今回でレイの過去編は終わりとなります。
次のepisodeから本編が始まります。
それでは本編をどうぞ
村人を救出してから数週間後、
レイは村の人達と一緒に村を見回っていた。
そしてレイ達が村の出入口に向かっていると、黒のロングコートのような服を着ていて後ろには大きな荷物を担いでいる人物が立っていた。
レイは村の人達と別々に行動し、出入口に立っている人物に話しかけた。
「あの~どうなさいました?」
「おぉ、あなたはこの村の民でしょうか?」
「いいえ、私はこの村の領主をしているレイと申します。」
「領主様でいらっしゃいましたか、それでは話が早い。
どうか、私に食べ物を少しばかり分けてはくれませんか?
ここ3日程何も口にしておらず今にも倒れそうなのです。」
レイは少し気になりその人に意識を集中した。
その人からは青色の煙が見えた為、レイは食べ物を渡す事にした。
食べ物を渡し終えるといきなり、ロングコートを着ている人物は、
「ありがとうございます。お礼にこの荷物をすべてレイ様のご自由にしてください。」
そう言うと手荷物をおろし、レイの前にひろげた。
レイは驚いた。
その手荷物はすべて機攻殻剣だった。
その中でも一番目を引いたのは特殊な形状をした機攻殻剣だった。
「・・・これを何処で手に入れたのですか?」
「とある人物からの貰い物ですよ」
レイは不信に思ったが、
「・・・そうですか。ところでこの特殊な形状をした
機攻殻剣、錆びてはいませんか?」
「私もこの機攻殻剣を鞘から引き抜こう思ったのですが、錆びていて、私には無理でした」
「分かりました。こんなに多くの機攻殻剣をくださりありがとうございます。」
「こちらこそ、食べ物を分けてもらいありがとうございます。それでは」
そうして手荷物を担いでいた人は歩いて何処かに行ってしまった。
不敵な笑みを浮かべながら・・・
レイは怪しく思いすぐに荷物をまとめて急ぎ馬車を出し、帝都に戻り隊長にこの事を話した。
すると隊長は、
「レイ、この機攻殻剣は常にお前が持っていた方がいいだろう。」
「何故です?」
「私には分かる。この錆びれている機攻殻剣には強力な力が宿っていると。」
「この機攻殻剣に強力な力を宿っていると周囲の奴等に知られたらこの機攻殻剣を悪用しようという者が少なからずでるであろう。だから、お前が持っている方が安全だろう。」
「分かりました。僕がその機攻殻剣を持っています」
隊長は錆びれた機攻殻剣に布を巻き付けレイに渡した。
そうして話が終わり、部屋から出ようとしたとき隊長がレイを引き留めた。
「レイ、ちょっと待て」
「はい?なんでしょうか?」
「お前には関係の無い事だが一応、話しておこうと思う」
「話とは?」
「私に色々な事を教えてくれた、ウェイド・ロードベルト師匠が投獄された」
「何故、僕にその話を?」
「ウェイド師匠の孫にあたる、ルクス・アーカディア、妹、その二人の母親がこの城から追い出された」
「っ!ルクス達は何処に!?」
「ん?お前はルクス・アーカディアと知り合いか?」
「はい。この前、皇帝に呼ばれたときに友達になって、それから・・・」
「ところで何故、その人は投獄されたのですか?」
「帝国の政治に腐敗を諫言したしたんだ」
「そうですか・・・」
「ところでルクス達は?」
「確か・・・馬車に乗り此処から北に向かったはずたが?」
「分かりました‼」
レイは機竜を纏い急ぎ北に向かった。
しかし、向かっている途中に雨が降り始めた。
レイは雨を気にしてはいられず、濡れながらもルクス達を探した。
ルクス達を探していると丘の道に人だかりが出来ているのが見えた。
人だかりは丘の下に落ちていた馬車にむかって石を投げていた。
レイは馬車の方を見ると聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「誰か、誰か助けて下さい‼母が、母が・・・‼」
そこにいたのはルクスだった。
倒れている馬車の方をよく見ると母親と妹と見られる人物が倒れていた。
レイはルクス達の方に向かって飛んで行き、ルクスと人の間に割って入った。
「止めてください‼」
「レ、レイ・・・」
「なんだお前は、そこをどけ‼」
「嫌だ‼」
そう言うとレイは倒れている馬車の方を向き馬車を起こして三人を連れて急いで村に向かった。
村に着くとレイは村人達を呼び、自分の別荘でルクスの母親を看病するように言った。
その間にレイはルクス達を別荘に招き雨で濡れていた二人と一緒に湯船に浸かった。
「助けてくれてありがとう、レイ」
「友達として当たり前の事をしたまでだよ」
「ところで・・・、あっちで僕の事を物凄い警戒している子がルクスの妹だよね?」
「うん。アイリ~、この人は僕の知り合いだからこっちにおいでよ~」
するとアイリと呼ばれた少女はこっちにむかってゆっくり近づき、ルクスの隣に座った。
「アイリ、レイはアイリの事知らないから自己紹介して」
アイリはルクスの後ろに隠れながら自己紹介をした。
「アイリ・アーカディアです。いつも兄がお世話になってます・・・」
「・・・この子、ホントにルクスの妹?」
「なんで!?血は繋がってるよ!?」
「ごめんごめん、冗談だよ」
三人は湯船からあがるとすぐに床に就いた。
朝となり、
レイはルクス達の母親の様子を見に部屋に向かった。
部屋に入ろうとした時、不意に扉が開いた。
「あっ・・・、レイ様あの二人の母親は出血が酷く
今朝・・・・・・」
「・・・・・分かりました。急な頼みを聞いてくれてありがとうございます」
レイはルクス達に母親が亡くなった事を伝えた。
母親という心の拠り所が無くなり二人はその場で泣いた。
その日からルクスからは笑顔が消えた。
一週間後、
ルクスの母親を村の外れにある墓地に埋めた。
レイはルクス達に、
「これから二人はどうするの?」
「僕たちには行く宛がないから・・・どうしよう」
「それならこの村に住めばいいよ」
「えっ?」
「だって他に行く宛が無いならこの村にいれば安全でしょ?」
「いいの?僕たちがこの村に住んで?」
「大丈夫。この村の人達は帝国に恨みなんて無いから安心だよ」
「ありがとう。それじゃあこの村に住むことにするよ」
「分かった。それとひとつだけお願いがあるんだけど頼めるかな?」
「なに?」
「これからこの村にいる村人の手伝いをしてくれない?」
「分かったよ。基本的になにをすればいいの?」
「基本的には畑仕事かな。畑を耕したり、収穫したりだね」
「やり方は村の皆に教えてもらうといいよ」
「大変そうだけど頑張るよ」
「くれぐれも無理だけはするなよ」
「気を付けるよ」
「そうそう、アイリちゃんはどうする、ルクス?」
「アイリはまだ幼いからレイの別荘にある本とかを使って文字を教えてあげて」
「分かった」
そうして、ルクスは村の人の手伝いを、アイリはレイと一緒に別荘にある本を使い文字の勉強をした。
ルクスは村人達と一緒に畑仕事をしているうちいつしか笑うようになっていた。
アイリは物覚えが良く、どんどん色んな事を覚えていった。
そんなある日、
レイとルクスはいつも通り、朝早くに起き墓地に向かうとお墓の前に一人の少女が立っている事に気が付いた。
「ねぇ、ルクス。あそこに立っているのもしかして・・・・・」
「間違いない。フィーちゃんだ」
二人はフィルフィに声をかけた。
「「フィーちゃん!」」
「あっ二人とも、おはよう」
「「おはよう・・・じゃなくて‼なんでこんなところにいるの!?」」
「お姉ちゃんがルーちゃんのお母さんが亡くなった事を聞いてルーちゃん達がいるっていうこの村に来たの」
「そうだったんだ」
「ところでフィーちゃんのお姉さんは?」
「少し用事があるって言って何処かに行っちゃった」
「そうなんだ・・・ねぇフィーちゃん」
「なに?」
「こんなところにいたらお姉さんも心配するから村に行って僕の別荘に行かない?」
「行く」
レイ達はフィルフィを連れて別荘で遊ぼうと決め、
アイリも誘ったが断られ
「私は勉強がしたい」
と言うのでレイはアイリと、ルクスはフィルフィと共に行動した。
日が落ち始めた頃、
フィルフィのお姉さんが別荘に迎えに来た。
「フィ~、そろそろ帰るわよ~」
「あっお姉ちゃん」
「あら、ルクス君も一緒だったの?」
「うん」
「こんばんは、レリィさん」
「こんばんは、ルクス君」
言い終わるとレリィはレイの方を向き、
「あなたがレイ君?」
「初めまして、レイと申します」
「礼儀正しいのね。レイ君は」
「フィルフィの姉のレリィ・アイングラムよ。
フィーから色々と聞いてるわ。
これからもフィーと遊んであげて、レイ君」
「分かりました。レリィさん」
そうしてレイ達はフィルフィが来る度に一緒に遊んだ。
しかしその日は突然やって来た・・・
レイ達はいつも通り、フィルフィと遊ぶ準備をしていると別荘の扉が突然開いた。
そこにはレリィが一人で泣きながら立っていた。
「ルクス君!レイ君!フィーが・・・フィーが!」
「どうしたの、レリィさん!?」
「フィーがいなくなっちゃの‼」
「あの子・・・昨日から家に帰って来ないの・・・!」
「ッ!」
「少し落ち着いて下さい。レリィさん、大丈夫です。
ルクスと一緒にフィーちゃんを捜します」
「いいよね?ルクス」
「うん」
「ありがとう、二人とも」
「とは言ったものの・・・何処にいるのかも分からないんじゃ~捜しに行けないな」
「・・・」
「どうかしたか?ルクス」
「もしかしたらフィーちゃんが何処にいるか知っている人がいるかも知れない」
「なんだって!その人はいまどこに!?」
「帝都にいるはずだよ・・・フギル兄さんは・・・」
翌日、アイリの事は村の人に任せて二人は帝都にある城に向かった。
そして・・・
「久しいな賢弟。あの時以来か」
「お久しぶりです。フギル兄さん」
「お前の隣にいるのは?」
「彼はレイ、僕の友達です。」
「初めまして、レイと申します」
レイはフギルに挨拶をした。
「フギル・アーカディアだ。よろしく」
「さて、二人は俺に何の用だ?」
「兄さんはフィルフィの事はご存知ですよね?」
「フィルフィ?あぁ、お前と仲良くしていたあの少女か?」
「はい、兄さんならフィルフィがいまどこにいるのか、知っていると思って会いに来ました。」
「あぁ、知っているとも」
「「フィルフィはいまどこに!?」」
「リエス島いう島に連れていかれたそうだ」
「リエス島・・・そこにはなにがあるのですか?」
「帝国の軍事施設だ」
「そこでは人体実験をしているらしい」
「‼」
レイは人体実験という言葉に覚えがあった。
孤児院にいた時、レイはそこに連れていかれそうになったからだ。
「ルクス‼急いでそのリエス島に行くよ‼」
「どうしたの急に?」
「いいから急いで‼もしかしたら・・・、もしかしたらフィーちゃんはもう・・・」
「っ!」
二人が部屋から出ようとしたときフギルが、
「待て行くならこれを使え、賢弟」
そう言ってフギルは黒い機攻殻剣をルクスに渡した。
「いづれそれを使う機会が来る。その前にそれになれておけ」
「それとリエス島の頂上にある修道院が帝国軍事施設だ」
「分かりました。ありがとうございます」
そうして二人は部屋を出た。
「・・・これで俺の計画はまた一歩進む」
「ハ・・・ハハハハハハハ‼」
その声は誰にも聞こえることはなかった、
二人は機竜を纏い急ぎリエス島に向かった。
リエス島に着くと二人は修道院に赴いた。
「僕が先に行って様子を見て来るよ。ルクスはここで待ってて」
「分かった」
レイは修道院の中に入りフィルフィの名前を呼んだ。
奥に進んだレイは想像を絶する光景を目の当たりした。
そこにはバラバラになった無数の人だった物が転がり落ちている。
流石のレイもこの光景に言葉を失った。
すると奥の方から微かに声が聞こえた。
レイは声が聞こえた方に向かうとそこにフィルフィがいた。
しかし、フィルフィは出血が激しく辛うじて右目が見える位であった。
「ッ!フィーちゃん‼」
「あっ・・・・・レー・・・・・ちゃん」
「酷い出血だ。大丈夫今ルクスも呼んでく――」
フィルフィはレイの服の袖を摘まみ、
「だめ・・・ここにルーちゃんを呼んじゃ」
「なんで‼」
「私もう意・・・が・・・・ねぇレー・・・ちゃん」
レイは今にも流しそうな涙を堪えながら、
「なに・・・フィーちゃん?」
「私を・・・殺し・・・て」
「ッ!なんで!?もしかしたらまだ助かるかもしれないのになんでそんな事言うの!?」
「私はもう助から・・・ないから。せめ・・て・・・・レーちゃんの手で・・・・・殺して」
「・・・・・・分かった」
レイはフィルフィの前に立つと、機攻殻剣を構えフィルフィを右肩から斜めに切りつけた。
「ありがと・・・う、レーちゃ・・・」
フィルフィは言い終わる前に息絶えた、その顔は満足そうに微笑んでいた。
「う・・・うぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ‼」
レイの悲痛な叫び声は、修道院の中で虚しくこだまする。
「フィーちゃん!ごめんよ!僕が早くここに来ていれば、助かったのかもしれないのにごめんよ!フィーちゃん!」
レイはその場で堪えていた涙を流した。
初めて出来た友達を自分の手で殺してしまった。
もう少し早くここに来ていればフィーちゃんは死なずに済んだのにそう何度も何度も思い、レイは泣き続けた。
(・・・こんなことをする帝国は僕が滅ぼしてやる!)
レイは帝国を恨みそして憎み滅ぼす事を決めた。
その時、レイは腰に差していた錆びついている機攻殻剣が光を放ち錆が取れているのが分かった。
錆が全て取れると機攻殻剣からの光が消えた。
レイは落ちた機攻殻剣を握ると頭にその機攻殻剣に関する情報が一気に流れ込んできた。
レイは情報を理解すると機攻殻剣を腰に差し、外に出ていった。
外にはルクスが待っていた。
「フィーちゃんは!?」
レイは首を横に振り、
「嘘だよね!?ねぇ、嘘だって言ってよ!?レイ!」
そうしてこの出来事は悲劇的な結果で終わった。
二人は村に戻るとレリィにフィルフィの事を伝えた。
「そう・・・そんな事が・・・」
「レリィさん?」
「ありがとう二人とも。フィルフィを捜し出してくれて
私もこれからリエス島に向かうわ」
「「えっ?」」
「あの子もこっちの方が安らかに眠ってくれると思うから・・・」
「レリィさん・・・」
二人はなにも言えなかった。
そうしてレリィは村を出てリエス島に向かった。
その夜・・・
アイリが寝ている横で二人は椅子に座っていた。
「ねぇ、、ルクス」
「この帝国をどう思う?」
「なんで?」
「なんでってフィルフィが死んだのも帝国のせいなんだよ!?」
「レイ」
「なんだよ」
「この際だから言っておくよ。僕はフギル兄さんと一緒にこの帝国を滅ぼす作戦を立てているんだ。」
「なんだって!?」
「レイ、このアーカディア帝国を滅ぼして皆が平等に生活出来る国を作るためにこの作戦に加わってくれる?」
「・・・分かった。ルクス達の作戦に僕も加わるよ」
そうしてレイはルクス達の作戦に加わった。
翌日・・・
レイ達はフギルに会いに帝都に向かった。
そして、レイ達はフギルのいる部屋に入った。
「今日はどうした、賢弟よ」
「フギル兄さん。レイも作戦に加わってくれるそうです」
「そうか。では明日の夜この部屋にて作戦を話す」
「ひとまず、お前達は一旦村に戻って準備をしてこい」
「分かりました。今日はこの辺村にで戻ります。」
レイ達は一旦村に戻って村人達にしばらく戻らない事を伝えアイリの事を村人達に任せた。
隊長にもしばらく帝都から離れると言って了承を得た。
ルクスは村人から一通の手紙を渡された。それはレリィからの手紙だった・・・
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それからフギルの部屋にて・・・
「よし、揃ったな。では作戦について説明する」
「帝都より北東の領主、アティスマータ伯は近隣諸国の支援も受け総軍七万
機竜使い二百七機を束ねることに成功した。
我々も十日後、各地のレジスタンスを集め帝都に攻め入る。
「賢弟は外の機竜使いを、君は城にいる機竜使いを殺せ」
「しかし・・・」
「分かりました」
「レイ!?」
「どうせこの国は滅ぶんだ。だからこの帝国に賛同する奴等は全員殺す」
そして十日後、
クーデターが始まった。
レイは隊長から貰った道化師の仮面を被り作戦通りに、青き神装機竜を纏い城の中にいる帝国の機竜使いを殺して機攻殻剣を奪い吸収して、メモリーチップを何枚か手に入れた。
ルクスは漆黒の神装機竜を纏い外にいる帝国の機竜使いを殺さずに倒していった。
そしてレイは、城の中に帝国兵の生き残りがいないか確かめるために歩き回った。
レイは牢屋のある部屋に入った。
そこでレイは鉄格子越しに一人の少女が鎖に繋がれているのが分かった。
レイは扉を開け、中に入り声をかけようとした時、
「私に近寄るな!!貴様も私を殺しに来たのか!?」
「・・・・・違いますよ」
「それならお前はここに何をしに来た!?」
「生き残った帝国兵を殺しに来んですよ」
「ッ!」
「ところで貴女は?」
「私はリーズシャルテ・アティスマータだ」
「アティスマータ?もしかして貴女はアティスマータ伯の・・・・・・」
「父を知っているのか!?」
「はい」
「そうか、やはり父は私を見捨てたのか・・・・・・」
「えっ?」
「ところで貴様、名前は?」
レイは暫く黙り混むと、
「ゼロと言います」
「ゼロ、何故貴様はそんな仮面を被っているのだ?」
「これには少々事情がありまして・・・・・」
「まぁ、あんまり聞かないでおこう」
レイはほっとして、
「助かります」
「ところでレイ」
「はい?」
「私を・・・私を殺してくれ」
「ッ!」
「私は父に見捨てられたからな。生きている価値が無い。いっそ殺してくれた方が・・・」
「なんでッ!?なんでそんな事が簡単に言えるのですかッ!?」
「・・・・・何故お前が泣く?」
「僕は大事な友達をこの手で殺しました。もうこれ以上、あんな思いはしたくないんです‼だから貴女も生きてください」
そう言うとレイはリーシャに繋がれた鎖を機攻殻剣で切り、
「いつかまた会いましょう」
そう言うとレイは牢屋を出てルクスを捜した。
(何処にいるだよ。ルクス・・・)
牢屋を出たあとレイは皇帝陛下がいた謁見の間に向かっているとルクスの声が聞こえた。
そこにはルクスとフギルがいた。
「ルク・・・」
「どうして殺したッ‼フギルッ!」
レイはそこで足を止めた。
「軍の機竜使いも・・・皇帝陛下もみんなっ・・・」
「こんなのっ・・・こんなの予定と・・・!!」
「くっ はっ・・・ハハハハハハハハハハハハ!!」
「お前はッ・・・お前は尊敬に値するよ!!」
「その歳で誰よりも機竜を使いこなし、権謀術数を巡らせ・・・、この腐れた帝国の歴史に終止符を打った!!!」
「お前がロクに軍を倒さずやられたら・・・、
俺が《笛》を使って幻神獣を呼び寄せるしかなかったからな」
「手間が省けたよ」
「・・・・・!?」
「だが・・・お前は運がなかった。
信頼していた俺に裏切られてしまったんだ」
「教えてやろう愚弟よ」
「俺は最初からこの帝国の皇子なんかじゃないのさ」
「俺の目的はお前が望んだ平和じゃない」
「帝国崩し。ご苦労だったな」
「ク・ソ・王子」
「どう・・・して・・・」
「・・・・・・そうだね」
「最後に話してやろうか」
「賢弟、お前が理想を果たせなかった理由だよ」
そう言うとフギルはルクスに近ずき首を絞めながら、
「無意味だよ。ルクス」
「お前はな何も世界が分かってない」
「王の器なんかじゃないんだよ、最弱よ」
「・・・・・・・・どれほどの覚悟を抱こうとお前は
「国」や「人」が尊いものだと信じている。たがなお前は何も世界が分かってない」
「だから手加減して生かした兵士たちと話し合いの場を作ろうなど絵空事が言えたのだ」
「感謝してほしいものだな。賢弟よ」
「俺がその兵士どもを皆殺しにしなければお前は連中に暗殺されていたのだから」
「これから何をするつもりだ・・・」
「僕は・・・お前を・・・」
「賢弟よ」
「自らの意思で「悪」を行使する覚悟が無いものなど誰も犠牲にできないものなど」
「どれほどの力を持とうがなんの意味もない」
「無意味なんだよ。ルクス」
「お前は「悪」になりきれなかったんだ」
「だからお前は「最弱」なのだ」
そう言い終えるとルクスを床に降ろしレイの方を見た。
「さぁ、次は君の番だ。隠れてないで出て来い」
レイは慣れた手つきで特殊な機攻殻剣にメモリーチップを三枚挿入し抜剣、詠唱符を唱え神装機竜を纏った。
「ほぅ、その特殊な機攻殻剣をまともに使えるようになったのか」
「何故、貴様がこの機攻殻剣の事を知っている!?」
「あぁ、そうえばあの時、村でお前に大量の機攻殻剣を渡したのは俺だよ」
「なっ!?」
「ついでにお前が他人の考えていることが分かるのも知っている」
「ッ!その事はまだ数人にしか話してないのに・・・」
神装機竜を纏い道化師の仮面を被ったレイは生身のフギルに闘いを挑んだ。
しかし結果はレイの敗北だった。
「お前もまだまだ弱いな。もっと強くなることだな。今度会ったときは容赦はしない」
「そうだ。お前にこれをやろう」
フギルはレイが使うメモリーチップによく似た赤黒いチップをレイに向かって投げた。
「まて・・フギル・・・アーカ・・・・ディ・・・」
そう言うとレイは意識を失い倒れた。
フギルはその場から立ち去った。
クーデター後に謁見の間で意識を失っていた二人をリーシャの叔母でありのちの新王国の女王「ラフィ」女王陛下に拾われた。
王城の崩落があったせいなのか《バハムート》と
《クリカラ》は奪われずに済んだ。
その後《バハムート》と《クリカラ》は王都の地下にある極秘の第零格納庫に保管され女王陛下の命のもと
管理している。
そして「咎人」として旧皇帝族の生き残りであるルクスは「あらゆる国民の雑用を引き受ける」という条件のもと釈放。レイは自ら咎人となることを望みルクスと同じ条件で釈放され、課せられた莫大な借金を返すため日々働いて行くことを決めた。「黒き英雄」と「機竜喰いの道化師」としての素性を隠しながら雑用王子と雑用兵としてこのアティスマータ新王国の為に尽くすと決め。
ここまで読んで下さりありがとうございます。
次のepisodeからは2000文字位で1話とします。
それではまた
次回 第1章 朱の戦姫 episode5 「学園への侵入者」
(基本的に単行本とラノベを見ながらオリジナル展開していきます)
(ついでに単行本であったフギルとリーシャの出会いはカットします。)