代の科長(士官)がその人物の評価を記載する成績表の一種であり、出世やボーナスの査定等に響いたりする

 

「あぁ書いてあるよ、あまりいい評価とはいえないな・・しかし、お前だったら絶対に作戦遂行できると考えて、人事課に横槍入れたんだよ」

 

「私に作戦遂行できる評価なんて、書いてなかったでしょ」

 

「いや、聞いたさ、色々とな、部下もそうだし上司にも聞いた」

 

「人脈が広いんですね」

 

「あぁだからお前に決めたんだよ」

 

「お前、部下からなんて言われれたか聞いたことあるか?」

 

「上司からは、役に立たないバ[幹部](かんぶ)だと言われ続けてきましたが、部下からは何も言ってきませんでしたよ」

 

「お前、そのときの上司、[三島]じゃなかったか?」

 

「ご存知なんですか?」

 

「あぁ知ってるよ、天才だと自負しているけど、単なるパワハラ好きの幹部だよ」

 

隼人が口にした言葉に、希は驚愕の表情を出しそうになった

 

「しかし、現にFTG(エフティージー)の審査中にあの人は[優良]と太鼓判押されてるんですよ」

 

「あぁそのことか、あいつFTGに知り合い多くて裏で手まわしてるんだよ、だから向こうも言ってこないんだよ、姑息な手段さ」

 

FTGとは、海上訓練指導隊の略称で、護衛艦等の訓練支援や評価を行う部隊である

 

「部下は三島のことが怖くて何も言えなかったけど、お前のこと信頼できる上司だと言っていたぞ。しかも三島以外の幹部も同意見だ」

 

「じゃあ、なぜ?ねぎらいの言葉一つもなかったんですか」

 

「言っただろ、三島は色々と裏で手を回してるって。あいつ総監部にも手を回して、お前を自衛隊から追放しようと画策してたんだよ、ご丁寧に[免職]扱いで」

 

「・・・嘘だろ・・」

 

「成績が芳しくないのは、全上司がお前のことを嫌っていたからさ」

 

「お前、間違ったことは、たとえ艦長だろうが、司令だろうが、正論と根拠文書そして色々な情報をだして、ぶった切る性格だろ?」

 

「・・・はい」

 

「そして、絶対に責任を自分自身だけにして、部下を全面的にサポートする」

 

「おっしゃる通りです・・」

 

「自衛隊としては規律や同調が出来ない性格だから避難の的になるのが当たり前だ。やれと言われたことが「出来ません」では務まらない」

 

「はい・・・」

 

「しかし、お前は部下のためや艦全般の行動能力を知っているから、反論するんだ。それは指揮官にとっては無くてはならない才能だと、私は思っている」

 

反論できなかった、そこまで評価されたことがなかったのだ、希にとっても歯がゆい感じがした。

 

「さて、横道にそれてしまったな。本題に入ろう、君に指揮官としてやってもらいたいのは研究所で作られた[艦娘(かんむす)]の全般指揮、そしてコミュニケーションだ」

 

「艦娘?聞いたことないですね」

 

「この情報は、統合幕僚長・海上幕僚長・各地方総監、そして対策本部のメンバーのみだ」

 

「防衛大臣には伝えてないのですか?シビリアンコントロールの我が国ではメディアに後ろ指をさされますよ」

 

「心配いらん、この情報はお前の初任務で公表される」

 

「確定事項なんですね・・」

 

「艦娘は1隻で、一護衛隊の戦力に匹敵する」

 

「一隻でですか?」

 

「そうだ、しかし戦力だと言っても人間のような体型や感情を持っているので、ダメージを受けた場合はそれ相応の傷やストレスが出る」

 

「ということは、人間みたいに怪我をしたり、精神がやられたりするということですか?」

 

「そうだ、だが基地に帰って専用の修理場に行けば、何事もなかったように回復するそうだ」

 

「にわかに信じ難いですが、合ってもいないのでどうとも判断つかないですね」

 

「それでだ、明日(みょうじつ)、艦船装備技術向上研究所第3研究室まで新庄と一緒に言ってくれ。場所は新庄に教えてある」

 

「急なんですね」

 

「合ってみないとわからないことが多いだろ、実際に確かめてこい」

 

「わかりました。で、その艦娘とやらは今、()()いるんですか?」

 

「5隻・・・・いや()()と言ったほうがいいな」

 

「五護衛隊分か、ちょっとした護衛隊群ですね」

 

「だが全員が名乗るには、駆逐艦だそうだ」

 

「護衛艦の名称に変更するべきじゃないんですか?」

 

「まぁそれはそれだ、兎に角、明日(あした)行ったらわかるさ」

 

「わかりました」

 

「気を付けろよ、艦娘なんだが少々・・クセが強い奴が多いらしい」

 

「肝に銘じます」

 

「よろしい、下がって良し」

 

「松山1尉帰ります」

 

脱帽時の敬礼を行い希が出て行く

 

「楽しんでこい!」

 

屈託のない笑みを浮かべて隼人が頷いた

 

本部に帰る途中に希は立ち止まり考えた

 

(現状で5人の艦娘が出来ている、しかも全員が駆逐艦と名乗っている、[せんだい]の情報で出た、大口径を持った化物や航空機みたいなものを飛ばした化物がいるとすれば)

 

(・・・空母や戦艦が艦娘になる可能性もある、まさかな・・・)

 

失笑に近い笑いを浮かべて本部へと歩きだした

 

・・・・・To be continued・・・・




はい、無事、希が指揮官として本部長から任命されました。
一方艦娘とは触れ合っていませんので、指揮官と呼べるのかわかりません
さてついに次回艦娘が登場します。お楽しみに
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