半蔵学院に転入したのは、落ちこぼれの疾風流でした 作:ニンジャスレイヤー暁希
無限斎様は東京へ戻る俺にお土産として『忍まんじゅう』を渡してくれた。
俺が里にいた時に大好物でよく食べていたのだ。
3箱持たされたのだが、途中で1箱開けてしまう。
まぁ。2箱あるのだから構わないだろう。
俺は東京へ着くと下宿へ戻る前に浅草にある船着場まで来た。
俺が船に乗るわけではないが、ここに到着する船を待つためだ。
それから、数十分後に船が到着してきた...
5話 任務!商店街の不良退治
俺のよく見知った女の子が、その船から降りてきた
飛鳥「あれ?暁希くん?」
俺「よっ」
飛鳥「あれ?学校は?」
俺「俺も今帰ってきたとこ」
飛鳥「そうなんだ〜...で、どうだったの?」
俺は1拍置いて、かっこつけて言った
俺「合格にきまってんだろ」
飛鳥「暁希くん、かっこつけてるとちょっと変だよ?」
かっこつけたのバレてました...
俺「うるせぇ。さっさと下宿寄って、学校行くぞ」
飛鳥「そうだね」
俺は飛鳥よりも少し距離を置いて歩いた。
さすがに、見破られた後だったから恥ずかしかった
飛鳥「恥ずかしがってる?」
俺「急ぐぞ」
飛鳥「やっぱり恥ずかしがってる〜!」
...ちょっと制裁したいと不覚ながら思ってしまった
下宿へ戻り、制服に着替えたり準備をして学校へ向かった
俺「おーい、飛鳥?」
飛鳥「ごめーん!先行ってて」
飛鳥は支度に手間がかかっているようだった
俺「はいよ」
俺は一足先に下宿をでると、どこかから殺意じみた視線を感じた。
視線の正体を探ろうと周りを見舞わしたが、特に怪しいものはなかった
俺「気のせい...だよな?」
?「気のせいだといいな...」
後ろから声が聞こえて慌てて振り返った。
しかし、誰もいない。
俺は思い返してみると、あの視線を感じたことがある。
俺の身体が覚えていた
俺は嫌な予感がしながらも、学校に向かって歩き始めた。
それ以降はあの視線を感じることはなかった
学校に着くなり、一般生徒に目立たないように気配を消しながら旧校舎に来た
そして、茶室の仕掛けから教室に入った
俺「暁希。ただいま戻りました」
斑鳩「お帰りなさい。また1歩、逞しくなって帰ってきましたね」
葛城「飛鳥はどうした?」
俺「そのうち来るよ」
葛城「うぅ、飛鳥のおっぱいが恋しいぜぇ!!」
俺も男である身で。まぁ、同年代の男並みには興味があるにはあるのだが...葛城ほどは流石に...
斑鳩はこの時、何やら溜息を付いていた
その少し前、
飛鳥は慌てて下宿を出て、学校へ向かっていた。
道のりで特に何かあった訳でもなく、無事学校に付くことができた。
飛鳥は久しぶりの学校で心を躍らせていて、一般生徒に気づかれてしまった
男子生徒A「おい、転入生かな?」
男子生徒B「声かけてみようぜ!」
男子生徒が近寄ると、飛鳥は気配を消して消えた
男子生徒A「あれ?おっかしいな」
男子生徒B「可愛い娘だったのになぁ」
飛鳥「か、可愛い///!?でも、ごめんね。これも修行のうちだから」
そう言ってその場を離れた。
そして、俺に数分遅れて飛鳥が戻ってきた
飛鳥「あ、飛鳥。ただいま戻りました!」
斑鳩「男子生徒を巻いたのはいいですが、気配を消して忍ぶべきです」
飛鳥「すみません...」
先ほどの斑鳩の溜息の方向は、葛城ではなく飛鳥に向ていたようだった。
葛城「何しょんぼりしてるんだ、飛鳥らしくもねぇ〜」
葛城は後ろからこっそり近づき、胸を揉みしだいた
飛鳥「かつ姉!?」
葛城「おかえり〜!」
飛鳥「もう!油断も隙もないんだから!」
葛城「いいじゃねぇか、減るんもんじゃねぇし」
まぁ、確かにその通りである。
葛城「あ、そうだ!こうすればもっと育って...」
飛鳥「え!?ダメ!!むしろ減ってほしいくらい」
俺「いいじゃねぇか。まぁ、そっちの方が男ウケはいいと思うぞ」
率直な感想を述べたが、場が一瞬凍りついた
斑鳩「そういう目で見ていたのですか...」
葛城「飛鳥なら問題は...ない...よな?」
飛鳥「もう!かつ姉も暁希くんも!!!怒るよ!」
そう言ってると、別の襖が空いて雲雀がやって来た
雲雀「うわっ!?」
雲雀は登場と同時に転んでしまった...
雲雀「痛たた...」
俺「大丈夫か?」
雲雀「襖を開けたら、勢い余って転んじゃって...」
俺は雲雀に手を差し伸べた。
俺「別にどうって訳じゃねぇからな」
少々殺意じみた視線を向けている奴に対してそういった
柳生「雲雀に気安く触るな...」
柳生はスルメを食いながら座っていた
飛鳥「柳生ちゃんいつの間に!?」
柳生「忍は気配を消して忍ぶものだ」
飛鳥「あはは...」
これじゃあどっちが先輩だか分からない。
すると、どこからか見覚えのある煙玉が転がってきた
煙玉から煙が吹き出し、霧夜先生が現れた
霧夜「暁希。飛鳥。戻ったか」
俺「はい」
霧夜「2人ともご苦労だったな」
霧夜先生は俺達を2人を見ながらそう言った
霧夜「それで飛鳥だが...巻物を奪われかけたものの取り返し、上着を奪われ...おぉ、これは凄い」
飛鳥「アイエエ...」
霧夜「合格最低点ギリギリなんて、なかなか取れないぞ」
俺もクスッと笑った
霧夜「お前も人のこと言えないぞ」
俺「へ?」
霧夜「制限時間オーバーで忍術を使い、無理矢理突破。そして、摩天楼を飛び回るという大胆な行為。普通なら一般人に姿を見られてもおかしくはないぞ」
俺「んー...」
霧夜「ともあれ、2人とも。いい昇格っぷりだぞ」
最近気づいたことなのだが、霧夜先生は『とりあえず褒める』タツジン!なのだ
いつもながら見事なワザマエ!
霧夜「今日の午前は対人の訓練を行う。着替えて体育館まで来るように!」
6人「はい!」
俺の転入まで男子更衣室というものが存在せず、今も特別に用意されている訳でも無いため俺は...
女子更衣室の片隅で着替えることに...
飛鳥「覗いちゃダメだからねー!」
俺「どんだけ危険視されてるんだよ...」
覗きたい
斑鳩「振りじゃありませんよ」
俺「わかってっから!」
覗こうかな
雲雀「の、覗く?ダメダメ!絶対ダメ!」
俺「覗きます」
葛城「え?今なんて?」
何でもないよー!
俺「危ない危ない。俺の本音が...」
斑鳩「セリフと思ってることが反対ですよ」
俺「え?」
全員の着替えが無事終わり、体育館へと移動する準備が整った
俺「俺って男だよな...」
飛鳥「変なこと言ってないで行くよ!」
斑鳩「準備が整いましたね。それでは」
斑鳩は蚊取線香を入れる豚ちゃんの中から、紐を引っ張り出した。
すると突然壁が降りて下に続く通路が現れた
皆はそこに次々と飛び込んでいった
俺「しゃあ!やったりますか!」
霧夜「全員そろったな。それでは、学年ごとのペアでそれぞれ対人を行ってもらう!はじめ!」
俺「行くぞ!」
飛鳥「飛鳥!舞い忍びます」
それぞれが模擬刀や自分の武器に近い道具で戦いを始めた
俺は戦闘の訓練なんてまともに受けたことがなかったから、もろ素手で戦った
飛鳥は木刀の短剣を両手に握っていた
結果はわかっていた。
俺「いっ....たァァァァ!?」
俺は飛鳥の剣を腕で受け止めようとして、予想以上の痛みに悶えた
飛鳥「大丈夫?」
俺「木刀とはいえ、かなりダメージをくらうな...」
霧夜「これが木刀だったからよかったが、もしも真剣ならお前の腕はないぞ!」
俺「肝に銘じます...」
霧夜「こいつを使ってみるのはどうだ?」
そう言って先生が差し出したのは普通サイズの木刀だった
鞘から抜刀できるもので、扱いやすく忍の武器としては申し分ない武器と言える
俺「よし!続きやるか!」
飛鳥「うん」
剣の練習をした事のない俺には使いこなせてはいないが、素手で戦うよりも戦いの幅が広がったように感じた
それから30分ほど続けたころ。
霧夜「昼休憩を入れよう」
俺「ふぅ...」
飛鳥「どうだった?刀は」
俺「素手で慣れてたから、ちょっとな」
葛城「素手でも十分に戦えるぜ?」
俺「葛城はタフだからそういうことが言えるんだよ」
斑鳩「少しは攻撃のパターンを変えないと。威力が高くても見切られたら当たりませんよ」
葛城「う、うるせぇ!アタイだって特訓中なんだ!」
ぐー...
俺の腹の虫が鳴った
俺「腹減ったなぁ...」
斑鳩「何か食べに行きますか?」
飛鳥「そう言えば!お土産持ってきたんだ!」
飛鳥は下宿から持ってきた箱を開けた
飛鳥「じゃーん!」
箱の中からは太巻ずしが出てきた
俺「確か、飛鳥の実家は寿司屋だっけか?」
飛鳥「うん!そう!出発する前にじっちゃんが持たせてくれたんだー♪」
飛鳥の持ってきてくれた太巻きを皆1本ずつ頂いた
俺「うん!上手い」
斑鳩「アムっ....んん...」
雲雀「ん...アムっ...」
斑鳩や他のみんなが太巻きを食べてるところを見て、
太巻きがこんなに素晴らしいものだなんて初めて知った
俺「俺もお土産貰ってきた『忍まんじゅう』おやつが寺てらにでも召し上がれ」
雲雀に「いいの!?」
俺「もちろん」
柳生「おいしい....」
俺「だろ!?俺の里ではこれが1番美味いんだよ」
するとまた煙玉が転がってきて...
爆発!煙を散らして霧夜先生が現れた
霧夜「ほう...太巻きと饅頭か。美味そうだな」
俺、飛鳥「よかったら先生もどうですか?」
霧夜「そうか、では一つ頂こう」
霧夜先生も召し上がったところで、午後についての話しが始まった
霧夜「午後は飛鳥と暁希も戻ってきたことだし、学校の外で任務をすることにしよう」
俺「任務ですか?」
霧夜「とは言っても...商店街の不良を退治してもらうってだけだがな」
柳生「それだけか?」
葛城「でも、体育館中でずっとこもって訓練するよりかは全然楽しいと思うぜ」
俺「まぁ、ちょっとした運動がてらな」
霧夜「お、乗り気だな」
実際、結構楽しみだったりする。
学校の外で自分の実力で任務ができる。
実践形式の方が俺は好きだ
雲雀「えぇ...不良さん、ひばり怖いな...」
柳生「安心しろ、雲雀はオレが守る」
柳生と雲雀は転入したてのころは姉妹みたいに見えたが、今のこの状況だと俗に言う『リア充』と呼ばれるバカップルにも見えてくる
そして、俺らは浅草の商店街にやって来た
俺「ここは広いし、手分けして探すか」
斑鳩「そうですね。もし見つけたら合図を送ってください」
葛城「じゃあ解散!」
俺は葛城がそう言って、商店街の外れの方に行こうとしたのに気がついた
俺「どこに行くんだ?」
葛城「ふ、不良を探しに行くところだ!」
俺「商店街の外れの遊園地でか?」
葛城「バレないようにこっそり来たのに...これも何かの運命か...」
俺「ったーく、戻るぞ」
俺は葛城も任務に戻そうとしたが、葛城は俺の腕を掴んで、こう言ってきた。
葛城「一緒に乗ろう?」
うるっとしていて上目遣いで...
女子と一緒なら、最高のシチュエーションだった
俺「ちょっとだけ...だぞ」
葛城「よっしゃァ!ちょろい!」
...ちっと扱いが酷すぎじゃありませんかね?
そんな訳で、俺は葛城と遊園地を回っていた
葛城「次あれ!」
俺「...お前なぁ」
葛城は容赦なく俺を連れ回す。
そして、『HIGH&LOW』というこの遊園地の人気アトラクションに乗ることになった。
乗り物としては単純で地上40m地点まで上がり、地面まで落ちてくるというだけのものだった
葛城「楽しみだな!」
不覚にもこの時の葛城の笑顔は眩しく見えた
俺「はぁ...」
葛城「溜息をつくと幸せが逃げるって言うぞ?」
俺「もうとっくに無くなってるんだなぁ。これがまた」
葛城「何をおっしゃいますか」
そう言って乗り込んだ
段々と登っていくこの感覚...
葛城「もうちょっとで落ちるぞ...」
俺「この前の試験より全然低いな」
その時、俺らは合図を感じた
葛城「暁希!」
俺「おう!」
安全バーからすり抜け、合図のあった場所へと急行した
その頃の雲雀、柳生は...
雲雀「不良さんなんてチョチョイとやっつけちゃうよ!」
柳生「雲雀は無理しなくていい。オレらが全部倒す」
雲雀「またひばりを子供扱いして!ひばりは子供じゃないもん!」
このやり取りを全く関係ない人から見たら、百合カップルに見えるだろう(実際そうなのだg...
そうやっているうちに、裏路地の方へと来てしまっていた
大柄な女「おい、嬢ちゃんたち。いい身なりしてんね」
突然170cmの暁希でも華奢に見えてしまうほど大柄な女から声をかけられた
不良A「コイツら、半蔵学院の生徒ですぜ!」
大柄な女「あぁ、あのやたらデカイ高校の?」
気がつけば15人ほどに囲まれていた
柳生「雲雀、みんなに合図を送れ」
雲雀「わ、わかったよ!」
雲雀は合図となる『訓練された忍のみが感知できる信号弾』を放った
斑鳩はそれに一番に気がついて移動した
葛城と暁希はと言うと...前述の通りである
そして、もう一方の飛鳥は....
信号弾に何も反応が無かった
斑鳩と葛城、暁希は合図のあった場所で2人と合流をした
俺「コイツらを倒しちゃってもいいか?答えは聞かないけど!」
斑鳩「飛鳥さんはどうしました?」
葛城「まぁいい、先に始めてようぜ!」
柳生「雲雀、アレを頼んだ」
雲雀「うん!分かった」
雲雀はせっせと着替えてどこかへ行った
恐らく、人が寄って来ないように細工をしに行ったのだろう
俺らは忍の訓練をされていることで、一般人と比べたら遥かに実力は上である。
戦いの勝ち負けは明白であり、俺達が負けるはずは無かった
俺「ったく...ようやく片付いたな」
斑鳩「飛鳥さんは本当に何をしているのですか?」
葛城「まあ終わったことだし、いいじゃねぇか」
雲雀「みんな!!大変!」
柳生「どうした?雲雀」
雲雀「この人たち、心がないの!」
俺「心がない?人形だったとでも言うのか?」
雲雀「それはわからないけど、そんな感じ...」
雲雀は俺らに比べて人の気持ちや心を読む事に長けている
すると、近くで伸びていた不良たちが人ならざる動きをしながら再び立ち上がってきた
俺「やっぱり、様子がおかしい!雲雀の言う通りだ!」
すると、突然ある空間に飲み込まれてしまった
この感覚には覚えがある...
以前シュリケンジャーと戦ったあの『忍結界』の中だ...