だけど雪はそれを隠してはくれなかった__。
昔のことは良くわかんないんで結構適当な想像です。
空は厚い雲に覆われ、濃い雪が降っていたがそれは奴らの罪を覆い隠すことなんて出来ない。
『ルート、そっち行った!』
「わかってる!」
長刀を持った
ルートはそれを
するとその
「これで全部なのアーデルハイト?」
『うん、そうみたいだよ』
「総員傾注、任務完了。これより帰還する」
『__了解!』
小隊員達の声が重なった。
亡命者集団を狩り終えて
今日一日の仕事を終えたルートの機嫌は非常に良かった。
どうやらそれは隊の仲間達にも分かるようでアーデルハイトに
「ルートは明日何かあるの?」
と尋ねられた。
「気になるの?」
「気になる気になる」
「私ね明日一日有給取れたんだ」
「えぇーいいなー」
「いーでしょ?」
二人が談笑していると興味を持ったヘレナとジークリットもやって来た。
「何の話をしているんですか?」
尋ねてきたのはヘレナだった。
「私明日有給取れたのよ」
「それでそんなに嬉しそうってことはフランツさんでしょ?」
そう言われたルートは恥ずかしそうに
「な、なんでジークリットがフランツのこと知ってるの!?」
「ルートが酔って寝ちゃってた時に寝言でフランツ、フランツ言ってたよ」
「あれ合成酒だったのにねー」
「むぅ……みんなしてからかわないでよ」
唐突にジークリットが何食わぬ顔で言った。
「そういえば明日はどこに行くの?」
何も反省していないジークリットに呆気をとられて呆然としてたルートは気を取り直して言った。
「ベルリンのレストランよ。それも合成じゃないやつ」
「ずるいよ!」
「ずるくない。フランツが予約取ってくれたんだから」
そう言ったルートは
「明日のことあるから私部屋戻るねー」
と手を振ってその場を後にした。
翌日ルートは高級そうなレストランの近くに着き、入口の前ではもう既にフランツが待っていた。
フランツは手を振ってルートの名を呼んだ。
「もう街中で名前を大きな声で呼ばないでってば……」
そう恥じらいながら呟き、急いでフランツの下へ走って向かった。彼は最後に会った時と同じようににこやかな笑顔を浮かべている。
「久しぶりねフランツ」
「あぁ久しぶりだなルート」
フランツはルートの腰に手を回してレストランの中へと進んでいく。それに合わせてルートも歩みを進めた。
二人は店員に窓際の席に通され、メニューを手渡された。
メニューには当たり前だが普段食べている物より上等な物の写真が載っている。
二人は適当に選んだ物を注文すると少ししてから料理が出てきた。出てきた料理は写真の物より質は悪いように見えたが普段の物よりはマシだろう。
ルートとフランツは適当な会話をしながら料理を口に運ぶ。うん、おいしい。
料理を食べ終えた頃にフランツが急に真面目な顔になった。
「ルート、大切な話があるんだ」
「ど、とうしたのよ?」
不思議そうにルートが尋ねるとフランツは懐から小さい箱を取り出し、手渡した。
「何これ?」
「開けて見てくれ」
その箱の中にはとても良い物とは言えないがそれなりの品質の指輪が入っていた。
「結構頑張ってみたんだ。なぁルート、結婚してくれないか?」
「わ、わわわ……」
恥ずかしくなって顔を真っ赤にしたルートは思考が上手く回らず、そのまま店を飛び出してしまった。
一人店に残ったフランツは自嘲気味に静かに笑って
「そういえばルートはすごい恥ずかしがり屋だったな……」
と寂しげに呟いた。彼は失敗した。多分次に会えるとしたらかなり先の事だろう。そうするともう間に合わないかもしれない。覚悟は決まった。これはもう仕方ない事だ__。
昨日とは正反対のかなり落ち込んだ様子でルートは自分の宿舎へと帰ってきた。
その様子を見て心配したヘレナが話しかけてきた。
「どうしましたの?」
「あぁうん、少し放っておいてくれない?」
「あ、ごめんなさい……」
ルートはとぼとぼと俯きながら自室へ入り、ベッドの上で膝を抱えて座った。
やってしまった。恥ずかしさのあまり店を飛び出してしまったが、次に会うことが出来るとしたらずっとずっと先だろう。そんな長い時間今日の事を謝れないのはとても辛い。
そう考え、静かに泣いた。こんなメンタルでどうしてこんな仕事が出来ているのか自分でもわからない。
そして、どれくらいの時間こうしていたのかもわからない。
アーデルハイトが部屋にやって来た。
「ルート……いえ隊長、しっかりしてください。仕事です。またいつものように」
そうだ、ルートは
更衣室へ向かう途中にアーデルハイトからルートは今回の任務の概要を聞いた。
またいつも通りの亡命者狩りだそうだ。
更衣室でルートは強化装備に着替えて格納庫に向かった。
格納庫で愛機の
その
今日はとても濃い雪が吹き荒れていた。
そして外のカタパルトに脚をはめた。
「総員傾注、
『了解、これよりカウントを開始します』
アーデルハイトが、30、29、28、27とカウントを数えていく。
出撃前のこの時間がとても長く感じ、ルートは深呼吸をして自分を落ち着かせようとした。しかし今日は何故かいつもより落ち着かない。やはりあれがあったからだろうか?
10、9、8、7、もうすぐ時間だ。
ルートはぐっと手に力を込めて身構えた。
3、2、1__全機
針葉樹の森の上を6機の
奴らが目指すは西側、そう祖国を裏切り西へ向かっているのだ。
そんな後ろ姿を
そして、動きの速い機体が1機、
相手は亡命者狩りとしてそれなりの技量を持った
右の
そんなヘレナに左右から2機の
「ヘレナァ!」
ジークリットの
間に合わなかった。ヘレナの
蹴られたジークリットの
それを今度こそ助けるためにアーデルハイトの
攻撃は回避され全弾当てることは出来なかったが、相手の右腕に保持したWSd-16Cと頭部を吹き飛ばした。
頭を飛ばされた
アーデルハイトは
そしてもう1機の
「ジークリット今!」
その場で攻撃を防いでいた
貫通された
「ジークリット、あと
「うん、任せて……!」
ジークリットの口調には僅かに怒りが感じられた。
空中で互いの
そして相手の
それに追い撃ちを掛けるように
その攻撃は確実に胸部へ直撃し機体を歪ませた。
その時
『ごめんルート、1機そっち行った!』
アーデルハイトから慌てながらも申し訳なさを感じさせる声で通信が入った。
このまま何も出来なかったら確実にやられる。一か八かでルートは今装備さているWSd-16Cを投げつける。
それを左腕で弾いた
右腕のナイフシースからCIWS-1を弾き出し、そこに目掛けて投げつけた。CIWS-1は見事に突き刺さって
間髪入れずに懐の
その時、相手の
『それ程の腕を持っていながら何故人を狩っているんだ……』
それはフランツの声だった。
それに気付いた時ルートの頭は真っ白になり何も考えられなくなったが今更
力無く落ちる
『ルート大丈夫?』
ルートの前にアーデルハイトとジークリットの
その2機がルートを見下ろしている。今は
泣きながらルートは二人に応えた。
「この
『そんな……』
『嘘で……しょ?』
厚い雲から吹き荒れる横殴りの雪が降り続けている。
その雪は基地から出撃した時よりも強くなり、全てを覆い隠さんとするばかりの勢いだった。
しかし雪は祖国を裏切ったフランツの罪も、愛する人を危めてしまったルートの罪も、その雪はそれを隠してはくれなかった__。
最近リアルが忙しく久しぶりに小説を書きました。
それでリハビリ&戦闘の練習をしました。
前より戦闘描写は上手くなっただろうか?
ご意見アドバイス等などあればよろしくお願いします。