運命よ、そこをどけ。   作:明鏡止水

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『騎馬戦』

 二、三人が組んで馬の形をつくり、その上に別の一人が乗り、敵味方に分かれて上に乗っている者を落とし合ったりその者の帽子などを取り合ったりする遊戯である。


時尾 花架琉:オリジン

 

 雄英高校体育祭、第2種目は騎馬戦だ。制限時間は15分、割り当てられたポイントの合計が騎馬のポイントとなり騎手は合計ポイントを保持するハチマキを装着、その鉢巻を奪い合いポイントを競う。ハチマキは原則首から上に巻きつけ普通の騎馬戦とは違いハチマキを取られただけでは失格にならない、個性発動アリの騎馬戦、あくまでもそこはぶれず悪質な使い方をすればその時点で一発退場。

 

 まとめるとこういうこと、ね。

 

 確かにハチマキを取られたくらいで即敗退では面白みにも欠けるし何より本当の実力というのは確認しにくい、流石にこの種目が最後ではないだろうし、なかなか凝ったルールだと思う。

 

 何と言っても雄英高校体育祭の目玉は個性同士のぶつかり合い…一騎打ちがメインなのだから。

 

 それにしても障害物徒競走の後半から最後の人がゴールするまで頭がぼーっとして働かなかった、目も痛い、むかむかするし、正直気分が悪い、それに自分の状態がどうあるのかが正確に把握できていない。

 

 しかしまぁ、予想以上の負荷がかかり立ち直るまで少しばかり時間がかかったけれどようやく超能力を使えるコンディションまで持ち直すことが出来た、それはいいのだけれど…

 

 騎馬戦のチームは勝手に決められるものではなくて、自分たちの力でプロデュースしないといけない物だった。

 

 確かにヒーローは即席のサイドキックと連携をうまく取れなければならないと聞いたことはあるけれど、まさか私たちにまで課すなんて、でもそれはそのはず、この第2種目まで上がってきた人達は例外なくその世界を目指して真剣にやっているのだから。

 

 プロとして当たり前のことを将来そうなる筈のこの人たちにやらせて損をするはずがない、寧ろお釣りが返ってきそうなほどにいい方法だと思う、あくまでそういう人たちは。

 

 私みたいなのは関係なしに。

 

 さて閑話休題。

 

 いまこの場に残っている42名は競争者としての意味合いが大きいけれど『騎馬戦』という種目においては協力しなければならない、協力した団体の勝利=自分の勝利に直結するから、持ちつ持たれつやっていくしかない。

 

 いや待って、私はあまりにも不利ではないか?

 

 個性もヒーロー科ではないしよくわかっていない、尚且つ知り合いがこの場にほとんどいない。

 

 といううか42名この場にいるわけだけど普通科2名、サポート科1名らしい…誰だヒーロー科で消え去った奴は…!

 

 

 と考えているとキョロキョロしている私を見つけた猛獣のような眼をした人達が私を目掛けて集まってくる、ワラワラと。

 

 あっという間に囲まれた私は為すすべもなく、とてつもないパワーを持った人たちに囲われる。

 

 名前や賛美の言葉をひっきりなしに投げかけられた挙句勝手に自己紹介が始まる、個性、名前、自分と組んだ時のアドバンテージ等々…せっかく集まったんだし、ありがたく利用させてもらおう。

 

 集まってきてくれた人たちの話をせっかくだから聞く、私のことに関しては当たり障りのないことを言って何とか誤魔化して、ざっと8人くらいのデータを分析、どの作戦で行くかを迷っているさなかだった。

 

「ねえ、力を貸してくれないかな?」

 

 まだ聞いたことのない声で、私は申し訳ないけれど断ろうと振り向いた、私を利用してやるそんないやな目だった。

 

「悪いけど、あんたとは組みたくな……っ」

 

 にやりと性悪の悪い笑顔に苛立ったところで、私の意識は霧に包まれたようにぼんやりと覆われてしまった。

 

 

 

 

 




 
個性とは、身体機能の一部である、言わば魔法のようなものであり使用することによってゲームでいうMPやHPも当然減少する…身体機能の一部でもあるので当然使用にあたってリスクは発生する、だが身体機能の一部ということは鍛えれば伸びるという特性も併せ持ち未だにその全貌は解明されていない摩訶不思議な現象でもある。

 
 だからこそ、遺伝子と深く結びついている個性を移動させるのは相応のリスクを伴っており、他者へ付与する場合は負荷に耐えきれず物言わぬ人形の様になってしまう、仮に個性を植え付けれたとした場合、対象が既に別の個性を持っている場合、それぞれの個性が混ざり新たな個性へと変化する事がある。
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