半蔵学院に転入したのは、落ちこぼれの疾風流でした   作:ニンジャスレイヤー暁希

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6話 傀儡!恐るべき人形軍団

忍結界を張ったということは、こいつらは忍!?

にしては...さっきは手応えが全然なかった

 

不良どもはロボットのような動きをしながら立ち上がり、俺らの前に立ちはだかった

 

俺「何なんだこいつら!」

 

斑鳩「皆さん!やりますよ!」

 

5人「『忍転身』」

 

俺達はそれぞれの忍装束を身にまとい、交戦した

 

不良達はさっきとはまるで別人のような攻撃を仕掛けてくる。

 

俺は持ってきた剣を使い、戦った

 

だがしかし、ただの木刀では力は出ず、不良を蹴散らすには1歩足りなかった。

 

俺「ぐぬぬ...!」

 

斑鳩「暁希さん、大丈夫ですか!?」

 

俺「俺を心配してて、余裕なのか?」

 

斑鳩には親から授かった名刀があるのだ

 

俺「俺だって!!」

 

不良に向かって突撃したが、剣はバキッと音を立てて真っ二つになってしまった

 

俺「そん...な...」

 

葛城「暁希!」

 

柳生「助太刀にも回れない...!」

 

俺「畜生...」

 

俺は折れた剣の残骸を見て、自分がどれほど無力であったのかを感じた

 

俺「俺は...無力だ...俺には誰かを守る力など...ない...」

 

その時突然、俺の腕に身につけていたハリケンジャイロが輝いた

 

輝いたと思うと、何かがハリケンジャイロの輝きの中から出てきた

 

俺「これ...は?」

 

まだ輝きを放つそれは、見事な刀であった

 

俺「これでまだ戦える!」

 

俺は剣から力を感じた。まるで...誰かの特別な思いが宿っているみたいに

 

俺「これは凄い!」

 

軽く不良どもをブチのめした後、

俺は剣を納刀してじっと見つめていた

 

雲雀「これって...?」

 

雲雀は何かに気がついたようで、俺達も雲雀のところへ集まった

 

俺「人間...では無いな」

 

それは顔となる部分の塗装が剥がれ、人形の顔がこちらを除いていた

 

斑鳩「書物で見たことがあります。『傀儡』と呼ばれる特殊な術を使える忍が扱える人形のようなものだと」

 

葛城「何じゃーそりゃー」

 

そう言って皆が1点を見つめていると、背後から来ている傀儡の倒れ損ないが雲雀目掛けて攻撃をしてきた

 

柳生「雲雀!後ろ!」

 

雲雀「うしろ?」

 

気づいた時にはもうすぐ側にいた

 

雲雀「ウワァァァァ!?」

 

俺は咄嗟に納刀した刀を横向きにし、銃のように扱った

 

俺「ッ!!」

 

あまりに感覚的に動いたことだったから、自分でもどうしてそうしたのかはわからない

 

だが、その鞘に納刀された刀からエネルギー弾の様なものが射出された

 

エネルギー弾は傀儡に命中し、その傀儡はもう動かなくなった

 

俺「俺は今...何をしたんだ?」

 

斑鳩「それは...どんな武器なのですか?」

 

俺「俺にもわからない...だけど俺は、この刀の使い方を知っていた...」

 

忍結界がはがれ、俺達は元の場所へ戻っていた

 

傀儡...そんなものが一般人がイタズラで使えるはずがない。だとすると、これは悪意を持った忍が俺達に差し向けたのだろう。

 

俺はこんな話を聞いたことがある。

忍は雇い主のために動くが、その雇い主が個人的な利用を行いすぎたが故に、いつからか忍を『道具』としか見なくなった。

そして、雇い主の私利私欲のために悪事を働く忍の事を『悪忍』と呼び、それに対抗して国家が極秘に平和のためと養成している忍を『善忍』と呼ぶ

 

つまり、俺達に傀儡を差し向けたのは『悪忍』と呼ばれる奴らの仕業だろう

 

 

...考えれば考えるほど分からなくなるものだ。

 

俺は1人、先に戻ると言って学校へ戻った。

 

その時に俺は黒い制服を着た別の学校の女子生徒とすれ違った。

 

その人の目をチラりと覗き込んだが、まるで、人形遊びでもしているかのようなあどけなさと少し不気味で身震いをするような何かを感じた...

 

俺は1人で霧夜先生の元に戻って、あることについて聞いてみた。

 

「傀儡」と「悪忍」のことである。

 

どうも引っかかったことがある。

なぜ雇い主の私利私欲のために働く悪忍が犯人だったとしたならば、わざわざ相手にしたくはないであろう俺ら善忍の生徒に挑発のような攻撃を吹っかけてきたのだろうか。

 

俺らの命を狙うのであれば、量産型の傀儡に任せる必要は無い。術を使っている本人はその傀儡たちよりも圧倒的に強いはずなのだから。

 

霧夜「うーむ...あくまで噂話なのだが、悪忍側にも我々に対抗して悪忍を養成する学校があるらしい」

 

俺「悪忍の学校?」

 

霧夜「そうだ。なんでも、生徒全員が己を極限まで追い込み、死人すら出ることもあるという厳しい修行を無理矢理行っているらしい」

 

俺「そんなの...間違ってる...」

 

霧夜「あぁ、そうだ。間違っている。正しい忍としての教育を受けている我々からしたらな」

 

俺「正しい教育?」

 

霧夜「悪忍になる大半の忍は自ら望んで悪忍になるということは少ない。忍を目指したいという目標はあるが、個人的あるいは社会的理由から諦めざるを得なくなり、忍の道を諦めきれない一部の者が悪忍として、忍を目指すと聞いている」

 

俺「道は違えども、そいつらも俺らと同じ...目標」

 

霧夜「だから、大概に完全に間違ってるとは言いきれないのだ。光には影がある。表社会の影に我々がいるように、我々の影にも悪忍がいるということだ」

 

俺「聞けば聞くほど...」

 

俺はつい最近まで落ちこぼれバカの最底辺にいたのが嘘のようだ。

それくらい、理解ができるようになっている

 

霧夜先生と話が終わってから、斑鳩達も戻ってきてそれぞれの考えや感じたことを話合った

 

霧夜「それにしてもだ。全員無事でなによりだった。これからの事だが...暫くの間は外部の人間との関わりを持ってはいけない」

 

俺「襲撃される恐れがあるからですか」

 

霧夜「もちろん。なんの情報もないのに先走って行動しても、まだ意味は無い」

 

斑鳩「わかりました。皆さんも気をつけましょう」

 

全員コクリと頷いた

 

霧夜「それから、飛鳥。勝手に単独行動をした上に、任務を放棄したそうじゃないか」

 

飛鳥「そ、それは...修学旅行に来てて迷子になっている人がいたから、助けてあげようと...思っ...て...いました...」

 

霧夜「確かに、人助けは良い事だ。だが、その判断で自分が居れば仲間が助かったかもしれないという状況になったのかもしれなかったのだぞ」

 

飛鳥「はい...」

 

霧夜「罰として一時間廊下に下がってろ」

 

廊下に下がるとは、某国民的人気アニメの主人公である小学5年生の男の子が、遅刻する度に廊下に立たされるという罰と基本的には同じだが、違うのは、

廊下にバケツを持ったまま逆さで宙ずりになる。という点である。

 

 

 

そのまま一時間ほど下がりおわった頃、俺達は学校がおわった

 

今日の件もあり、全員、真っ直ぐ下宿まで帰った。

 

寮母「おかえり」

 

俺「ふぅ...疲れた...」

 

寮母「そんなに今日の訓練も厳しかったのかい?」

 

俺「ちょっとだけですね」

 

飛鳥「そうだ、寮母さんにもアレのこと聞いてみれば?」

 

俺「そうだ!」

 

と言って俺は刀をもう一度出した

 

俺「この刀ってわかりますか?」

 

寮母さんは一度驚いたような表情をして、我に返ってからこう言った。

 

寮母「あんた、疾風流?」

 

俺「はい」

 

寮母「これも何かの縁かしらね。私も半蔵学院に入学する前は忍風館で修行をしていたのよ」

 

俺「寮母さんがですか!?」

 

俺はもまた、1人で驚いた。

 

寮母「私には三つ上の兄がいてね。兄も疾風流だったのよ」

 

俺「寮母さんのお兄さんも?」

 

寮母「名前は『尾藤吼太』と言うの」

 

俺「『尾藤吼太』...さん...」

 

どこかで聞いたことのある名前だった

 

寮母「疾風流に古くから伝わる伝説の忍『ハリケンジャー』の1人よ」

 

全員に衝撃が走った

 

俺は常々、皆に目標はハリケンジャーになることだと言っていたのだが、その目標である偉大な先輩の妹さんがこんな近くにいたのだ

 

俺「ですが、ハリケンジャーの正体を知っている人って...いないんじゃ...」

 

寮母「勿論、私も一度忘れさせられたわ。だけど、ある日また確信したの。兄が...『ハリケンイエロー』に変身したところを見て...」

 

ハリケンイエロー...

『大地が震え、花が歌う。』

 

陸忍のエキスパートとされ、冷静な判断と力強い忍法が持ち味とされていた伝説の忍だ。

 

寮母「その刀は私の兄が忍スーツを着た時に使っていた種類の刀で、『ハヤテ丸』と呼ばれているわ」

 

俺「ハヤテ丸...」

 

寮母「鞘にしまってあれば、『ガンナーモード』として、エネルギー弾を射出して攻撃することも可能な武器よ」

 

俺「そんなすごい刀が...俺に...」

 

それから、1拍置いて寮母さんは口を開いた

 

寮母「...でも、あんたはお兄ちゃんには似ていない」

 

なんか、ハリケンジャーとしての素質をダメ出しされた気分でちょっと落ち込んでしまった。

 

寮母「でもそれは悪い意味ではないわ。私の兄は慎重さぎたのよ。あと2人のメンバーは凄く活発で...2人のまとめ役みたいなものだったって思ったわ」

 

活発な2人...俺と剛毅

あと、まとめ役が皐月だな。

 

俺達をハリケンジャーの3人に当てはめていた。

 

空忍のレッド

陸忍のイエロー

水忍のブルー

 

それぞれ俺らもそれについて学んでいた。

 

寮母「第二世代のハリケンジャーね」

 

寮母さんは少し笑いながら言っていた

 

寮母「お兄ちゃんも喜ぶかなー?」

 

斑鳩「お兄...ちゃん...」

 

自分の昔について考えたのは、俺だけでは無かったみたいだった...

 

受け継がれる世代

 

俺達は新しい時代を担う忍

 

ハリケンジャーになろうと思う気持ちはより一層強まったのだった。

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