絶対に守りたい約束がある…

それが、それが軸になった話です。

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榛名を選んだのは自分の嫁艦だからです(個人的ですみません)。


私があなたを護るから(艦これ)

これは、提督になって一年目のちょうどその日の話である。

それは、酷く雨が降る朝から始まった。

「あの、提督」(榛名)

「ん、何?」(提督)

「雨、ですね」

「ええ、そうですね」

「覚えていますか、今日は…」

「ええ、覚えています」

「なら、今日は出撃はしなくてもよいかと…」

「大丈夫」

「ですが」

「私を信じて?」

「…」

 

マルゴーマルマルの話であった。

 

朝食を終え、今日の執務にあたる。秘書艦は榛名である。

マルキューマルマルの話

 

全艦隊、1回目の演習・出撃を終え、補給も済ませ終わった頃に

 

「本当に大丈夫なんですか?」(榛名)

「大丈夫ですよ」(提督)

 

ヒトヒトマルマルの話

 

全艦隊に2回目の出撃に行かせた頃、突然にそれは来た。

 

「提督、総司令部から電文です」(榛名)

「ええ」(提督)

「ご自分で読まれますか?」

「ええ」

 

提督は電文の内容を声に出して読んだ。

『総司令部ヨリ、◯◯◯◯(提督の本名)ニ3年ノ本土へノ帰投、及ビ自宅謹慎トス』

 

簡単に言えば、こんな内容だった。

 

ヒトフタマルマルの話

 

 

2回目の出撃を終え、全艦隊が帰投する頃の…はずだった。

 

「第一艦隊から通信!」(大淀)

「内容は?」(提督)

「空母棲姫により、第一艦隊以外は全艦撃沈…と」

「な…に」

「このままだと、第一艦隊も…」

 

当時の戦力では空母棲姫に敗北するはずは無かった。

しかし、それは現実に起こっている。

 

「撤退は!?」(提督)

「もう既に、包囲されていたとの事です」(大淀)

「もう、何もできない…?」

「…! 新たに通信が!」

「内容は」

「現在、鎮守府近海まで到達、至急応援を、との事です」

「直ちに榛名を旗艦とした艦隊を編成、応援に行ってください」

「はい!」(榛名)

 

ヒトヨンマルマルの話

 

「どうして、提督が付いてきているのですか!?」(榛名)

「絶対に、これ以上沈んで欲しくないからね!」

「しかし、これでは提督の船が真っ先に狙われます!」

「大丈夫だから、安心して?」

 

ヒトヨンサンマルの話

 

「敵艦発見!」(榛名)

「あ、あれは…」(提督)

 

間に合っていなかった。

 

提督の船に、固い何かがあたる。見てみると、それはズタズタにされていた加賀の飛行甲板だった。

悔しさよりも、深海棲艦に対する憎しみが増すばかりだった。

もう既に、提督の理性は存在しなかった。

私は榛名たちよりも速く、敵艦に近付いていった。空母棲姫では無いものの、同じ深海棲艦だからという理由で、憎しみが、強くなっていた。

 

「お前たち…」

「…お前たちがぁぁぁ!」

 

沈めたい気持ちがとてつもなくあったが、提督の船に積んでいる装備が一つしかないため、空母棲姫を探すことにした。

 

ヒトゴーマルマルの話

 

第一艦隊を追って来たのなら、空母棲姫も来ているか、と思っていたが、案の定この近海にはいなかった。

このことに気付くのに遅れ、提督は近付いて来る深海棲艦に気づかなかった。

まず、艦尾を攻撃された。とてつもない衝撃に身体が揺れるが、振り切ろうと必死に船を動かす。

次に左右から攻撃された。為す術もなく、ただ破壊されていく。

仕方なく、提督は船に積んでいた唯一の武装に手をかけた。

 

唯一、人間が深海棲艦に一矢報いた瞬間だった。

 

ヒトロクマルマルの話

 

突如、とてつもない轟音と波の揺れに、榛名たちはその始まりを見た。

 

空には、大きなきのこ雲が、浮かんでいた。

 

「…提督!」(榛名)

 

榛名は提督を探して、その中心へと向かった。

 

船は、比較的簡単に発見できた。周りには、波とそれしかないからだ。

 

「提督!」(榛名)

 

必死に榛名は呼びかけるが、船の中からは何も聞こえない。

ヒトナナマルマルの話

 

提督が救出された。

全身に火傷を負い、身動きが取れない状態だったが、提督は榛名に話しかけた。

 

「やっぱり、今日はダメだったね」(提督)

「だから、いったんです…よぉ」泣き顔(榛名)

「私は、いつも皆に護られてきた。だから、今度は私が皆を護る番だって、思ってた」

「私たちは、いつも提督の優しさに、護られてましたよ…?」

「でも良かった」

「…?」

「最初に、あなたに出会った時に言ったこと、守れて、良かった…」

「提督…」

「わたしが…あな…た、を…護る…か…ら」

「提督、提督!?」

 

ヒトハチマルマルの話

 

提督は、榛名の前で息を引き取った。

 

後日、提督には核兵器を保有していたとして裁判が開かれたが、既に死亡していたため、無罪判決となった。

 

そして、提督と、主要戦力の大半を失った鎮守府は事実上解体され、榛名たちなどの残った艦娘は他の鎮守府に転属となった。

 

しかし、そんな出来事も虚しくその3年後に人類は深海棲艦に敗北し、支配されることとなった。

 

敗北の原因は、ある高速戦艦の艦娘による反乱、総司令部の襲撃だったらしい。




初めての投稿です。

もっと華やかな感じにしたかった…


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