戦闘艦娘雪風   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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 震電偵は〈龍驤〉飛行甲板の右舷側に駐機した。キャノピーを開け、川内が立ち上がると、甲板の乗員が見えた。その全員が、敵を見るような目であった。

「歓迎ムードとは、言えないな」

 そう、川内は呟いた。そこへ、護衛と共に1人の女性がやってきた。

「副長の鳥海と言います。要請のあった給油については、国連を通じてフェアリィ海軍に照会中です」

「ご配慮ありがとうございます。フェアリィ海軍 特偵戦の川内です。艦隊司令とお話出来ますか?」

「分かりました」

 鳥海は艦橋へ戻っていった。

 

 

 

 待っている間、7機の九六式艦上戦闘機が着艦し、3機の九六式艦上戦闘機が飛んでいった。

「いつまで待たせるんでしょうか?」

「さぁね」

 2人は待ちぼうける。

「まるで犯罪者のようです」

「仕方無いとはいえ、巻き込んでしまったからね」

 川内は、今なお燃える〈ゆうだち〉を見る。そこへ、見知らぬ女性が視界に入ってきた。

「J7W3R 震電偵……だったかしら? フェアリィ海軍が誇る最新鋭戦闘偵察機の名前は……」

 川内が話し掛ける。

「どちら様で?」

「あらやだ、ごめんなさい。播磨 陸奥と言うの」

「播磨……? あ、あの有名なルポライター!?」

「フェアリィ海軍の方に知ってもらえてるなんて、光栄だわ。何処かでゆっくりと――」

 そこへ、鳥海がやってきた。脇には一式機関短銃(試製二型機関短銃)を携えた吹雪と敷波の姿があった。

「司令がお会いになるそうです。艦橋まで起こしください」

 鳥海が敬礼する。川内は、鳥海についていった。

 

「残念ね、もっと話したかったのに。今の地球人は、皆あんな感じよ」

 陸奥の独り言に、雪風は反応した。

「まるで、地球人ではないような言い方ですね」

「そういう貴女も、まるで宇宙人みたいだったわよ? 案外、いい声してるのね」

 そう言って、陸奥は雪風に微笑んだ。

 

 

 

「深海棲艦の……心理分析ですか!?」

「そうだ」

 フェアリィ鎮守府の、千歳の部屋に長門がやってきた。

 千歳は目を白黒させる。

「深海棲艦を、1つの人物と見なせば、出来るかもしれませんが――」

「何でもいい。深海棲艦が何を考えているのか、その手掛かりが欲しい。予算管理に作戦立案まで、全てをコンピュータに任せるこの海軍で、深海棲艦がターゲットを変えたように思う現状を、な」

「深海棲艦がターゲットを変えた……まさか、艦娘に?」

「とにかく、急いでくれ」

 そして、長門は部屋を出て行こうとする。

「生き残りたければ、どんな些細な変化も見逃すな、千歳」

 長門はそう言い残し、部屋を出て行った。

 

 

 

 〈龍驤〉の飛行甲板で、九六式艦上戦闘機が翼を広げる。

「私は、ずっと深海棲艦を追い掛けて来たの。幼い頃に見た、テレビの映像で初めて深海棲艦を見た時に感じた恐怖が何だったのか知りたくて……でも、結局何も分からなかった。深海棲艦とは何か、調べれば調べるほど分かんなくなっちゃって。家族にも愛想を尽かされちゃってね」

 陸奥は語る。雪風は、ただ黙って聞いていた。

 

 

 

 やがて、川内が戻ってきた。震電偵に燃料が補給され、震電偵は機首を艦首に向ける。

 そして、震電偵は飛んでいった。〈龍驤〉の真上をローパス(低空飛行)していき、上昇していく。陸奥は、震電偵が見えなくなるまで空を見ていた。

 

 

 

 〈超空間通路〉を抜け、震電偵はフェアリィへ戻ってきた。が、突然空が暗くなった。

「何!?」

 川内が辺りを見渡す。雪風は、右上を見る。そこには、二式艦上偵察機が飛んでいた。そのコクピットにいたのは、雪風だった――

 




遂に始まった、フェアリィ海軍と深海棲艦の総力戦。

時同じくして開始される、霧島の反乱。

川内は、そして雪風は……

人類の命運は、震電偵の翼に委ねられた。

戦闘艦娘雪風 Operation.5、12月23日公開。

プッシャー機の妖精が導く先にあるのは、悲劇か、それとも----
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