「時雨、これ見て!」
「なにこれ。……義理チョコについて?」
「うん。ほら、最近新聞でもあったじゃない?禁止、とはちょっと違うけどやりたくない人はやらなくていいよってのを規則で決めたんだって。」
「…提督、いい人だけど結構バカだよね」
「うん。提督を嫌いな人なんてこの鎮守府にいいないのに。チョコの数も、……誰かが沈まない限り減ることなんて無いのにね。」
「僕も、そろそろ準備しなきゃね。今年はなに作ろっかな。」
「日持ちするのが良いよね。あと甘く無いのとか。……お煎餅とかどうかな!」
「バレンタインなんだからチョコにしようよ、…って言いたいけどそれも良いかもね」
____________________
「提督さん、チョコレートどんなのが良い?村雨と一緒に作ってくるっぽい!」
「……あれ読まなかったのかって?…提督はあれでチョコの数が減ると思ってたのかしら?」
「あの文面じゃ、嫌な人は持ってこなくて良いよとしかとれないっぽい」
「本当に持って来たい人を禁止するのも、…ましてや本命チョコを禁止できてないのよ?」
「本当にチョコの数減らしたいなら、ちゃんと『禁止』しなきゃ」
「もっとも、それをしたら提督さんのいうこと聞いてくれる娘がちょーっとへるかもね」
「……ふふっ、面白い顔。諦めて、鎮守府みんなの分のチョコ食べるっぽい♡」
「さあ、提督さんはどんなチョコがお好き?私たちの、かなりいいチョコ、食べさせてあげる♡」
____________________
「春雨姉さんは、どんなチョコ作るんですか?」
「海風は私がどんなチョコ作ると思う?」
「………自分の体にチョコ塗って、プレゼントです、はいっ。……みたいな、」
「うふっ、海風もまだまだですね。……それは去年やって酷いことになったので封印です。はい。」
「去年、やったんですか。」
「まずチョコが熱いんです。それとチョコが溶ける温度が28℃なので肌に塗って固めるとなると体温をそこまで下げなくちゃいけなくて……艦娘だからちょっとは融通がきくけど、寒くて寒くて」
「いいです、それ聞いたって多分何の参考にもなりませんから」
「冷たいですね。…えい」
「!あつ、…姉さん!」
「そんなに冷たいのならもしかしたら固まるのかなって。 ……でもダメみたいですね、はい。」
「うう、痕付いてないかしら……」
「…いただきます、」
「ひっ…⁉︎舐めないでください!」
「…うふふっ…とっても、あまいです。……提督の義理チョコもいいけど、私へのチョコも期待して良いんですよね?」
「………考えておきます、ね」
____________________
「姉貴、姉貴はちょこ何作るンだ?」
「…まだ、考えて無いけど、」
「でも作る気ではいるンだろ?」
「うん。……お世話になってるし、…嫌いじゃ、ないから」
「あははっ、姉貴にそこまで言わせるなンて、提督もイイ男だな!」
「あ、あなた少しうるさいわ……でも、江風もあげるんでしょ?」
「ああ、そのつもりではいたけど…上手く出来るかなって」
「……なら、江風のも見てあげるわ。…一緒に作りましょ」
「サンキュー姉貴!」
「うう…ちょっと力強いわ、もうちょっと、優しくして、」
____________________
「さ、さみ、あたいがやろうか?」
「だ、大丈夫です、これくらいなら、ちゃんと気をつけてたら、……よいしょ、」
「ふう、…さみの料理見てると緊張するねえ」
「…すず、日頃あんななのにお料理は上手なんですから」
「む、あんなとは失礼な」
「…ごめんなさい、…はぁ、私って何でこんなにドジなんでしょうか」
「さみって言うほどドジか?ちゃんと注意すれば大丈夫なんだろ?」
「そうですけど…」
「なら大丈夫……!さみ、エプロンのすそ、…浸かってる!」
「やだ、なんでぇ〜⁉︎」
「ちょ、動いたら、落ち、」
「!、ちょ、チョコが!」
「…はぁしょうがないな、あたいのちょっと分けたげるから、もっかいやり直しだな」
「……ごめんなさい、すず、私、」
「ん、大丈夫さ。あたいが話しかけちまったのが悪いのさ。次は最後まで気をつけてやろうな、さみ。」
「…ありがとう、すず。」
平和っていいね。