艦これ短編   作:天城修慧/雨晴恋歌

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1/11が私の誕生日だったんですけど現実世界で祝ってくれる人は親と妹しかいません。

悲しいです。

村雨ちゃん祝って




春雨と信仰

うちの鎮守府の春雨はぽいぽい教の信者だ。

 

昔私と夕立が春雨を拾った時に一目惚れして、それから何をするにも夕立姉さん夕立姉さん。

 

最初のうちは可愛いものだった。慣れない鎮守府で不安で最初に会った夕立に着いて回っているのかと思っていた。

 

時間が経つにつれ春雨の心は恋心とは逆方向に好きの感情を肥大させ続けて、最近ではもはや信者と表現するしかないようなふうになってしまった。

 

夕立を見ようとしない。理想を押し付けて、それにそぐわなかったら喚き、夕立が人間である事を認めないのだ。

 

まさに崇拝。夕立に目を奪われていたのに、今はもう夕立すらも目に入らなくなってしまっている。

 

夕立は神じゃない。私の大切な妹で恋人で、毎日「春雨が辛い」と私に愚痴るほどには疲れていて、

 

ああだから。私はこれ以上我慢できなかったんだろう。

 

 

 

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「今、なんて言ったの…?」

 

「だから、私と私の夕立姉さんとの仲を邪魔しないでくださいって言ったんです!」

 

私の。…私の?

 

「私のって、言ったの?自分の耳が信じられないわ」

 

もう我慢できなかった。

 

夕立が傷つけられることが。私のものに手を出されたことが。

 

「ねえ夕立…いつから貴女は春雨のものになったのかしら…?」

 

「知らないっぽーい。私はずっと、村雨のものだと思ってたけど」

 

「そうよね。だからこの…小娘?嘘吐き?お馬鹿さん?…ああ、どうしてあげようかしら」

 

春雨が何か言おうとしたのを無視して、彼女の体を壁に叩きつけた。

 

「何するんですか!」

 

「ねえ貴女…夕立のコトを随分と崇拝してるようだけれど。」

 

「夕立姉さんは私の光なんです!だから神様で、私の物なんです!」

 

ダメだ。本格的にマズい。…本気で、どうにかしてやりたくなる。

 

「だから貴女なんかに邪魔できるはずないんです!」

 

手を出してはいけない、と微かに残った理性は言っているがもう一度壁に叩きつけてしまったし……私は思ったより…心が狭いようだ。

 

距離を詰めながら口を開きはじめる。

 

「出来るわよ。私が誰か忘れたの?…この子の双子の姉なのよ?この子が神なら私も神になるのだけれど…」

 

彼女の首を掴んだ。耳元に口を近づけてそのまま続けた。

 

「私って、思ったよりワガママなのよね。…ああだから、ふざけたコト言ってると潰すわよ?神の逆鱗に触れてみたいなら止めはしないわ」

 

無意識のうちに、彼女の首を握りしめた手に力が入る。

 

「村雨、やりすぎっぽい」

 

夕立の方を振り向くと視線で春雨のことを指すので、何かと思って顔を覗き込むと春雨の顔は恐怖でぐちゃぐちゃに歪んでいて、

 

「…ごめんなさい!私そんなつもりじゃなくて、」

 

一気に頭が冷えた。首を掴んでいた手を離すと白い肌には爪と指の跡がくっきりと残っていた。少し血が出ている。

 

「春雨、」

 

夕立が私と春雨の間に割り込むように入ってきて、春雨の目を覗き込む。

 

「村雨は許してくれるって。よかったね。でももしそういうことがあっても大丈夫、村雨には春雨絶対殺されないからね」

 

そうだ。何で私は可愛い妹に潰すなんて言ってしまったのか。

 

私のフォローをしてくれようとしている夕立の隣に行って、私も謝らなきゃと思って、

 

そして夕立の言葉を聞いて声が出なくなった。

 

「村雨に嫌な思いさせるなら、村雨が手を煩わせる前に私が消し去ってあげるからね。塵も残さないから。嬉しいでしょ?私に殺されるんだから」

 

 

 

____________________

 

 

 

「………って夢を見たのよ。」

 

「…あの、私ひょっとして村雨姉さんに殺される直前ですか?姉さんの部屋で2人っきりなんて」

 

「違うから!可愛い妹にそんなことできるわけないじゃない!」

 

「か、かわ……じゃあ何でその話を?」

 

「……春雨も夕立のこと好きなのかなって。それなら私が独占しちゃってるのは迷惑かけてるのかなって」

 

「いえ、夕立姉さんのことは好きですけどそんなに崇拝まではしませんから。それに夕立姉さんの1番の幸せは村雨姉さんと一緒にいることみたいですし」

 

「そうなの?よかった」

 

「………私はそれより村雨姉さんと…」

 

「?なんて言ったの?」

 

「な、なんでもないです…それより、一回潰すって言ってみてくれませんか?」

 

「なんで急に」

 

「いいじゃないですか。ほら、魅力的にお願いします」

 

「なんなのよもう……ん、…春雨、貴女はいい子なんだからちゃんと身の程をわきまえなさい。……じゃないと、…そうね…そうね。貴女のことを潰すわよ?」

 

「…ぃ、ぁ…」

 

「ちょっと春雨、大丈夫?」

 

「やばいです…こんなのむり…」

 

「無理って」

 

「村雨姉さん!」

 

「いたっ…何よ急に!服剥ぎ取らないで…」

 

「ごめんなさいもう我慢できなんです…!」

 

「まってもしかして春雨ずっと夕立じゃなくて私を」

 

「初めからずっと…村雨姉さんが魅力的すぎるのがいけないんですよ!」

 

「……うぅ…ああもう!…ベッドまで我慢してちょうだい。流石に床だと痛いから」

 

「でも」

「…もしかして本気で潰されたいのかしら?」

 

「我慢します…」




この話は宗教の批判がどうこうとか差別したいとかそういうのではありません


村雨と夕立の話で夢オチが多いのは、むらだちには暗い話がよく合うけど、暗い話よりは幸せな2人を見たいからです

夢ネタで村雨のバカ話を書きたいってのもある


そういえば前のあとがきで幸せな話書くって言ってたけど…幸せ?自信持てない

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