夢の中にて。   作:超高機動俺

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今回はなんの関係もないお二人です。


エミヤ ティルフィング

朝の5時、彼は目覚め、ある場所へと向かう。

さて、では今日も仕事を始めるか。と食堂の扉を開く。そして、朝食の準備を始めるためにキッチンに向かうと、そこに倒れている者が一人。

 

「君、大丈夫かね!?」

 

急いで駆け寄り、身体を揺らすとゆっくりと目を開けた。

 

「・・・あれ?」

 

美しい桃色をした長髪の女性。鎧らしき物を着ているから、最近カルデアに召喚された英霊なのだろう。身体を起こし、エミヤを見る。

 

「何処か怪我している場所は?」

 

ここは刃物を置いてある場所だ。何かの拍子に転んで怪我するということも滅多な事ではない。

 

「いえ、大丈夫です・・・」

 

見慣れぬ場所で不安なのだろうか。

 

「で、君はどうしてここにいるのかね?ここの鍵を持っているのは私とあと数人なのだが」

「えっと…突然隊の皆とはぐれてしまって、途方に暮れてたら突然扉が見えたんです。夜も更けていたので取り敢えずそこで休もうと思っていたのですが…」

 

まるで別世界から来たような口振り。おそらく初の英霊としての召喚で少々混乱しているのだろうか。

 

「まぁ、一旦落ち着きたま…」

グー

 

「…」

 

今のは私の音ではなかった。目の前で顔を真っ赤に染めている。

 

「すぐに食事を作るから、何処か座っていてくれ」

「あの、よろしいのですか?」

「本来なら開店準備中だが、お腹が減っているのにあと2時間待てと言うのは酷だろう?」

「あ、ありがとうございます!」

 

彼女がキッチンを出て、食堂の席へ向かうのを見届けた後、コンロに火を入れる。彼女はかなりお腹が空いているのだろう。何か手早く作れるものが良い。そこで思いついたのは焼きそばだった。

 

「確か袋麺がいくつかあったな」

 

冷蔵庫から袋麺、肉、キャベツと玉ねぎを取り出す…っと、危ない。キッチンから出て、あることを訪ねる。

 

「なぁ君、何か苦手なものはあるかね?」

「いえ、大丈夫です。なんでも食べられます」

「そうか」

 

また調理にもどる。

フライパンに火をかけ熱を入れる。それと同時に野菜と肉をざく切りにしていく。ちなみにこの肉は猪のものだ。何処で取れたかは、言う必要は無いだろう?

十分に火を入れたあと、油をひく。袋麺はそのまま入れるとほぐれにくい場合があるのでザルに入れて水で一旦ほぐす。肉と野菜をフライパンに入れ炒める。

数分して、肉の色が変わり野菜がしなやかにやったら麺を投入。なるべく麺に熱がいくように野菜と肉を麺の上に。麺にある程度熱が入ればかき混ぜる。ここで注意したいのは焦げ付いていないことだ。少しの焦げ付きならば気にすることは無いのだが、範囲が広いとソースを絡ませにくくなる時がある。そうなった時はまず焦げ付きを外してから、ソースをかけてほしい。

ソースをかけ、どんどん麺と具材に絡ませていく。それが終われば完成だ。

皿に盛り付け、彼女の前に置く。

 

「召し上がれ」

「いただきます」

 

手を合わせ、その言葉を言うと、まずは一口と麺をほおばった。

 

「どうかな?」

「美味しいです!」

 

彼女の緊張していた顔が一気に砕ける。よかった、お気に召したようだ。

 

「おかわりならまだある。君の為に作ったから遠慮無く食べたまえ」

「はい!」

 

ピンクの髪を揺らしながら麺を啜る彼女。このぶんだとおかわりを用意した方がいいな、ともう一つの皿を棚から出し、盛り付けておく。

 

「おかわりお願いします!」

「はいよ、お待ちどうさん」

 

空の食器を受け取り、すぐさま次の皿を渡す。少々恥ずかしそうだったが、どうやら食欲には勝てないようだ。

 

「食事中ですまないが、君の名前を知らないんだ。聞いてもいいかな?」

「私はティルフィングと申します。あの、貴方は?」

「エミヤだ。クラスはアーチャー。情けない話だがマスターからは料理長だのオカンだの言われているよ」

 

何故か彼女に自分の事を話した。ティルフィングと名乗る彼女は静かに笑っていた。

 

しばらくして、彼女は全ての焼きそばを食べ切った。

 

「あの、ありがとうございました」

「どういたしまして」

「でも、私何も持っていません。あんなに美味しい食事をさせてくれたのに、どうお礼をすればいいのか・・・」

「構わんさ。強いて言うなら君の笑顔が一番の報酬だ。さぁ、厄介な腹ペコ連中に焼きそばの臭いを嗅ぎ付けられる前に戻りたまえ」

「では私はこれで失礼します。本当にありがとうございました!」

 

彼女はそう言って出て行った。

 

エミヤは考える。ティルフィングか…本当に何の名前だったかな…。と、その時、食堂にある人物がやって来た。

 

「よぉアーチャー、焼きそばでも作ってたのか?俺にもくれ」

「ランサー、少し聞きたい事がある」

「・・・何だ、お前が俺に何かを聞くなんて珍しいねぇ。今日は剣でも降るんじゃないのか?」

 

冗談を無視して話を続ける。

 

「ティルフィングという名前に覚えはあるか?」

「ティルフィング?・・・ティルフィングて言ったらルーンの刻まれた魔剣だな。それがどうしたんだ?」

「なぁランサー。君はいつか、一度自分の槍の名を持つ女性と出会ったと言っていたな?」

「あぁ、そうだが・・・お前まさか」

「この焼きそばはそのティルフィング嬢の為に作ったものでな。どうやらついに英霊として呼ばれたらしい。・・・カルデアの召喚システムはよく分からんな」

「そうなのか。・・・ん?ちょっと待て、じゃあそのティルフィングっていうのはどこへ行ったんだ?俺がここに来た時は誰にも会わなかったぞ」

「・・・何だと?」

 

この食堂は少し奥まった場所にある。ここに来るもの同士が絶対に顔を合わせられるようになっているのだ。お互いの顔を見て、健康状況を確認する為にロマンが考えたものらしい。

 

「本当に見なかったのか?」

「あぁ。もしかして夢だったんじゃねぇの?俺もセイバーも夢みたいな出来事だったし」

「いや、しかし・・・」

「おや、ランサーにアーチャー。焼きそばでも作っていたのですか?私にも一皿お願いします」

「おいアーチャー、私にもこいつと同じ物をよこせ」

「私にもお願いします♪」

 

やって来たのは青黒白の騎士王達。

 

「・・・じゃあなアーチャー、また飯の時間に戻ってくるわ」

「おい、待てランサー!・・・ええぃ逃げ足の速い!」

 

ランサーはそそくさと帰っていった。そして腹ペコ三人娘はまだかまだかと待ちわびている。

 

「・・・別に一人でやりきってもかまわんのだろう?」

 

頼れる背中がキラリと光る。

 

増援のブーディカとタマモキャットが到着する頃には腱鞘炎になっているのであった。




本当にキル姫と英霊の共通点とかいろいろ探すの難しいですね・・・。
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