今回から、より短めにします…
長すぎるので!
<<続いては、各地の紅葉をお届けするコーナーです。笹原さん、各地で紅葉が見どころを迎えているようですねぇ〜>>
もうすっかりと涼しくなったある日。季節は10月。
東京の街は暑さからとりあえず解放されて、心のある程度落ち着くシーズンを迎えていた。まあ、その人の数だけは収まってくれないので、精神的な暑苦しさはどうしても感じてしまう。
そんな中、郊外の行楽地の、紅葉の色付きを告げるニュースをバックに、私たちは、更に山積みになった課題に向き合っていた。課題、とは当然解決された方がいい。けれど、私たちにはうまく答えを出せない課題だった。
「うーん、どうするのがいいのかな?っていうか、ここの辺りでライブとかできるのってどこだっけ?」
「そうね・・・まあ、ドームとか野外ステージとか、ライブハウスとかかしら?」
「それ!すっごい楽しそうにゃ!」
「にこっち、凛ちゃん、うちらがそんなとこ借りれると思う?」
ライブをやろう。穂乃果の言葉で、それを私たちは最初の一歩にとりあえず設定した。
私たちは、どこへ向かえばいいのか。ラブライブ!という絶対的な目標がない以上、私たちの標準が合わない。
それは、誰かを笑顔にできるようなアイドルを目指すという私たちの思いでさえ、見失わせてしまうだろう。
目先に様々な問題を抱え、篠原さんという突然現れた救世主に頼り、なんとか揃った9人。
しかし、ただ暗闇の中、揃ったというだけで、目指すべき光の方向すら見えていなかった。
あいにくというか、やっぱり穂乃果ちゃんは何にもそのあとのことは考えてなかったみたい。
でも、それが穂乃果ちゃんなのだ。いつだって、私たちの前を、ただひたすらに先導してくれる。
だから、私たちは後ろから、どこへ進めばいいか決めてあげればいい。
どこに行って欲しいか、決めればいい。
そうして決まったライブ。方向性を決めないと….
それが問題だった。
そうなると決めることはいっぱいあった。なによりも、私たちがとんでもないことを決めてしまったからだ。
それは、このライブは私たちだけの手で進めようという話になったこと。
企画、運営など、できる限り、全て。それは、スクールアイドルとしてやって来た私たちが、最後になるかもしれない、私たちで作り上げるライブをしたかったからだ。
そして、それは私の願いでもあった。
ずっとバラバラだったから。
離れてても、心はずっと繋がってるって信じてた。
でも、ほんとは不安だったんだ。
もしかしたら、もう私たちが一緒に何かすることはないのかもって。
だから、その話が穂乃果ちゃんの口から出た時、1番に賛成した。
作り上げたい。大切な9人で。
ーーー何か一つのものを!
そして、それを聞いた篠原さんは、呆れていた。
そんなもん、やれるならこっちが見てみたいですよ………
と絵に描いたような呆れ顔で話していた。
この人の表情が珍しく変わって、笑ってしまったのを覚えている。
「かよちん、何ボーッとしてるの?アイデア出さなきゃダメだよ?」
そんなことを考えていると、凛ちゃんに声をかけられた。
いけない、ついつい、黙ってしまっていた。
「うん、ごめんね?でも、後は場所だけ決まれば、とにかく先に進めるんだけど・・・」
そう、決まったこともある。
まずは曲。希と絵里ちゃんの言葉で、新曲は作らないことにした。
「うちらは、とにかくまずは早く表舞台に立つのが先決やと思うな。私たちはアイドルやるならもう歳やしね。
このライブは、例えば昔のラブライブみたいな、勝負のライブやない。それよりも、きちんと報告しなあかんのやない?私たち、また頑張りますって。」
それに反対する人はいなかった。
確かに、私は今現在26になる。そう、もうアイドルをやるなど、本来おかしな話になる歳だ。
小さい頃から憧れていた存在に実際なろうとすると、どれだけ覚悟がいるか。なんだか、それがわかった気がした。
曲だけじゃなくて、衣装も、前のようにことりちゃんのデザインをみんなで作成することに決めた。
デザイナーのことりちゃん。
当時作ってた服だけでもうそれは可愛かった。
私の思い描くアイドルそのものの服が、そこにあった。
それが、プロの人が作る服、なんて、想像しただけで早く見てみたくてたまらない。
これだけのことが決まってるのに…
どこでやるか。それだけは、決まらなかった。
「私たちだけでも借りられて、最初のライブとしてふさわしい場所ね・・・
ハードル高いわね。いっそのこと、東京から出てみるとか・・・」
「それは…それで楽しいかも!」
「絵里ちゃん、ことりちゃん、それはまたハードルが上がってるような・・・」
と言ったように、話し合いは一向に進展しなかった。
時間がかかる問題かもしれないな。
ふさわしい場所って、どこだろう。
私たちらしい、始まりにふさわしい場所…
なんだろう。
答えは、出ている気がするのに。なのに、あと一歩答えが出ない。
うう、もう出かけているのに。
この感覚は、なんだろう。
「あ、もういい時間です。とにかく続きは後にして、トレーニングに入りましょう。」
海末ちゃんが言った。
「そうね、とにかく体を動かして、そのあと考えよう!」
そうだね。
走って、それから考えた方がいいかもしれない。
ぴったりのアイデアはもう喉のところまで出てる。
多分、私たちにぴったりの場所は、多分ーーー。
靴を履いて外に出て、円になって集まった。穂むらの玄関から外に出ると、涼しい風が吹き抜ける。みんな、各々体をほぐしている。
私は、教師としてずっと生活していた。元々運動も苦手なのに、ブランクのせいでさらにひどいことになっている。怪我をしては意味ないし、気をつけないと。
体を戻すことが、とにかく最優先。人に見せれるレベルになってなければ、そもそも場所なんて意味ない。
まずは体力に筋力。私だけが立ち止まってたら、迷惑かけちゃう。
「今日は、いつものように神社までのコース。タイム、測るからね。今日は海未も走るように。計測は、私がやるわ。」
「絵里ちゃん、私がやってもいいんだよ?」
「穂乃果?あなた、この前体重増えてたわよね?」
「そ、それは言わないで・・・」
「とにかく、いつも通りペアで順番に行くわ。じゃあ、始めるわよ!」
うん。穂乃果ちゃん、先週末の身体測定でたしかに体重増えてたね。
海未ちゃんに饅頭取り上げられてたな…。
「かよちん、いっくよー!」
となりに幼馴染がやってきて、抱きついてきた。
あったかい。
ずーっとなんだけど、本当に凛ちゃんは温かい。
運動が大好きな凛ちゃんは、高校の時から変わらない。
そう、高校から。
穂乃果ちゃんもことりちゃんも海未ちゃんも。
絵里ちゃん、希ちゃん、にこちゃんも、真姫ちゃんも、そして凛ちゃんも。
見た目も変わって、ちょっぴり世界も知って。
でも、元のところでは変わってない。
ーーーだから、それにぴったりな場所は。
私たちはスタートラインについた。
こういう時、私は必ず凛ちゃんとペアになる。今日は一番最後に出発する組だ。
「かよちん、今日はちょっとペース上げるよ?前を走ってる二人も、追い越しちゃうからにゃー?」
「そうね、私は絶対追いつかれないけど、隣を走ってるにこにーさんがねぇ?」
「真姫、あんたこそ追いてかれないようについてきなさいよ?」
「ほら、二人ともよーい、スタート!」
にこちゃんと真姫ちゃんの二人が走って行く。その後ろ姿を見ながら、気合が高まって行くのを感じる。
私も、今日は頑張ろう。
風が吹く。涼しい風が、私の背中を押す。
行けるよ、って。
「それでは、二人とも、行きますよ。
よーい、スタート!」
スタートをきった。走り出すと、少しずつ心地よくなってくる。体は前に進むけど、息はそんなに上がらない。
よかった。時間はかかったが、体力は確実についてきている。角を曲がって、長い直線へ。風が気持ちいい。もっと走りたい。
「お、かよちん、今日は速いにゃー?ちょっとスピード上げよう!」
凛ちゃんものってきたみたいだ。
少しずつ、ペースが上がって行く。
大丈夫、まだいける。
「凛ちゃん、今日は私が追いてっちゃうからね!」
一気にペースを上げた。
もっと風を感じてる。
先へ、先へ。
何かに導かれるように。
「あ、かよちんずるい!」
凛ちゃんが追いかけてきた。次の角を曲がれば神社まであと少し・・・
だけど、角を曲がった瞬間に、何か黒い塊が目の前に現れた。キキッという音。身体のバランスが崩れて…
それからは、何も考えられなくなった。
2000字くらいで書ければベストかな、と思います!(嘘)
投稿遅れがちになります。リアル忙しいので…
まあ、待ってくださる方が万に一つでもいたらの話ですが。