戦闘艦娘雪風   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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Operation.5
01


 震電偵と二式艦上偵察機が並んで飛ぶ。

 その時、震電偵の液晶ディスプレイでカウントダウンが始まった。その横の大量のランプの中で、1つだけ点いている。「SUICIDE BOMB」、つまり自爆だ。

「どうして!? とにかく、自爆シーケンスを止める!」

 川内は計器に触れようとする。しかし、雪風がそれを止めた。

「触らないで!」

「でも!」

「丹陽は、深海棲艦に捕まるくらいなら、自爆するつもりなんです!」

「お前……」

 その間にも、カウントダウンは進んでいく。そして――

 

 

 

 川内は目覚めた。座っているのは、震電偵の後席だ。周りを見渡しても、フェアリィの海と空が広がっているだけだった。

 

 

 

 ――戦闘艦娘雪風 Operation.5――

 

 

 

 川内の自室で、彼女はブーメランの翼を削っていた。雪風は、ソファに座って眺める。川内は木屑を吹き飛ばし、その曲線を撫でた。

 

 突然、視界が暗くなる。いや、突然暗い部屋に変わったのだ。家具も雪風も姿を消した。

 キィという音に、川内は振り返る。その先には、開いた檻。

「雪、風……?」

 

 

 

 突然ブザーが鳴った。川内は驚く。ここは特偵戦のブリーフィングルームだった。

 川内は鳴っている電話を取る。

「はい、特偵戦」

〔川内さんですか?〕

 それは、オペレーター・羽黒からの電話だった。

〔長門さんがお呼びです。司令センターまで来てください〕

「分かった、すぐ行く」

 電話を切り、川内は椅子に腰掛けた。

 

 

 

 エレベーターによって、震電偵は地上へ運ばれる。

「『出撃の目的が不明』……ひどく不安定だわ。困惑して落ち着かないみたい」

 膝にノートパソコンを置き、震電偵のコクピットに座った千歳が言う。すると、雪風が計器を弄り、口を開いた。

「雪風から丹陽へ。情報分析行動を続行、機体の安全を最優先に行動せよ。これは明確な作戦行動である……心配しないで、丹陽」

 すると、震電偵のエンジンの振動が小さくなっていった。千歳は驚き、雪風を見上げる。

 

「何をぐずぐずしてるんだ?」

 川内が、エレベーターの方を見る。ここは、滑走路脇の原っぱだった。そこに、円卓とティーパーティーのセットが用意されている。

「待たせてすまないな、2人共」

 長門が口を開く。すると、このパーティーのゲストである加賀と扶桑が応えた。

「構いません、長門」

「しかし、変わった趣向だと思いますけどね」

 

 やがて、雪風と千歳がやってきて、パーティーが始まった。

「フェアリィ海軍最高司令官の加賀と、空技廠長官の扶桑に来てもらったのは、意見を聞くためだ」

 長門の言葉に、ティーカップを持ち上げた扶桑が言う。

「意見、とは?」

「例えば、貴女達が霧島にさせようとしている、反乱について」

 

 

 

 そして、フェアリィ鎮守府 中央司令センターでシステムダウンが起こった。

 誰もが困惑する中、中央司令センターは爆発で吹き飛んだ。

 

 地下居住区を走る路面電車が突然停止、そして車内から、一式半装軌装甲兵車が出てきた。人々が突然の出来事に立ち止まる中、一式半装軌装甲兵車は突然機関銃を乱射し始めた。

 さらに特二式内火挺が主砲をぶっ放し、ビルを破壊する。

 

 

 

【Ise DEAD】

【Roma DEAD】

【Hatakaze DEAD】

【Mutsuki DEAD】

【Uduki DEAD】

【Sazanami DEAD】

【AREA WIPE OUT】

【WARNING: ENEMY TYPE NORMAL×8】

 

 

 

 長門の言葉に、扶桑は俯く。そして、加賀を見た。その反応に加賀は頷き、扶桑は渋々口を開いた。

「彼女は、深海棲艦になろうとしていました。裏切りという、誠に人間らしい方法で」

「深海棲艦に……!?」

 扶桑の言葉に、千歳が驚いた。

「情報戦とは、敵の懐に忍び込んで行うもの。彼女にとって、深海棲艦を知る事は何よりも生きがいだったのです」

 

 

 

 一式半装軌装甲兵車が停車し、64式7.62mm小銃で武装した艦娘達が降りてきた。周囲を警戒する中、霧島が降りてくる。

 フェアリィ鎮守府 中央司令センタービルが爆発で倒壊するのを見ながら、霧島は薄ら笑いを浮かべた。

 その時、霧島はある事に気付いた。死体に血生臭さが無い……

 

 

 

 フェアリィ鎮守府 第3滑走路から、烈風改の編隊が離陸していく。上昇し、やってきた深海棲艦戦闘機とドッグファイトを始めた。

 更に、フェアリィ鎮守府のレーダー連動式25mm連装対空機銃や12cm多連装対空ロケット砲が迎撃を始める。

 深海棲艦戦闘機の後ろに、無人の烈風改がつき、20mm機銃で射撃する。その残骸と流れ弾は滑走路脇の原っぱに突っ込み、炎上する。

 

 燃え盛る炎の中で、長門は口を開いた。

「分かったか? これが、お前達の招いた戦局だ」

「……それでも、私達は知らなくてはならないのよ。深海棲艦とは何か、をね」

 加賀は呟く。扶桑は周りを見渡し、こう言った。

「もう、いいでしょう。ここはもう、潮時のようですし」

 長門は頷き、雪風を見た。そして雪風は、無線で震電偵に指示を出す。

「雪風から丹陽へ。ミッションをステップ2へ移行。当該データを削除し、安全を確保して」

 

 

 

【ROGER】

【Kaga】

【Fusou】

【Nagato】

【Sendai】

【Thitose】

【Yukikaze】

【DELETE】

 

 

 

 エレベーターは下降し、震電偵は地下格納庫へ戻っていく。

 そして、6人は消えた。

 

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