九六式艦上戦闘機とたこ焼き型戦闘機がドッグファイトを始める。照準器内に捉え、発砲。しかし、当たらない。
そして、九六式艦上戦闘機は爆散した。
別の九六式艦上戦闘機が空対空ロケット弾を発射し、たこ焼き型戦闘機を攻撃する。が、たこ焼き型が消えた。
〔ロストコンタクト、ソウリュウ3!〕
再び2機の九六式艦上戦闘機がやられた。
〔ソウリュウ3、4、ロスト! ホームへ向かっている! 追撃しろ!〕
日本海軍のむらさめ型対空護衛艦〈むらさめ〉〈ゆうだち〉の5インチ単装砲と3インチ連装砲が唸る。が、深海棲艦のたこ焼き型戦闘機はもろともせず、〈龍驤〉へ向かう。そして――
3機の内1機が〈ゆうだち〉に突っ込んだ。
「地球の連中には、やっぱり無理か」
炎上する〈ゆうだち〉を見ながら、川内が呟いた。そして、残りのたこ焼き型を見つけた。
「いた! あれだ! 奴ら、空母に向かっている!」
「飛んだエンジンテストです」
雪風がスロットルレバーを押す。新たに装備された、ターボプロップエンジンが呼応するように唸った。
対空護衛艦〈はるさめ〉――
「こっちに向かって来ます!」
「ぶつけてでも止めろ!」
見張りの衣笠に向かって、那智が叫んだ。
「駄目です! 間に合いません!」
その時、〈はるさめ〉の目の前でたこ焼き型が爆散した。
「爆発した……?」
「もう1機! 左舷から来ます!」
それは、従来の戦闘機とは全く異なっていた。
夕張が呟く。
「深海、棲艦……?」
〈龍驤〉の各種対空兵器が弾幕を張る。が、たこ焼き型には一切当たっていない。
雪風は正面の光学照準器を睨む。親指は、既に操縦桿の爆弾投下ボタンに掛かっている。そして――
たこ焼き型戦闘機は木っ端微塵に吹き飛んだ。
「間一髪か。寿命が縮むかと思ったよ」
ふぅと、川内が溜め息をついた。雪風は燃料計を見て、口を開く。
「川内さん、このままじゃ海水浴です」
震電偵の燃料は、尽きかけていた。
「心配無い、燃料ならたんまりあるさ」
「あそこに?」
川内に釣られ、雪風は〈龍驤〉を見る。
「国際条約があるんだ。嫌とは言えないよ」
「キャリアよりアオタカ5、今――」
「――そう、空中待機だ」
〈龍驤〉管制室はてんてこ舞いだった。
「そうだ、フェアリィ海軍機が緊急着艦する。甲板を全て開ける。ああそうだ、宇宙人のお出ましだ」
震電偵はランディングギアを降ろし、フラップを下げた。
「馬鹿、高度が高過ぎよ!」
「速度も速い!」
LSO(着艦安全士官)の瑞鶴と瑞鳳が叫ぶ。
が、震電偵は甲板上の向かい風を利用し、ふわりと着艦した。