二式艦上偵察機、パーソナルネーム・ターターが飛ぶ。その先には、大量の深海棲艦戦闘機。
「R-7 ターターよりアマギー。ノーマルタイプが多数、いや無数よ。まるで、お祭りね」
パイロットの天津風がそう報告した。
「現在、〈通路〉までの距離、200km! 本艦を中心に、各飛行隊を密集配備しています!」
飛鷹がそう報告し、加賀が頷いた。
「接触も時間の問題ね。全部隊にDEFCON1」
「DEFCON1発令!」
「隔壁を閉鎖!」
「全部署に対空戦闘用意発令!」
「交代要員を配置に就かせろ!」
アマギー格納庫では、戦闘機の出撃準備が整われていた。
《サクラ5、フライトデッキへ。隔壁閉鎖後、ヒヤシンス22、ランプアウト。ヒヤシンス17、補給作業完了》
機体にパイロットが乗り込み、整備員達が燃料や弾薬を装填する。そして、次々とトーイングカーで運ばれていく。
〔キャリア1、アマギー後方で待機中。作戦開始まで、所定針路を保持させる。441WW、ガンシップ各機は防御態勢を保持しつつ、キャリア1をエスコート。441WW、ガンシップ各機は防御態勢を保持しつつ、キャリア1をエスコート〕
無人で飛ぶ零式輸送機を囲む二式大型飛行艇のパイロット・加古は呟く。
「爆弾のお守り、か」
〔――繰り返す、各飛行隊は所定エリアで空中哨戒を行え〕
アマギーから彗星が発艦していく。
〔522飛行隊、サクラ2、サクラ4、発艦。サクラ7、発艦用意――〕
〔505飛行隊は前進、艦隊前衛にて邀撃準備〕
そして、無人の烈風改と深海棲艦戦闘機が空中戦を始めた。
〔始まったわ〕
〔505飛行隊の無人機隊、深海棲艦の先鋒と接触、交戦中〕
烈風改が空対空ロケット弾を発射、深海棲艦戦闘機を撃墜する。深海棲艦戦闘機も空対空ロケット弾を発射するが、烈風改はバレルロールでかわす。
そんな中、1機の烈風改がもう1機の烈風改の後ろについた。そして、20mm機銃で攻撃した。
「何だ? 味方同士で空中戦をしてる?」
二式艦上偵察機後席の松風が烈風改を観察しながら言った。その時、前席の暁が気付いた。
「見て!」
「深海棲艦の新型機!?」
それは、EC-121のような外見の大型機であった。が、深海棲艦戦闘機のように怪しく光っている。
「R-12 アストリアからアマギー! 新型の深海棲艦だ! 奴ら、無人機を狂わせている!」
零式艦上戦闘機 52型の編隊が旋回する。
〔レフトターン・ナウ、ゴー!〕
そして、深海棲艦戦闘機と空中戦を始める。
浦風が操縦桿のトリガーを引き、深海棲艦戦闘機を撃墜した。
〔あっちでも始まったわ!〕
〔……長い1日になりそうじゃけん〕
見れば、遠くでジグザグに描かれた飛行機雲が複雑に絡まっていた。
「交戦中の326飛行隊、185飛行隊も――」
「まもなく、〈通路〉視認距離に到達します!」
鹿島が報告する。
「深海棲艦本隊、〈通路〉前面に集結中!」
比叡が驚く。
「速い……来ます!」
そして、大量の深海棲艦戦闘機がやってきた。
彗星達は増槽を捨て、アマギーの前に出る。
〔サクラ1から各機、正面に散開して邀撃戦に移る! サクラ13、第2編隊は第1編隊をバックアップ!〕
そして、彗星と深海棲艦戦闘機が空中戦に突入した。
彗星の7.7mm機銃が唸り、深海棲艦戦闘機が粉々になる。
〔よぉし、そのまま……〕
隼鷹が言う。そして、空対空ロケット弾が深海棲艦戦闘機に命中した。
〔ビンゴ!〕
「サクラリーダー、こちら6! 2機に後ろを取られた! 助けて!」
1機の彗星の後ろに、2機の深海棲艦戦闘機がつく。彗星はロール、同時にフルスロットルで加速する。が、深海棲艦戦闘機も続く。
〔サクラ6、振り切れ! 今そっちに向かう!〕
「駄目、振り切れない!」
しかし、爆ぜたのは彗星ではなく、深海棲艦戦闘機だった。パイロットの時雨とナビゲーターの朝潮が驚くと、2機の二式艦上偵察機が追い抜いていった。
〔幸運を〕
R-6 ヴィッカースは翼を振り、ナビゲーターの朝霜がラフに敬礼して、2機の二式艦上偵察機は去っていった。
「そちらも! 帰れたら(ラムネを)1杯奢るよ!」
時雨と朝潮は敬礼を返す。そこへ、武蔵と初霜の乗った彗星がやってきた。
〔サクラ6、後だ。スターボード(右旋回)〕
「了解」