ダンは気が付けば海なのか、湖なのか・・・少なくとも周りに地面のような物は見えない。
首を横に捻り辺りを確認すると手を握ったり動かしたりして自分の身体が動く事を確認する。そしていつもの所に置いてあるデッキケースが・・・無い。
マギサが言っていた通り俺の元の身体は消滅したことでデッキも全て無くなってしまったのだろう。
それに服も着ていない。これに関してはダンはあまり関心を示さなかった。
「バトスピ、この世界にもあるのかな。」
ダンはため息をつくと陰に覆われた。
ダンは顔を上げて後ろを確認するとそれは・・・船だった。
中からアフロヘアの男がこっちを見下ろしてきた。
「お頭!変な奴がいますぜ!」
アフロの男は大きな声でお頭という人を呼んだ。
変な奴とはダンの事だろう。
アフロは船の真ん中を見つめると「へい!」と返事をしてロープを垂らしてきた。
「起きてんだろ!こいつに掴まれば引き上げてやるぞ!」
今の俺には何も出来ないとダンは自分に選択肢がない事を悟り俺はロープに掴まりそのまま引き上げて貰った。
船に入るとアフロは毛布のような物を貸してくれた。
ダンはそれを腰に巻いてイチモツを隠すとアフロに質問をし始める。
「ここは?」
「ここはお頭の船の上だ。お前を拾ってやったのもお頭の慈悲から来るもんだでな。早く顔を見せに行け。」
俺は今からそのお頭という人に会えばいいのか。
ダンは船の真ん中に作られている大きな家のような所に歩き出した。
ドアを3回ノックする。
「入りな。」
声から分かる、かなり女王様気質なタイプだ。
ダンはドアを開け中に入ると、スタイリッシュな女性が机に脚を乗せふんぞり返りながら椅子に座っている。
「名前は?」
「馬神弾だ。」
彼女は見下ろしながらダンを見てくる。ダンも負けじと彼女を睨みつける。
「良い面構えをしているじゃないか。ダン、私はお前を気に入った。」
「そうか。」
「ダンには私の船員になって貰う。それでいいな?」
「それは出来ない。」
彼女は意外そうな顔をする。
「異界では何が起こるか分からない。ならばその世界で生きている人についていく方が安全と分からないような男ではないだろ?」
「それは分かってる。だけど俺は帰らなきゃいけないんだ。元の世界に。」
彼女は脚を下ろし、前のめりになって俺に興味を示す。
「詳しく話せ。」
俺はこの世界に来た経緯やこの姿はその女神が作ったと少し脚本を加えて語る。
「興味深いな、ますますダンを私の船員に置いておきたくなった。条件を出そう、私もダンがその元の世界に帰れるように手助けをする。その間私の船員になれ。」
「いいのか?見ず知らずの男だぞ?」
「気にするな、これも何かの縁だ。」
彼女は気分良く笑っている。そろそろこちらも質問をしてもいいだろうとダンは彼女にこの世界や彼女自身の事を聞く事にする。
「お前の名前を教えてくれ。」
その時腰に巻いていた毛布が落ちた。ダンは生まれたままの姿で彼女の前に立っている。
「な!?ば、馬鹿!早く隠せ!」
彼女は手で両目を隠しつつも人差し指と中指に隙間がありそこからジロジロとダンのイチモツを覗いている。
「だから名前を教えてくれ。」
ダンは答えてくれない事で若干不機嫌になりつつも毛布を拾ってまた腰に巻く。彼女は安心して力を抜くとまた先ほどまでの彼女に戻った。
「私はマリーだ。」
「じゃあマリー、この世界についてとこの船の事を教えてくれ。」
「いいだろう、今の私は気分が良い。教えてやる。」
マリーは机の下から何かの地図を取り出し机に広げる。
俺は近づき地図に目をやる。
「これはこの世界全てが描かれている世界地図という物だ。」
ダンは地図が読めないのでこの世界の大きさや地形をこの地図から読み取る事は出来なかった。
「なるほど。」
「しかし私はこれが全てじゃないと思っている。私はこの世界の全てを見るために旅をしているがこの地図の端に行っても反対側の地図の端とは到底違う地形だったんだ。」
「つまりこの世界地図は欠陥品という訳か?」
「欠陥品ではあるが間違って描いてしまったとも思えない。私の予想だがこの世界は動いているんだ。」
「動いているって・・・どういう意味だ。」
「つまり地面がずれているという事だ。信じたくはないがな。」
ダンでも地球のプレートは動いているという話は聞いたことがある。しかし確か1年に数センチとかだったはず。この地図は古そうには見えないし、明らかに違うと分かるほど地面が動いている世界なのか。
ダンは新たな知識に関心しつつ、彼女は話を続ける。
「そこで私は端ではなくこの地図の真ん中、この世界の中心を目指す事にした。」
マリーは深刻そうな顔をしている。何かトラブルがあったに違いない。
「行けなかったのか?」
「あぁ、中心に近づけば近づくにつれて天候がすぐに変わってこの船では中々近づく事が出来ない。それで私は一旦引き返したんだ。そこでダン、お前を見つけた。」
ダンは今の話俺には関係があるのかと思った時マリーは新たに机の下から分厚い本を取り出した。タイトルが書かれているとは思うがこの世界の文字なのかはたまた古代文字なのか読み取れない。
マリーはその本を開いて一つのページに目を留める。
「ここには《この世界のへそには扉があり、更にその先に扉があり無限の世界に繋がっている。≫と記されてある。もしかしたらダンの世界がそこ・・・退屈そうだな。」
ダンは目を細めてその本をただ見つめていた。
「俺は難しい事は良く分からないんだ。それよりも気になる事がある。」
「ほう、世界の真相よりも気になる話か。」
「バトスピって知ってる?」
「は?」
マリーは目を丸くさせ意味不明そうに首を傾げる。
ダンは(バトスピを知らないのか?)とダンもダンで理解不能に陥っている。
「バトスピだよ、バトルスピリッツ!カードゲームの!」
ダンは必死に説明するがまだ理解出来ないのかしわを寄せて椅子に背を預けた。
「そのバトルスピリッツは知らないがカードなら知ってるぞ。そこの箱があるだろ?」
マリーが親指で指した場所には如何にも宝箱な物が置かれていてダンも普通に気付く。
そのままマリーは補足を加える。
「あの中にカードのような物が沢山入っている。もしその中にそのバトスピのカードがあったなら好きに持って行って構わない。」
ダンはそれを聞いて安心し、宝箱の傍に近寄り宝箱を開ける。その宝箱の中身には大量のカードが適当に詰められていた。
2千字程度なら30分で書き終われるので続けられるかもしれません。二日に1回はたぶん更新するかなぁと言った感じです。ただ約束は出来ません、自分にも色々とあるので。