護衛艦『はるか』、抜錨せよ   作:FRHDF

3 / 3
 久方ぶりの更新になりました。少しずつ更新の頻度を上げられたら、いいんですけどねぇ……。

 掲載が不定期、オリジナル展開、オリジナルキャラなどこの時点ですでにアレですが、生暖かい目で見守っていただけると、それはとっても嬉しいなって。

 注意:まだハイスクール・フリートの世界は関係ありません。ハイスクール・フリートが関係してくるのはもう少し後のことかと。


第2章前編 合流

 2-1.

 

 副長に指揮権が移されてからおよそ数時間。時刻は夜中の2時だ。艦橋からの報告によると視界が徐々に良くなってきているらしい。

 戦闘指揮所(CIC)の白川はあくびをかみ殺しつつ、艦の指揮を執っていた。とはいっても特に仕事があるわけではない。憎らしいほどにいつも通りの航海だ。単艦での行動中とまったく変わらない。

対水上レーダー(OPS-28)感あり! 280度、81マイル! 敵針本艦とほぼ変わらず! 敵速12ノット!」

 そんななか、レーダーを監視していた豊科三等海曹が報告を上げた。

敵味方識別装置(IFF)を照合しろ。確認急げ」

「アイサー!」

 ここまで航行してきてようやく他の艦を探知した。これまではずっとなにも探知できず、少々不気味なくらいだった。確認しておいて損はないが、おそらく貨物船かせいぜい米軍だろう。米軍ならば事態を報告して失探(ロスト)した味方の捜索を請う。貨物船ならば素通りだ。

 だが、おそらくは外れだろう。どうせ民間の貨物船だろうが、確認をしておいて損は無いはずだった。

敵味方識別装置(IFF)照合。護衛艦『ゆきなみ』です!」

「なんだと!? 間違いないな!?」

「間違いありません!」

「交信急げ! 絶対に見失うな!」

 指示を飛ばしつつ、白川は艦長へ呼び出しをかけた。

「艦長! 至急戦闘指揮所(CIC)へお越しください! 『ゆきなみ』を探知しました!」

 

 *

 

 艦長室に戻ってからも、大町はなかなか寝付けなかった。

 僚艦をすべて失探(ロスト)。真珠湾に到着したところで、いったいどうなるか。

 味方を見失った事による査問と責任は免れないだろう。3隻を失った事による自衛艦隊司令部、海上幕僚監部、そして統合幕僚本部。これら関係各所も責任を取らされることになるはずだ。

 そもそもなぜ失探(ロスト)したのか。なぜ、『はるか』だけが無事だったのか。

 考え事は止まらない。ほとんど眠れないまま、時間だけはただ淡々と過ぎていく。

 そんな状態だったからだろう。白川副長の声で呼び出しがかかったときには、一瞬ほっとした。

 もっとも、その安堵は長続きしなかったが。

『艦長! 至急戦闘指揮所(CIC)へお越しください! 『ゆきなみ』を探知しました!』

「なに!? すぐ行く!」

 大町は大急ぎで制服を着直し、戦闘指揮所(CIC)へと向かった。

 

 *

 

「艦長、入られます!」

 入り口の海士が大町の入室を告げた。ディスプレイの光が瞬く戦闘指揮所(CIC)は、いつ見ても船の中とは思えない。

「副長、状況は?」

「はっ。先ほど、0220(マルフタフタマル)時に対水上レーダー(OPS-28)が『ゆきなみ』を探知しました。交信も復活しています。現在、合流のため本艦および『ゆきなみ』、ともに第2戦速(21ノット)で航行中です」

「予定会合時刻は?」

「およそ2時間後です」

「『あまぎ』と『みらい』はどうだ?」

「依然として、確認できません」

「よし、現在の速度を維持しつつ、早急に『ゆきなみ』と合流する」

 状況を確認しつつ、大町は椅子に腰をおろした。

「他に異常は?」

「フリーサット、GPSともに使用不能です。確認しましたが、機械的な故障(エラー)の可能性は低いかと」

「わかった。どちらにせよ、今使用できないならそのままでいい。君は次の当直まで休憩に入ってくれ。ご苦労だった」

「は、ありがとうございます。では」

 白川は一礼を残して戦闘指揮所(CIC)を離れた。

 目前のディスプレイには『ゆきなみ』を表す光点がある。見続けていると、それは一定のスピードで近付いているのがよく分かった。

 そして、1時間後の午前3時。

 ディスプレイを見ていたからだろう。大町はその異変にも早いうちに気付いた。対水上レーダー(OPS-28)の探知距離圏の限界近くに、新たな光点が出現した。

「ん?」

対水上レーダー(OPS-28)感あり! 98度、85マイル! 敵針96度! 敵速12ノット!」

 対水上レーダー(OPS-28)を監視していた柏矢(はくや)真智(まち)三等海曹が報告を上げた。ちなみに、柏矢もこの艦では数少ない女性自衛官である。

敵味方識別装置(IFF)を照合しろ」

敵味方識別装置(IFF)照合。『あまぎ』です!」

「『ゆきなみ』へ報告! 急げ!」

「アイサー!」

 数分後、『ゆきなみ』に座乗する司令部から返信が届いた。その返信には、現在の速度を維持しつつ『あまぎ』と合流するように、と書かれていた。

面舵(おもかじ)(進行方向右へ進路を変えること)90度。『あまぎ』と合流する」

「アイサー!」

 船が回頭を始めると遠心力で床が左へと傾き出す。飛行機では右へ曲がるなら右へ傾くが、船の場合は逆だ。右へ曲がるときは左へ、左へ曲がるときは右に傾く。

 ややあって、『あまぎ』を示す光点が正面に移った。

 レーダーを見る限りでは途中で『ゆきなみ』と合流し、その後に『あまぎ』と合流することになる。これで派遣艦隊のほとんどが合流する。

「ようやく、か……」

 ようやく合流できる。これで事態も明らかになると、大町はそう思っていた。

 




 半年近く放置して、ようやく更新できたかと思えばまだそこまで話が動かないというこの遅さ。いやはや、どうにかならないものか。

 ところで、実際の護衛艦にはHF通信機って積まれているのでしょうか?
 ご存じの方、どなたかいらっしゃいません? いたらお知らせいただけると泣いて喜んで修正します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。