桜セイバーをあの漫画に放り込んでみた(仮)   作:諭吉

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細かい設定とかそんなことは知らないでござるよ
俺の知っているキャラじゃないとか、なんか変……とか本当に考えちゃダメでござる


幕末

1853年、アメリカのマシュー・ペリー率いるアメリカ艦隊が日本の浦賀沖に来航した『黒船来航』は日本を真っ二つに分けるきっかけとなった……

開国か鎖国か……

倒幕運動、尊王攘夷。

朝廷と幕府の間に高まる緊張。

人々の心に巣食う不安や不満、怒りがとうとう限界を超えるのは必然の流れだったのだろう。

 

――新たな時代を!!

――俺達の国を創るんだ!!

 

刀を持った男達が叫ぶ。

一人、また一人と口々に雄叫びをあげ日本と言う国の大地を揺るがす。

 

 

この戦いの火種は瞬く間に日本全土を覆いつくした。

人々は剣をとり自分の信じる正義のために、これから始まる新時代のためにと戦いへとその身を投げうつ……

 

 

苛烈極まる闘争の日々の始まりだ。

そして混沌とした混乱の渦は

いつの間にか日本全土を包みこむほどの大きな戦火へとあっという間に広がっていた。

 

1868年の江戸城無血開城により始まる明治という新時代まで永きに渡る戦いの時代。

 

 

 

後にこの戦乱の時代の事をこう呼ぶ。

 

――『幕末』

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

百の理想に信念、百の正義に百の野望が渦巻く地獄のような日本の中でも特に異界であった激戦の地・京都にある剣客集団がいた。

 

朱に『誠』一文字の旗。

浅黄色にだんだら模様の羽織。

卓越した超人的剣腕。

死を恐れない「壬生に現れた狼」。

 

日本史史上最大にして最強の剣客集団。

 

それが『新撰組』

 

 

1864年(文久4年、元治元年) 維新志士が集う池田屋を襲撃した通称「池田屋事件」で勇名を馳せ、幕府の宿敵である維新志士を狩り治安を守った幕府最強の人斬り集団である彼らの名は日本人なら誰でも知っているであろう。

そして

圧倒的なカリスマと強靭的な精神力を兼ね揃えた新撰組局長・近藤勇を筆頭に

鬼の副長とよばれる土方歳三、二番隊組長・永倉新八など錚々たる面々の中でも天才剣士と呼ばれる者がいる。

 

名は一番隊組長・沖田総司。

 

 

 

 

 

 

「とまぁ、世間では天才天才と言われてますけど

私はそんなつもりはないんですけどね」

 

血のように紅く染まった満月を背に立つ少女は世間話をするかのように無邪気に話しかけてきた。

物腰柔らかで人懐っこそうな雰囲気を纏うまだ十代後半であろう少女。

桜を思わせるような髪の色をし、白く美しい肌、まだ幼げが残る顔と声。

血で血を洗う激戦の地にいるとは思えない可憐な少女。

しかし内に秘めた剣気は恐ろしい程するどく研ぎ澄まされており先ほど彼女が斬り捨てた浪士の返り血が彼女の頬に紅くついている。それが幼さの残る顔を恐ろしいほど美しく染め上げていた。

愛刀・菊一文字則宗の刃が月光に妖しく映える。

 

 

「……女の身でありながら剣豪揃いを押しのけ、新撰組の組長にまで上り詰めたその剣才を天才と言わずなんというのだ? 新撰組一番隊組長・沖田総司」

 

彼女に話しかけられた男が数歩の間合いの外から答えた。

此方の男もまだ元服仕立ての、青年にもなり切れていないような感じの男だ。

だが彼を見た新撰組の若い隊士達は腰を抜かして二、三人まともに動くこともできない。

超一流の剣士の放つ恐ろしいほどの剣気の渦に呑まれ息すらできないのだ。

そんな彼らのことなどまるで最初からいないように沖田と男は会話を続ける。

 

「ひどいな。その発言、女性差別ですよ? 別にかわいくて百人中千人が思わず一目で心を奪われるような超人的美少女でも組織の頭を名乗っても良いと思うんですけど。きっとこれからの時代はそういう男も女も関係ない平等な世の中になって行く筈です……ってこれ幕府側の私が言って良いセリフなんでしょうか?」

 

う~んと顎に手を当て悩み、

「でも平等な社会に別になってほしいって考えるのは幕府側だろうが攘夷側だろうが関係ないですよね~」と呟いている少女の姿を見るとなんと言って良いのかどこか毒気が抜け落ちていく。

百人中千人とか剣の腕が天才的とは言ったが別にそこまで褒めた覚えはないとか突っ込みどころは多々あったが男は其処には触れない。

もはやこの少女の扱い方に馴れてきたのだなと心で呟いた程度だ。

しかし友人のように馴れ合うような事はしない。

剣を握り向かい合った以上決着がつくまで決して隙を見せてはいけない。

この沖田と言う剣客と数知れず剣を交えてきた男はもう十全に知り尽くしている。

この目の前の少女が無情の修羅であることなど……

 

「しかし、まぁ……アナタに剣の腕を褒められるのは正直うれしいです。

……最強と謳われる緋村抜刀斎さんに」

 

長州派維新志士・緋村抜刀斎。

またの名を人斬り抜刀斎。

 

赤い髪に左頬に付いた十字傷が特徴の短身痩躯の優男。

修羅さながらに人を斬る超一流の人斬り。

一対多でも何の意味も無いと言わんばかりの妖術染みた恐ろしい狂気の殺人剣。

彼の前では屈強な体格の幕臣たちでも赤子同然。

抜刀斎はこの幕末という時代の中でも既に最強の存在なのだ。

勿論新撰組もこの敵を黙って見過ごしていたわけではない。

京の都を守る者として最強の宿敵として幾度となく両者は剣を交えてきた。

だからこそわかる。

この男は強い。人外を超えた化け物としか言えない存在であると。

 

恐らく新撰組の中でもこの男と剣を交えるのは自分以外では近藤局長、土方さん、永倉君。そして斎藤さんくらいのものか。

 

さて戦いの前のおしゃべりも、もうここまででいいだろう。

この先は剣で語り合う死合の時間だ。

 

「行きますよ。緋村さん」

 

沖田は腰に差していた剣を抜く。

――刹那

瞬きにも満たない一瞬の間で沖田は抜刀斎の懐に踏み込む。

 

“縮地”

 

神速を超えた超神速。

初速から一気に最高速度にまで達する幻の体術。

コレが決まった時まるで仙術の類を用いて瞬間移動したかのように見えることからその名が付いた。沖田総司の得意技である。

 

狙うは首。

左下から鋭く斬り上げる。

並みの使い手なら太刀筋を視認することすら不可能の必殺の一撃。

獲物の刈り取らんと壬生狼の牙が襲い掛かる。

 

――殺った

 

常人なら何も気づかないうちになすすべなく確実にその首が飛んでいるであろう。

 

そう常人なら。

 

「甘い」

 

必殺の一撃も先読みし太刀筋を読めるのなら脅威ではない。

狼の牙を超人的な超反応で上体を捩じるように紙一重のタイミングで躱す。

刀を大きく振り抜いた形で固まっている沖田。当然この大きな隙を見逃すわけがない。

抜刀斎は躱した反動を入れ交差するように抜刀された刃が沖田の目前にまで迫った。

最強の名は伊達ではない。

沖田の剣を、沖田の考えを一瞬で先読みし必殺の剣を撃ち放つ。

緋村抜刀斎の名の由来。

超神速の抜刀術。

それは“速い”ではない。“疾い”

彼の放つ一撃は閃光の如し。

飛天御剣流は相手の行動を、体格、骨格、筋肉の動き、得物の特徴、そして相手の心や感情から意識を把握し見切る事を極意とした殺人剣。

見切りから導き出した到達点に超高速の体捌きと剣捌きで放たれる一撃とは相手からすれば何が起きたのか分からないまま倒されているに等しい。

相手の剣を読み相手が読めない剣を叩き込む。

相手に出方を伺わせるのは二流三流の剣客。

真の剣客ならば剣気を内に秘め必殺の剣で相手を斬り殺す。

 

 

 

鞘から光の如く放たれた刃。

抜刀斎の代名詞ともいえる絶対の大技。

無防備な態勢で硬直する沖田に打つ手はない。

勝負はついた……

 

そうコレが唯の一流剣士相手なら抜刀斎の勝利に決まっていただろう……

 

だが。

 

超一流の剣客はそう簡単にはいかない。

いくわけがない。

 

完璧に決まったと思われた一撃をまた沖田も読み切っていた。

小柄な体を活かし潜り込むような形で剣をよける。

化け物レベルの鬼才同士が戦うというのは相手の剣に対抗しいかに攻めるかの単純明快な話を息もつかぬ瞬きの中で行う。

これはもはや常人にはとても到達できない一つの境地であるだろう。

 

沖田の刃がさらに右上段から大きく刃を打ち込む。

これを抜刀斎の超神速の反応を持って受け止める。

両者の剣ががっちりとかみ合った。

実に恐るべきは沖田の超反応。

高度な剣の駆け引きに読み合い。

沖田と緋村の視線が交わる。

 

「……」

 

「……♪」

 

 

両者とも超一流の剣客、両者とも無類の人斬り。

こんな一合い互いにとって唯の挨拶にも満たない。

 

両者ともに跳ねるように後ろへ飛んでまた剣戟を交えようとした。

沖田の右平突きが抜刀斎の顔面目がけて撃ち込まれる。

ソレを右によけた。頬から血が飛ぶ。

沖田の懐にもぐりこみ「ォオオオ!!!!」

吼えながら放たれた左横なぎが沖田に決まる。……いや、縮地で躱された。

胸の所がきれて晒しが現れたくらいだ。

――両者を中心に突風が巻き起こりどこか冷たい、いやに重い空気がその場を支配する。

 

「この反応に恐ろしいほどの鋭き剣閃……。やはりお前は天才……いや鬼才というべきではないか? 沖田」

 

「……あなたも大概に人外染みた人だと思いますけどね。

普通いませんよ。あんな鬼の首も跳ね飛ばせそうな抜刀術の使い手なんて……

まさに最強の人斬りです、……あははは、やっぱり良いですね緋村さん。

あなたの飛天御剣流ますます凄みを増してきているようだ」

 

これまで幾度となく剣を結んできた。

相手の力量はわかっている。

お互い本当の化け物。

これからが本当の戦いだ。

火花散る斬撃の打ち合いはさらに熱を持って果てしなく続く。

 

「……ときに沖田よ」

 

「なんですか?緋村さん?」

 

「お前、もしかして“びーむ”とか隠し持っておらんだろうな?」

 

「!? なにを突然言うんですか!? “びーむ”なんて撃ちませんよ!!!!

アナタは私の事をどう思っているんですか!!?」

 

「いや、なぜか今、妙に色黒で無表情な沖田が“喰らえ!なんかすごいびーーむ”と叫んでいるような光景が見えたのだが……本当に撃てないのか?」

 

まじんさんびーーーむ!!!!

 

「ほんっとうに失礼な人ですね!!あなたは!! 私が“びーむ”を打つとか人外扱いして!! あなただってそのうち次元屈折現象で同時に九つの斬撃とか撃ちそうなくせに!!!!」

 

 

くずりゅうせん!!!!

 

「ええ。わかりました。いい機会です。あなたが本当に人をやめてしまう前にこの沖田さんがあなたを斬ってあげます」

 

「なにやら剣に先ほど以上の気迫がこめられているような……怒ると小じわが増えるしよくないぞ。剣筋も読みやすくなるし……そんな顔をしてると嫁の貰い手も無くなるぞ?」

 

「…………キェェエエエエエエエエ!!!!!!」

 

 

鬼の副長の如くすさまじい表情をした沖田の剣が抜刀斎を襲う。

 

煌めく剣閃が見る者を圧倒、いや息を呑むのも忘れさせるような言葉に表せられない程の衝撃を奏でる。

これが戦い、いや……これが幕末!!

 

沖田総司と緋村抜刀斎。

このような猛者が跋扈し支配していた地獄こそ幕末!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちっ__

何を腑抜けた事をしている……

この程度では戦いとはとてもいえん。ただのチャンバラだ」

 

二人から離れた場所にある長屋の壁に寄りかかり男はこの時代珍しい紙煙草を懐から出して一本口に運ぶ。

フ~~っと紫煙を吐き出し呟いた。

 

 

 

 

 

 

「……阿呆どもが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大きな衝撃を放った刃の打ち合いと同時に土煙を上げて両者後ろへと飛ぶ。

ザァアアっと一陣の風が二人の間を駆け抜け木立が揺れた。

一体どれだけ時間が経ったのか分からない。

一刻か、一日かそれとも数秒なのか。

時間の感覚も曖昧になってしまったようだ。

沖田はふぅっと息を吐く。

今の所互いの実力は拮抗しているがまだお互い奥の手を出していない。

このまま戦いが続けばどうなるか。

今は未だ大丈夫だが沖田には一つ大きな弱点がある。

もしあれが顔を出したら……長期戦は不利だろう。

勝負を決めるなら……

 

「沖田 一つ訊きたい」

 

「なんです?緋村さん」

 

仕切り直す前に抜刀斎が何か問いかけてきた。

もう何度も殺し合ってきた仲だが彼が自分に何か訊きたいことがあると言ってくるなんてちょっと意外で目をぱちくりさせてしまう。

 

「お主は何のために戦う? 何のために剣を握る?」

 

「妙なことを訊くんですね緋村さん」

 

あの人斬り抜刀斎が何を訊くのかと思ったらそんな事かクスリと思わず笑いがこぼれてしまうではないか。

 

「私達は所詮人斬りです。

上に斬れと言われれば斬る。ただそれだけです。

斬り合いの場で主義主張なんて何の意味も無いですからね」

 

「そうか。俺は違う。

俺は人々を守って新しい時代と共にその人々と生きるために戦う!!」

 

「青いですね。緋村さん……でも残念ながら」

 

沖田は刀を構える。

地面に対し水平になるような状態。

新撰組隊士独特の構え平刺突の構え。

沖田の纏う空気が一変した。

まさに修羅へと。

 

「……アナタは此処で死ぬんですけどね」

 

緋村も刀を鞘に納め腰を深く落とす。

さきほどの斬り合いからさらに一段剣気が強くなる。

 

「おれは未だ死なない……が教えてくれた人々が営む小さな幸せ。

それが多くの人々が幸せをつかむ新時代を作るまで……俺は剣を振るい続けなければいけないんだ」

 

 

 

 

 

 

――――互いの信念と正義がぶつかって火花を散らしたこの時代

 

 

 

 

 

 

「一歩音超え、二歩無間、三歩絶刀……!『無明三段突き』! 」

 

 

 

 

 

 

 

――――人はこの時代をこう呼んだ

 

 

 

 

 

 

『飛天御剣流 双龍閃!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――幕末と

 




あなたのカルデアに英霊が召喚されました
宇水さん(ランサー)星3
(#眼Д心)< 何が可笑しい!!
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