護衛艦『はるか』、抜錨せよ   作:FRHDF

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初めまして、FRHDFと申します。これが初投稿です。
掲載が不定期、オリジナル展開、オリジナルキャラなどこの時点ですでにあれですが、生暖かい目で見守っていただければ幸いです。

注意:まだハイスクール・フリートの世界は関係ありません。ハイスクール・フリートが関係してくるのは第2章くらいかと。


第1章 出港(前編)

 1-1.

 

 200X年、南米エクアドルでの争乱から邦人の生命を守るため、日本政府は始めて自衛艦の派遣を決定した。

 史上初の自衛艦派遣に、世論は割れた。

 ――南米エクアドルでの騒乱は日本国の「周辺事態」と言い切れるのか。

 ――名目上はエクアドル沖での米海軍との演習とは言っても、実弾を搭載した威嚇的なものである以上憲法違反ではないのか。

 ――そもそも護衛艦の派遣自体が憲法違反だ。

 連日のように野党は国会での追及を強め、テレビや新聞などのマスメディアもそれに追随した。

 しかし、時の芹川首相は今回の自衛艦派遣を邦人の生命と安全を守るためのものだと強調し、派遣に踏み切った。

 エクアドルへ派遣が決まったのは、第1護衛隊群旗艦ゆきなみ型イージス護衛艦『ゆきなみ』、同3番艦『みらい』、改ゆきなみ型1番艦『はるか』の計3隻の護衛艦と、とわだ型補給艦4番艦『あまぎ』の計4隻だった。

 海上自衛隊最新鋭のイージス護衛艦3隻と、同じく最新の補給艦1隻。あまりにも豪華な編成は、それはそれで波紋を呼んでいた。

 そして、同年6月1日。

 派遣艦隊は、反対意見に揺れる横須賀基地を出港した。

 国内のコンセンサスすらとれないまま、出港した艦隊は一路東を目指す。

 

 *

 

 出港した艦隊は伊豆大島沖で艦隊を解き、3日後の6月4日に南鳥島沖で再度集結することになった。伊豆大島から南鳥島までは各艦個別に行動してからの合流になる。

 派遣艦隊を構成する各艦はいずれも就役からまだ日が浅く、加えて4月に幹部の人員に入れ替えがあったばかりの、いわば『新米』だった。

 そのため、この3日間は『護衛艦』という名のひとつの戦闘単位を機能させる上で必要不可欠なものだった。

 とりわけ派遣艦隊の中で最も新しい護衛艦『はるか』にとって、この個艦訓練の時間は他艦にも増して重要な時間になっていた。

 

 *

 

 出港から数日後。派遣艦隊の1隻である護衛艦『はるか』は、小笠原諸島沖海上120キロの地点で個艦訓練にいそしんでいた。

『教練対水上戦闘用意。総員配置に付け』

 スピーカーからくぐもった声が流れてくる。艦内哨戒配置が発令されてからちょうど5分後のことだった。

対水上レーダー(OPS-28)、小型水上目標探知。330度16マイル。敵針(てきしん)140度。敵速(てきそく)30ノット」

  今回の設定はテロリストとおぼしき小型船が接近中というものだった。ほとんどの訓練で赤青両国が交戦中、という設定が使われるなかではとても珍しいものである。

 近年ではそのような軍艦に対するテロが増加傾向にあり、派遣されるエクアドル沖でそのような事態に直面しないとも限らない。そのような考えのもと、この訓練は行われていた。

「海鳥、発艦始め」

 艦長の大町正治(まさはる)一等海佐が、偵察のために海鳥の発艦を命じた。

 MV/SA-32J「海鳥」。

 三菱重工と米国ベル社が共同開発した、今のところ世界で唯一実用化されているティルトローター機だ。

 固定武装に20ミリガトリング砲を備え、火器管制装置(FCS)には米海軍のF/A-18と同じものを採用。その戦闘能力は通常の攻撃機に匹敵し、そのうえ短魚雷とソノブイを搭載し限定的な対潜戦闘も可能だ。対艦ミサイルや対空ミサイルの水平線外索敵(すいへいせんがいさくてき)も可能である。

 ヘリよりも高速であり、それでいてヘリと同様に垂直離着陸が可能。このティルトローター機の特性から、海鳥は護衛艦の戦闘能力拡張が期待されていた。

 船体内に設けられた戦闘指揮所(CIC)からでは様子はうかがえないが、今頃発艦準備が行われていることだろう。

『海鳥、発艦しました』

『シーバード03よりはるかCIC、感度どうか』

  シーバード03とは、発艦した海鳥のコールサインだ。艦隊内で混乱しないように『ゆきなみ』搭載機が01、『みらい』搭載機が02という具合に割り振られている。

「はるかよりシーバード、感度良好。330度の小型船へ向かえ」

『シーバード03、ラジャー』

 待つこと数分で海鳥は小型船に接触した。

 海鳥は接触した小型船から銃撃を受けたため退避。『はるか』は援護のため小型船に接近するも、攻撃を受けたため損傷。応急修理を行いつつ反撃を加え撃沈したところで、その日の訓練は終了した。

 




最初からずいぶんと短い気がしますが、まだまだ続くと思います。たぶん。
次回で、ようやくあらすじに書いた文章に追いつきます。
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