二重投稿なってたみたいなので片っぽ消しました
目を覚ました。
いつも通りベッドから起きあがる。
壁にかかったカレンダーを見る。
紫陽花の描かれた6月。その今日の日にピンク色のペンで薄く印がつけてある。
今日は、6月5日は、私『如月』にとって特別な日だった。
プレゼントとかパーティーだとか、そういうことではなく、「おめでとう」と言ってくれて「ありがとう」って言いたかった。
それだけでよかった。
睦月ちゃんや、妹達や、司令官に。
同じ部屋の、睦月ちゃんのベッドを覗く。
もう起きたのだろう。そこに姿は無かった。
いつもの制服に着替えた。
廊下に続く扉を開ける。
ちょうどそこに、人型をした深海棲艦がいた。
反射的に、呼び出した砲で頭部を撃ち抜いた。
飛び散った、黒い、オイルのような液体が顔にかかる。
砲撃の音が聞こえたのだろうか。
何かが集まってくる音が聞こえる。
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来たのは全部、深海棲艦だった。
艦娘の姿は1つもなかった。
少しでも深海棲艦が少ない方に逃げていく。
振り切れそうにないものは撃ち殺した。道を塞ぐものは撃ち殺して踏み越えた。
逃げ続けていると、後ろから何度も砲撃の音がした。
いくつかは当たらなかった。いくつかは左手と胴体を擦った。
焼け付く痛みが走る。
そして、その中の1つは右足を穿って、破裂した。
爆発に吹き飛ばされて、地面に強く体をう打ち付けた。
痛む体を抑えながらなんとか立ち上がる。使い物にならなくなった肉塊を引きずりながら、工廠の裏に逃げ込む。
すぐに敵はくる。
壁を支えにして左足だけで立ち上がった。腕は大丈夫だが…反動を支えきれないかもしれない。
1つ、足音がかけてくる音が聞こえた。そちらに向き直る。
工廠の壁の陰から出て来たのは、私と同じくらいの大きさの深海棲艦だった。
砲を向ける。しかし、引き金を引こうとしても何故か指先は動かなかった。
深海棲艦はゆっくりこっちに近づいてくる。
逃げようかとも思ったけど、この足では厳しい。
あらん限りの意思を込めて、引き金を引こうとする。した。
『如月ちゃん‼︎』
視界が黒く落ちる。
それでも、引き金の硬い感触とそれによって引き起こされた大きな音は体に染み付いた。
時間が止まったような気がした。
いつのまにか閉じていた目を、ゆっくり開いた。
私の体に飛び散った液体、黒いオイルだと思っていたその液体は、私の足から流れているものと同じ液体に変わっていて、
目の前の、たった今私が撃った深海棲艦はとっても見覚えのある姿で、私と同じ服を着ていて、1番会いたかった人で、
「いやあああああぁぁぁぁぁっ‼︎」
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ごつん、と何かにぶつかった。
飛び起きたのも束の間、また重力に引かれてベッドの上に落ちた。
夢から覚めてすぐの目に、照明の光が眩しい。
「いたた…如月ちゃん、大丈夫…?」
そこにいたのは、私が1番会いたかった人で、
「むつき、ちゃん…!」
「わ、どうしたの如月ちゃん、」
涙がこぼれそうになった目をごしごしと擦った。
「なんでも…なんでもないわ、おはよう、睦月ちゃん」
「おはよう、…今ね、如月ちゃんのためにみんなでパーティーの準備してるんだ!よかったら着替えて来てね!」
扉まで歩いていき、私に向かって手を振った後に睦月ちゃんが出て行く。
来てね、とは言われたが、何処にかは聞かなかったな。
それでもいい。探しに行こう。ちゃんと、睦月ちゃんはいるから。
着替えるために、ベッドから起き上がった。
床に足をつく。
が、右足に力が入らなくてがくんと崩れた。
おそるおそる触れてみる。そうすると、ちゃんと感覚はあった。
ゆっくり爪先に力を入れてみると、ちゃんと指は動く。
確認しながら地面に足をつくと、ちゃんと立ち上がることができた。
安心して夢の中のことは忘れて、ちゃんと歩いて行く。
着替え終わって扉に手をかけた時少しドキドキしたが、扉をあけて目に映ったのは、私に場所を伝えるのを忘れていたことに気づいて走ってくる睦月ちゃんだった。
らぎちゃんは書くの2回目。
ほとんど白露型しか書いてないけど結構いろんな人好きなので機会があれば書きます。