戦闘艦娘雪風   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

17 / 26
Operation.4
01


 クリスマス、幼い少女はツリーへの飾り付けをしていた。

【――首相は、『ゆゆしき事態である』として、自衛隊に対して防衛出動を下しました。現在、航空自衛隊 第1航空団、第3航空団、海上自衛隊 第4護衛隊群が――】

 少女は、両親の見ているテレビを見る。そこには、撃墜される灰色のC-2輸送機と、見た事の無い戦闘機――

 

 

 

 カメラのフラッシュが焚かれる中、長い黒髪の女性が壇上に上がる。

「皆様に集まって頂き、ありがとうございます。私は、当艦隊の司令を務めます、祥鳳と申します」

 ここは日本海軍の航空母艦〈龍驤〉の艦内だった。

 ルポライター・陸奥は立ち上がり、質問する。

「この艦隊の派遣の目的は?」

「伊豆諸島防衛のためです」

「それは、深海棲艦との戦いを想定して、という事でしょうか?」

「〈通路〉を超えてやってくる、いかなる敵、という事です」

「それは――」

 しかし、陸奥の言葉は別の記者によってかき消された。

「この時期の艦隊の派遣は、国連への常任理事国入りへの示威行動と言われていますが?」

 陸奥は、やりきれない思いだった。

 

 

 

 そして、〈龍驤〉と併走していた客船へ記者は乗り移り、離れていく。

「やれやれ、やっと引き上げてくれましたか。これで少しは――」

 鳥海が呟く。その隣で、陸奥は小さく笑った。

「あ! これは失礼しました!」

 鳥海は、陸奥へ敬礼する。

「いいのよ。無理言って乗せてもらっているんだから」

「いえいえ。我が艦隊の仕事を知ってもらう、良い機会ですから」

「そうね。そうさせてもらうわ」

 

 

 

 フェアリィ鎮守府 第1作戦会議室――

「従来の攻撃方法としては、戦略偵察隊の確認した深海棲艦基地に対し、これを強襲、空爆をもって牽制するのが基本戦略でした。しかし、深海棲艦は全く違う方向から我が軍を奇襲、結果として一進一退の攻防が長期化しているのが現状です」

 真っ暗な会議室で、飛龍がプロジェクターを使って説明した。次に、霧島が立ち上がる。

「ご説明しましょう。現在、空技廠で開発中の、空挺兵力計画。深海棲艦の主要基地の一つ、ミッドウェーを空爆で破壊した後、これを投入、占領します。初期構成としましては、各部隊で余っている余剰人員を収集して編成します。つきましては――」

 

 そんな中で、長門と川内がひそひそと話す。

「地球へ?」

「そう。新しいエンジンの燃焼テストのためにな。地球側には連絡済みだから、いきなり撃たれたりはしまい」

「こんな時期ですか?」

 

 

 

 特偵戦 整備区画にて、震電偵のエンジンが換装される。

 雪風はぼんやりとそれを見る。震電偵のコクピットでは、千歳がノートパソコンで作業していた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。