やはり俺たちのオラリオ生活はまちがっている。   作:シェイド

9 / 58
続きです。


ダンジョン①

(ヤバすぎるやろ、これは!!)

 

ロキは戦慄する。アビリティの数値も凄まじいが、何より魔法とスキルが凄すぎる。

 

(操れるっちゅう常識じゃありえん魔法に未発達のスキル?そんなん聞いたことないで!!)

「神様?終わりましたか?」

「お、おう。終わったで~」

 

そう言ってロキはハチマンから離れた。

そして、しばらく考え込んでから質問する。

 

「なあハチマン。もしかしてやけど精霊とかに力分けてもらったりしたか?」

「あ、はい。よく気付きましたね。さすが神様」

(マジか!?)

「どこで会うたん?」

「住んでた村から少ししたところにあった湖でです。なんか倒れてたんで助けました」

「どんな精霊や?」

「闇の精霊って言ってました。わけてもらった力も闇に関係するものだったし、信憑性は高いと思います」

「魔法のことはいつ知ったんや?」

「悪夢の方は一カ月前に知りました。なんか本を読んだ後に出来るようになってて、闇影は精霊に力をわけてもらった後です」

「なるほどなー強力な魔道書(グリモア)に闇の精霊かー。それなら納得やな」

「えっと、魔道書(グリモア)って何ですか?」

「知らんで使ったんかい……魔道書(グリモア)言ううわ言わば魔法の強制顕現道具や。発展アビリティ『神秘』から作られる魔道具で……めっちゃ高いんやで」

「いくらぐらいなんですか?」

「1億ヴァリスはするやろな~」

「そんなものを俺は使っちまったのか……」

「お、お兄ちゃん……」

「ま、使ってしもうたもんはしゃーないし、強力な魔法使えるんやから損はないと思うで」

 

ロキにそう言われるが……そう簡単には割り切れない。

だって100000000ヴァリスだぜ?1億だよ1億。そんな高価なもんを俺みたいなのが使っちゃうと罪悪感がな……。

 

「じゃ、次はコマチ行くで~」

「あ、お願いしまーす」

 

そしてコマチにも恩恵が与えられた。

 

「これが現在のステイタスや」

 

コマチ・ヒキガヤ

Lv.1

 

力:H127 耐久:I18 器用:I27 敏捷:G210 魔力:I0

 

 

「なんかお兄ちゃんのと比べるとショボイなぁ」

 

コマチがそう言うと、フィンが苦笑しながら話しかける。

 

「言っとくけど、初期のステータスにしては高い方だからね」

「そうなんですか……じゃあお兄ちゃんがおかしいだけですね☆」

「そうや。おかしいだけやな」

「俺っておかしいのか……」

 

おかしいって面と向かって言われると傷つくな。

俺が内心傷ついていると、フィンが口を開く。

 

「さて、これで二人は【ロキファミリア】の一員だ。これからは家族(ファミリア)として共に頑張っていこう」

「「はい!」」

 

こうして、俺らは無事に【ファミリア】へと入ることが出来たのだった。

 

 

***

 

 

翌日

 

今日はオラリオの都市運営を行っているギルドに行く日だ。

ついでに少しダンジョンにも潜る。

 

付き添ってくれるのはリヴェリアだ。

 

「二人とも用意はいいか?出発するぞ」

「はーい。大丈夫でーす」

「はい」

 

リヴェリア、コマチ。そして少し離れて俺と言う形でギルドへと向かう。

コマチはすでに【ロキファミリア】の団員達と打ち解け、リヴェリアともよく話している。

俺?俺は普通だ。普通に会話しただけ。

昨日の夜、俺達の【ファミリア】入団が夕食の時に発表されたのだが、自己紹介で緊張のあまり……

 

『ひ、ヒキガヤハチビャ・・・ハチマンです。よろしくお願いします』

『噛んだ』『噛んだ』『噛んだな』

 

やってしまったのでした。

 

 

そうこうしている内に、ギルドへと到着した。

 

「二人ともそこで少し待っていてくれ」

 

リヴェリアは窓口で受け付けの人と話を始めた。

 

数分後、俺達もリヴェリアに呼ばれ窓口へと向かう。

 

「じゃ、二人とも。ここに必要事項を書いてくれるかな?」

「「はい」」

 

二人は名前や生年月日などの必要事項を書いていく。

 

「書き終わりました」

「コマチもー!」

 

こうしてここに、Lv.1の新たな冒険者が誕生した。

 

 

***

 

 

ギルドを出た後、リヴェリアが話しかけてくる。

 

「これで二人とも正式な【ロキファミリア】の一員だ。普通ならダンジョンの知識を詰め込むのが先だが・・・今回は実際にダンジョンに出向いて説明しよう」

「お兄ちゃん、ダンジョンってどんなふうになってるのかな?」

「洞窟みたいなものなんじゃないか?」

「ダンジョンは何層にも渡る地下迷宮だ。未だに全貌は明らかにされていない」

「リヴェリアさん達は何階層まで行ったことがあるんですか?」

「今のところ48階層が最高だな。毎回の遠征で少しずつ進出階層は伸びてきている」

「大変ですね~」

「おい、他人事じゃねーだろ」

「わかってるよ」

 

三人で雑談をしながらダンジョンがあるバベルへと向かった。

 

 

 

第1階層

 

「今日は下見みたいなものだから第2階層までだ」

「わかりました」

「……私たちはもう同じ【ファミリア】なのだから敬語じゃなくていいぞ」

 

そう言われてもなぁ、慣れないんだよな。

 

「善処します」

「それを言ってるんだが……」

「リヴェリアさん。お兄ちゃんはまだ距離感がわかってないだけだと思うので無視してていいですよ」

「そうか。ならいい」

 

俺の扱いひどくね?

 

俺が一人で内心落ち込んでいると、前から見覚えのある奴が現れた。

そう、ゴブリンさんだ。

なんか久々にゴブリンさんを見た気がする。こうして見ると愛着がわいて……こないな。

 

「じゃあハチマン。倒すついでに魔法を使ってくれないか」

「魔法を?」

「ああ。私たちにとっても初めて見る魔法だったのでな。見てみたい」

「【悪夢(ナイトメア)】」

 

俺がもうおなじみになったフレーズを唱えると、全身を黒いもやが包んだ。

ここで【悪夢(ナイトメア)】の性能をおさらいするとしよう。

 

悪夢(ナイトメア)

 

唱えると全身を黒いもやが包みこむ。

この黒いもやは攻撃にも防御にも生かすことが出来、足に集中させれば速く走ることが出来る。

また、相手に向けて撃つことも可能。

相手の体内に入り込み、相手の動きを悪くさせたり、幻覚を見せたりすることが出来る。

 

こうして見ると万能な魔法だよなー。

 

「グギャギャ!!」

「ふっ!」

「グ、ギャ……」

 

ゴブリンが飛びかかってきたので、俺はアッパーを喰らわしてゴブリンを倒した。

 

「なるほどな……そのもやは自身を強化したり、相手に嫌な効果を与えることもできるのか」

「はい。ここに来る前もかなり重宝しました」

「万能魔法に近い魔法か……もう一つのも頼めるか?」

「もちろんです」

 

俺はイメージをする。

闇影(ダークシャドウ)】は【悪夢】と違い、闇を操るというイメージがかなり重要になってくる。

そのため【闇影(ダークシャドウ)】を使うのには時間がかかる。

 

「【我は闇と同化する者なり、我は闇を従える者なり】」

 

俺が詠唱を唱えると、周りの影などが手に取るように動かせるようになった。

 

「これは本当に未知の魔法だな……」

「あ、前に小町が見たときはこのあとに『我は闇を操りし者なり 今、我は全てを解き放つ』って言ってました」

「同じ詠唱連結でも私のとは随分違うな」

「リヴェリアさんも魔法使えるんですか!!」

「エルフなのでな。魔法は使えなければおかしい」

「見せてもらってもいいですか!?」

「私も見せてもらったことだ。いいだろう。では2階層へと出向こう」

「へ?」

「私の魔法の効果範囲が広すぎてな。1階層だと崩壊してしまう可能性があるのだ」

 

ここのダンジョンが崩壊するって……どんな魔法だよ。

 

 

そして、俺達は2階層でリヴェリアの【ウィン・フィンブルヴェトル】を見て思った。

俺達、ヤバいとこに入ってしまったのではないだろうか、と。

 

 

後日、【ロキ・ファミリア】がトップレベルに近い派閥であることを知ったハチマンとコマチは、その場で発狂してしまうのだった。

 




次回はただダンジョンへ行き、ただモンスターを屠りまくるだけです。
ハチマンのステイタスがおかしいせいで、どんどん潜っていきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。