女神再び   作:resot

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第16話 みんな その2

翌日、朝。こんな早くから学校にいるというのも不思議なものだ。校門の前から見える光景は、何度見ても高校の時と何も変わらない。

とりあえず、集合場所の体育館に向かう。

 

寒空の中でも、中庭の木は葉っぱをつけている。

 

あの樹の下で、しょっちゅうパン食べてたなぁ。

きっと今でも、誰かが購買で買ったパン持って、友達とあそこで食べてるんだろう。

 

 

 

 

生い茂る大きな木。それを眺めて、それから、目を閉じた。

 

 

 

 

<ちょっと、パンばっか食べていると太りますよ?>

 

 

 

 

海未ちゃんの声がした。

 

クスリ、と笑ってしまって、でもなんだか嬉しかった。

 

「ずっと、見ててくれたんだね…。」

 

この学校を見守ってくれた樹に一礼して、私は先へ向かった。

 

 

 

 

私たちの卒業式が懐かしい。

あの日は、ことりちゃんと海末ちゃんと写真をとって、凛ちゃんたちに泣きつかれ、私たちも大号泣した。

それくらい、この学校が大好きだった。

 

 

ーーー学校を守れて、本当によかった。

 

 

この学校の救世主と、現理事長さんに言われた時、それを実感した。

 

私たちだけじゃない。μ'sって、他の人に、ものにとっても、ちゃんとあるものだったんだなって。

 

なんて説明したらいいのかわからないけど、そんな風に感じた。

 

なーんて感慨に浸りながら歩いて行くと、すぐに集合場所の体育館に到着する。扉には誰もいなかった。

 

「あ、穂乃果ちゃん、おはよー!」

 

後ろから、ことりちゃんがやってきた。

 

「おはよう!一番だったみたい。」

 

「ええー穂乃果ちゃんが?びっくりだよ〜」

 

「そんなことないよ?もう、私を何だと思ってるの?」

 

くすくすと笑うことりちゃん。

 

すると、中から何やら話し声がした。一人や二人じゃない気がする。

 

………?

 

あれ、一番じゃなかったみたい。

 

でも、なんか人多くないかな?

 

疑問に思いながら、ドアを開けた。

 

「おはよー!穂乃果、久しぶりね!」

 

「おはよー!」

 

「おはよー!」

 

体育館一杯に広がる声。私たちは、目を疑った。

 

だって、なんで?

 

「ひ、ヒデコちゃんにフミコちゃんにミカちゃん・・・!それにみんなまで?」

 

間違いなかった。成人式以来の子もいる。

同級生が大集合していた。

 

「ど、どうしたの?」

 

「いやー、またμ'sここでライブやるって聞いて!

篠原さんって人に連絡受けたから、来ちゃった!

居ても立っても居られないじゃない。みんなに声をかけたら、あっという間だったわ。」

 

「私たちも手伝うよ!」

 

「仕事休んで来たんだから!」

 

「みんな・・・」

 

私は感動した。でも・・・

 

「みんな、本当に嬉しい。ありがとね。

でも、私たち、自分たちの手でやるって決めたの。」

 

「私たち、ちゃんと自分たちで作り上げて、報告したいの。」

 

そう、それが私たちの思いだった。

何としても、私たちの手で作り上げて、みんなを笑顔にしたい。私たちの手で、μ'sは復活させたい。

 

だから、みんなの助けは借りられない。

 

「そんなの、聞いてるわ。」

 

 

でも、みんなの視線は温かかった。

 

 

「でもね。私たちは別よ。覚えてない?あなたたちアイドルで学校を救おうとした。

・・・私たちはね、そんなことできなかった。廃校になっても、仕方ないかなって。

 

だってさ、それは高校生の私たちにとっては、余りにも大きい案件だったんだよ。

なんとかしたかったけど、何もする勇気がなかった。そんな時に、スクールアイドル、μ'sが誕生した。私たちには、何もできない。

だから、せめて応援しようってみんなで話し合った。

結局、ちょっとの手伝いしかできなかったけどさ。立派にみんなは役目を果たしてくれた。学校を守ってくれた。

だからさ、まだ、私たちは恩返し、しきれてないの。

 

お願い、私たちにも手伝わせて欲しい。」

 

みんなの目が伝えてくる。

 

私たちは、何かしたのだろうか。学校を守ることは、そんなに困難なことだったのだろうか。

 

 

 

「あと、篠原さんから伝言よ。」

 

 

 

ヒデコちゃんが何か渡してくる。それは、一枚のカードだった。

 

開いてみると、中に字が書いてある。

無機質な、丁寧な字だった。

 

「あなたたちが創り上げようとしてる。それだけでいいんです。それに、差し伸べられる手は、間違いなく、μ'sが『創った』ものなんですよ。だから、それでいいんです。あなたたちだけで、創るのは、無理なんですよ。周りを見てください。

 

きっと、手伝ってくれる人はいるんです。見えてないだけなんですよ。」

 

 

ヒデコちゃんは近づいて来て、

 

 

「自分たちで決めたキャッチコピー覚えてない?」

 

忘れるはずもない。

そうだった。さっき考えていたことだった。

 

みんなの中にも、μ'sはある。

たしかに、私たちが決めた、私たちだけのライブ。

私たちが創り上げるライブ。

それをしたかった。

 

でも、いろんな人が私たちに関わってくれた。

 

希ちゃんの会社の社長さん。雪穂。お母さんにお父さん。

あの時声をかけてくれたツバサさん。

神田明神の方たち。

 

そして、篠原さん。

 

私たちが創り上げる中で、差し伸べられる手。

それは、きっと手を伸ばしてもいいものだった。

 

ーーーだって、それがμ'sなんだ。

 

「さあ、働くわよ!」

 

みんなで叶える物語。だね。

涙を拭って、叫んだ。

 

「みんなー!ファイトだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、本番の日となる。

目がさめる。いや、目が覚めた。何の原因もなく。

目覚まし時計でもなく。あれ?

 

慌てて、時計に目をやる。今日は、ライブ当日。だから、昨日の夜は寝坊したらまずいと早めに布団に入って、でも緊張で寝られなくて、それで…

 

「や、やっちゃったーーーーーー!」

 

穂むらに、叫び声がこだました。




この3人、絶対出したくてw
このような形で出演していただきました。w

これからも関わっていただきましょう!
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