やはり俺たちのオラリオ生活はまちがっている。   作:シェイド

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遅くなりすみません。
今回はハチ×コマのデート回です。


コマチとお出かけ!

次の日

 

今日はコマチとデートをする日である。

コマチの外出禁止は昨日まで。今日からは自由に過ごすことが可能になるため、コマチの要望により今日デートをすることが決まったのだ。

 

というか兄妹で出かけることをデートっていうのだろうか?

 

「お兄ちゃん準備出来た~?」

「ああ。終わってるぞ」

「じゃあ行こ!」

 

コマチに連れられて、俺はオラリオの街へと繰り出した。

 

 

***

 

 

「やっぱり人がたくさんいるよね~」

「賑わってるな」

 

俺達は東のメインストリートに来ていた。

ちなみに今日の行先はこうだ。

 

東のメインストリート

    ↓

西のメインストリート

    ↓

北のメインストリート

    ↓

  ホームに帰宅

 

という感じらしい。朝コマチに聞いた。

 

「じゃあお兄ちゃん!最初はあそこに入ろうよ!」

「わかった。わかったから手ぇ引っ張るなって」

「お兄ちゃんが遅いからじゃん!」

 

コマチに連れられ、俺は店の中に入っていく。

あ。コマチと俺は手を繋いでいます。はい。

 

 

***

 

 

「じゃ~ん!どうこの服?似合う?」

「可愛いぞー」

「……そんな棒読みで言われても嬉しくないんだけど………じゃあお兄ちゃんはどの服が良いのさ?」

「そうだな……」

 

俺達が入った店はヒューマン向けの衣服が売ってある服屋だった。

現在、コマチの服選びをしてるんだが……。

 

「これなんか似合うじゃないか?」

「おお~可愛いらしい服ですな」

 

俺が選んだのは水色を基調としたワンピースだった。

いや、ほらね?コマチ×ワンピース=最強に可愛いっていう公式が俺の中で出来ちゃうぐらいには似合うと俺の中のミニハチマンが告げていたんだ。

 

「じゃあ着替えるからちょっと待っててね~」

「ほーい」

 

コマチは試着室のカーテンを閉めた。

俺は待っている間、自分が普段着として着る服を見ることにする。

 

うーん、なんかいまいちだな。

試着室付近の男の子用の服を見るが、良いのがない。

俺が好きなのはあまり派手な感じじゃない服なのに、なんでこんなにも激しい服が多いんだろうか。

あそこに飾ってある剣が背中に描かれてる赤い服なんて絶対目立つ。

 

「お兄ちゃん着替えたよー」

 

コマチの声が聞こえたため、試着室を見ると……

 

そこには天使が降臨していた。

水色のワンピースを着ている天使は恥じらうように頬を染める。

 

「お、お兄ちゃん………そんなにガン見されるとコマチ恥ずかしいよぅ」

 

ヤバい、この娘可愛い、可愛すぎる。

 

「それで、どうかな?似合ってる?」

「可愛い」

「えへへ~」

 

コマチの質問に俺が即答で返すとコマチははにかんだ。可愛い。

……俺さっきから可愛いとか天使とかしか言ってねー。

 

「じゃあコマチはこれ買うね」

「………今日は全部俺が持つから渡せ」

「え?いいの?」

「おう。今回のお出かけは謝罪も含まれてるんだしな。金もあるし」

 

だって、リクの武具を買ったからと言って78万ヴァリス程度はあるしな。ぶっちゃけ余裕だ。

 

「わかった。ありがとね、お兄ちゃん。それと、」

「それと………?」

「お出かけじゃなくてデートだからね!」

「いや、そんな変わんない「デート!」はいはいデートね」

「わかればよろしい」

 

えっへんと無い胸を張るコマチ。そんなコマチも可愛らしいぞ!

 

「じゃあ買うか?」

「あ、待って待って!お兄ちゃんの服も選ぼうよ!」

「いや、俺のはいいって」

「じゃあなんでお兄ちゃんは服を探してたのー?」

 

バレてたのかよ。

 

「……じゃあ頼むわ」

「おまかせあれ!」

 

俺の選択肢なんて無いに等しい。あるとしたら頼むくらいだ。

俺の返事を聞いてから、コマチはそこらへんの服を物色し始める。

俺としても何もしないのは暇なので、別のところの服を見始める。良いのがあれば買いたいというのが心情だ。

だってオラリオ来てから服一度も買ってないんだよ?着てたのは旅の道中で買った二着の服だけ。しかもボロい。

そろそろ新しいのを買わないと着る服に困る。

 

「しっかし良い服がないな」

 

俺としてはあまり目立たない服が良いんだがな。例えば黒とか。

俺自身が使いまくるせいか、黒色が好きになってしまった。【悪夢】にしろ【闇影】にしろ闇を操るものだし。

 

「お兄ちゃん!これ着てみて!」

 

自分の好みについて考えていたら、コマチが服を持って駆け寄ってきた。

色は白色と黒色か。

 

「おう。わかった」

 

俺はコマチから服を受け取り、試着室にて着替える。

 

「着替えたぞ」

「おお~似合ってる似合ってる」

 

黒色のTシャツと白色の長袖。どっちも着てみたが、中々によかったのでどちらも購入することにした。

その他にもズボンなど購入し、俺達は服屋を出た。

 

「じゃあ次は西のメインストリートに行くよ!」

「わかった」

 

俺達は手を再びつなぎ、歩き始めた。

 

 

***

 

 

その後西と北のメインストリートも回った俺達は帰路についていた。

 

「いや~今日は楽しかったよ!お兄ちゃんとのデート!」

「俺もだ」

 

主にコマチが可愛くて仕方なかった。シスコン?そんな言葉知らん。

 

「あ、そうだコマチ。ちょっとバベルに寄ってかないか?」

「バベル?」

「おう」

 

ってことでバベルにやってきた俺達。

やってきた理由は一つしかない。

 

 

「こんにちはヘファイストス様」

「あら。ハチマン君じゃない。その隣の娘は……?」

「前に話した妹です」

「コマチ・ヒキガヤです。よ、よろしくお願いします」

「そんなに緊張しなくて大丈夫よ。よろしくねコマチちゃん」

「はい!」

「それでうちを訪ねてきた理由は装備のことかしら?」

「はい。コマチの武器と防具をみつくろいに」

 

バベルに来た理由はこれだ。コマチの装備の新調である。

前の装備は初心冒険者用のものだったが……あれでは『キラーアント』や『オーク』の攻撃に耐えきれない。

だから、新しく強いものを買いに来たのだ。

 

「じゃあオススメがあるわ。見てみる?」

「お願いします」

 

コマチがまだ冒険者を続けたいって言ったからな。これくらいは兄としてしてやらなければ。

 

「い、いいのお兄ちゃん?ヘファイストスファミリアの武具って高いんじゃないっけ?」

「実はまだ新米の鍛冶師が自らの作品を売り出していてな。それももちろん良いものがあるから、俺はそれを利用してんだ」

 

実際には専属鍛冶師がいるんだがな。

 

「へぇ~すごいね~」

 

小町も関心してる様子だった。

 

「これがオススメの物よ」

「おお~」

 

ヘファイストス様が薦めてくれたのは短剣と軽めの胸当てとこてとブーツだった。

中々に良い防具っぽい。銀色に輝いているその防具は見ため硬そうだし、ヘファイストス様の薦めだから強度も良いのだろう。

 

「いや~この短剣振りやすくて良いな~」

 

コマチはコマチで短剣が気にいったようだ。

 

「じゃあこれ全部で………30000ヴァリスかしらね」

「わかりました。一気に払っていいですよね」

「もちろんよ」

「お兄ちゃんいいの?」

「今日は俺が全部持つって言ったろ」

「……ありがと」

 

コマチは少し俯きがちに頬を染めながらこっちを見つめてくる。可愛い。

 

「可愛い妹持っちゃって……幸せ者ね」

「そうですよ。コマチがいるだけで俺は幸せです」

「えへへ~」テレテレ

 

こうしてコマチは新たな装備を手にし、今日のデートは幕を閉じた。

 




次回からは鍛錬&お勉強会をお送りします。

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