艦これ短編   作:天城修慧/雨晴恋歌

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クリスマスもうすぎてる?もう大晦日?いやいや村雨さん、いいじゃないっすかちょっと遅れたぐらい…。ね、お年玉多めにあげるから、ね?

……あ、まってまって財布持ってかないで。年越しそば食べれなくなっちゃうから。


海風とサンタさん

 

私たちの鎮守府にはサンタさんシステムというものが存在する。

 

1番艦が提督からお金を貰って、姉妹のプレゼントを用意するというものだ。

 

で、白露型はサンタさんへの手紙を回収するという方法でやっている。

 

大人な妹は気づいているのだろうけども、信じているのかいないのかわからない妹もいるので、一応このかたちだ。

 

そして今年もみんなからの手紙を回収してきたのだが、

 

『サンタさんへ

 

私は、今年いっぱい頑張ってきたつもりです。姉さんが忙しいときに代わりに改白露型の妹に気を使ったり。

演習も実戦もたくさん頑張りました。

何もなくても幸せな一年だったけど、もう少しだけ、幸せをください。

私と、姉さんが幸せに結ばれている同人誌をください。夜戦ありの。

海風 』

 

「どうしよう、これ」

 

 

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「海風姉、サンタさんに何頼んだの?」

「私は…本、かな」

「ふーん」

「ああでも、少し手に入れにくいものだからサンタさんにはすこし迷惑かけたのかも」

「…サンタさんなら、大丈夫」

「…そうだね」

 

……うん。少しだけ、甘えさせてくださいね。サンタさん。

 

 

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『白露 海風 同人誌 』 検索、と。

 

…………ああ、けっこうあるんだ。

 

お話でも海風が幸せになるのは嬉しいけど…なんか複雑な気分。

 

…あ、でも私の見た目じゃ売ってもらえないんじゃ?自分の本買いに行くのもなんか恥ずかしいし。

 

……家に送ってくれるのもあるんだ。

…鎮守府の荷物って検閲入ったよね。

提督の名前を借りたら……ああでも海風が隠してたら……。

 

あーもうほんとどうしよう!

 

 

………え、白露を監禁する海風…。

 

ち、違う、本…だから…。

 

…でもまあ、海風になら。

 

 

 

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…………買えなかった。

 

適当なハンカチ見繕ってみたけど…。

 

…海風の部屋の戸がこんなに重くなる日が来るなんて…。

 

悲しむかな。…悲しいよね。

 

欲しいものだったもんね。

 

……だめだ、心が…。つらい…。

 

なんとか、してあげられないかな。

 

………海風が欲しいのって…本なの?それとも……わ、私?

 

…………私を好いてくれるなら…。

 

着替えてこよう。これプレゼント配達用装備だし。

 

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扉の前の気配が遠ざかって行くのを感じました。

 

…やっぱり、私が悪い子だから。

 

姉さんにあんなことさせるから。

 

私が、わがままだから。

 

 

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よし!準備完了!

 

他の娘のは全部配り終わったし、サンタコス装備にしてきたし。…この帽子邪魔だったかな。

 

かわりに買ってたプレゼントは…あるね。よし。

 

…変な匂いしない?大丈夫だよね?

 

……あー緊張する…けど、海風の為なら。

 

ドアノブを握りしめて。

 

ゆっくりとドアを開く。

 

 

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「え、あ、姉さん⁈」

 

部屋の主はどうやらまだ起きていたようだった。

 

「今はサンタなんだけどね」

 

「あ……ごめんなさい」

 

海風が目をごしごしと手の甲で擦る。天井の小さな電気が反射して、輝いた気がした。

 

海風が寝ているベッドの所まで行って、ポケットの中の包みを枕の隣に置いた。

 

「あのさ。……私、謝らなくちゃいけないんだ。海風が欲しがってたの買ってあげられなかったから。」

 

「…いえ、私が変なもの頼んだのがいけなかったんです」

 

海風の顔が悲しそう、というよりは苦しそうに歪む。

 

妹をそんな顔にさせてしまったことで心が痛んだ。

 

「だからさ、かわりにハンカチと髪留めと、…あと海風が要らなかったらいいんだけどね、もう一つ、用意したんだ。」

 

「もう一つ?」

 

「うん。そう。」

 

小さく返事してから海風のベッドに上り込む。

慌てている海風の、ばたばたと動き回る手を押さえつけると海風の頬は小さな明かりでもわかるほど赤くなった。

 

顔を近づけて、小さく呟く。

 

「私を…白露のこと、欲しい?」

 

「……いいん、ですか?」

 

「うん。海風、いい子にしてたし。…それに、海風にだったら何されても嫌じゃないから。」

 

海風の喉が蠢いた。

 

「…欲しいです」

 

「なら、どこまで欲しい?」

 

開いたままの口から疑問の声が漏れ出る。ああすごく…かわいい。

 

「海風だけのお姉ちゃんじゃないし、お仕事もあるから私の全部はあげられないけど。…海風だけの恋人にならなれるよ。重いのが嫌なら今夜だけでもいい。ずっといて欲しいなら…恋人としてね?」

 

ああ、ちょっと意地悪かもしれない。私の方が海風を欲しがっているのかも。

 

「悩むなのら……私は海風の恋人になれたらすごく嬉しいと思うんだ」

 

うん。これはずるい。ごめんね。でも欲しくなちゃった。

 

海風の手が私の手を押しのけて跳ね上がる。

 

すぐにベッドに倒されて私と海風の体の位置が入れ替わった。

 

海風の手は我慢できないのか私の体のいろんな所を確かめるように撫で回していき…

 

「え、まって、せっかくサンタコス装備で来たのにもう脱がしちゃうの?」

 

「服は包装ですから。プレゼントは中身」

「そこ引っ張ったらとれちゃうから、そっちから回す感じで外して」

 

「えっ……こ、こうですか?」

 

「そう。そんな感じで。…逃げないし、海風の物なんだから。焦らないで丁寧にね?」

 

「…はい」

 

 

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夜戦シーンカット。もしかしたらそのうち書く。

 

 

 

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外が明るい。もう朝なのか。

 

あたりを見まわすと隣では海風が何も身につけずに寝ている。

 

ずれている布団を肩のあたりまで引き上げて……って、これ私もはだかじゃん。

 

ってか今何時?おひまさずいぶん高くない?

 

海風の部屋の時計は……机の上だっけ?寒いからいきたくないなぁ。海風あったかいし。

 

私の服って……うわぐっちゃぐちゃじゃん。これは着れない…あ、海風の借りよう。

 

……うん。けっこういい感じだね。時計見たら戻ってこよう。

 

あーやっぱりもう10時か。何時に寝たか覚えてないっていうか最後の方いっぱい気持ちよかったことと海風の嬌声しか覚えてない…。

 

ただいまおふとん。あーあったかい。

 

今日どうするかな。

 

お休みだから時間あるし…海風とどっかご飯行ってから考えよう。夜のパーティーまでに帰ればいいからちょっと遊べるね。

 

………。うーんむらむらしてきた。海風の体すっごく柔らかいんだよね。

 

…つまみ食いぐらいなら……。

 

 

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どうでもいいけどBluetoothのキーボード買って使い勝手とか変わったので区切り線が_____________________になりました。

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