問題児と会長が異世界で好き勝手するそうですよ? 作:ティルナファ
ハンター協会第12代会長アイザック・ネテロは、キメラアントの王メルエムを倒すため自分の身を犠牲にし自爆した。そう、死んだのである。それから、ハンター協会では次の会長を決めるために一悶着あったのだが、そんなことネテロには知るよしもない。
ネテロは、自爆してから死ぬまでのわずかな時間の中で考えてた。大して引き継ぎもせず、次の会長にハンター協会を託すこと。何も言わずに死んでしまうこと。ゴン達は無事かどうか、などである。
そして、段々と意識が薄れ行く中で声が聞こえてきた。
『悩………異………つ……………告げる。…の
所々、ノイズが入ったせいで聞き取れなかったが、ネテロは大体理解した。しかし、それがどういう意図なのか考察する暇もなかった。なぜなら、謎の声が伝え終わってから10秒も経たないうちにおよそ上空4000メートルほどの位置から落とされたからである。
(これはまた、随分と手洗い歓迎じゃの)
ネテロが辺りを見渡すと、自分と同じような状況の少年達3人と1匹がいたことに気づく。一瞬、助けるべきかとも思ったが真下に水が溜まっていたため、その必要もないと判断した。
そして、案の定1人を除き全員がびしょ濡れになった。無論、ネテロは濡れていない。足の裏に念を纏い水面上に着地した。
「……大丈夫?」
『じ、じぬがぼおぼた…………」
「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺り込んだ挙句、空に放り出すなんて!」
「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」
「……。いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」
「俺は問題ない」
「そう、身勝手ね」
そして、乱暴そうな少年が濡れた髪を搔きあげ言った。
「まず、間違いないだろうが、いちおうかくにんしとくぞ。お前達にも変な手紙が?」
「そうだけど、そのオマエって呼び方を訂正して。私は久遠飛鳥、以後気をつけて。それで、猫を抱えている貴方は?」
「……春日部耀。以下同文」
「そう。よろしく春日部さん。それで、野蛮で凶暴そうな貴方は?」
「高圧的な自己紹介をありがとよ。野蛮で凶暴な坂廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃った駄目人間なので、用法と容量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」
「取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」
「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」
「ええ。最後に唯一濡れなかった貴方は?」
恨みがましく、飛鳥がそういった。
「アイザック・ネテロじゃ。ネテロでもネテロさんでも好きに呼んでくれて構わないぞい。助けられず、すまんの〜。体が重くて重くて、歳は取りたくないのう」
ネテロがおどけて見せると、
「とかいってる割には、じいさん相当強いだろ。俺より強い奴なんか初めて会ったぞ」
(ほう、この少年一見してワシの力を見抜くか。なかなか見所あるのう)
「はてさて、それはどうかの?それはさておき、そこの者に事情を説明させんで良いのか?」
「じいさん、やっぱ気づいてたか」
「他の2人もきっとそうじゃろ」
「ええ」
「風上に立たれたら嫌でも分かる」
「ほう?」
「……へえ?面白いなお前」
バレているとわかったので、黒ウサギは観念して出ていった。
「や、やだなあ御三人様。そんな怖い顔で、ここは一つ穏便に話を聞いていただけると
「断る」
「却下」
「お断りします」
「あっは、取り付くシマもないですね。というか、返答早すぎませんか!最後まで言わせてください」
「断る」
「却下」
「お断りします」
黒ウサギはうなだれた。
そして、その後に問題児三人に自慢の耳を弄ばれたり。事情を説明したり、ギフトゲームをした。そして、彼女のコミュニティへ向かっていた。だが、黒ウサギは気づいていない。一名がいないのを。