────────都市。
それは僕が思っていたよりも遥かに文明が進んでいた。パッと出の都市なんて大したことないだろうと思っていたが、未来の記憶を持っている僕にもわからないものがそこには沢山あった。
太古に栄えた文明というやつだろうか。永琳という少女に案内されたこの場所では、次から次へと疑問が浮かんだ。その度に一々解説してくれる永琳はかなりの物知りなのか、はたまたすごく頭がいいのか分からないが、永琳にわからないものはないのではないかとすら思えた。
こんな栄えた場所のことを知らない僕をすんなり中に入れてくれた永琳は本当にいい子だ。純粋というかなんというか……
まぁ、これでまた人という存在に触れることが出来るというものだ。
偉そうにこんなことを思っているが、自分も結局は人間なのでここに住んでいる人とあまり変わりはない。違いがあるとすれば少しばかり僕が長生きしている、という点だろうか。
……いや、少しという表現では収まらないか。
まぁそんな訳で中を案内されていた僕だったが、永琳がある建物の前で足を止める。
「さぁ、着いたわ」
「ここは……?」
案内された場所の事を永琳に聞く。すると意外な答えが返ってきた。
「私の住んでる場所の近くにある空き家みたいなものよ。この場所に初めてきたってことは泊まるあてなんてないんでしょう?」
こんな場所まで、用意してくれるなんて本当にいい子だと思う。でも、
「本当にいいのですか?ここの人からしたら僕は外から来た怪しいヤツってことになるんじゃ……?」
僕みたいな素性の知れないやつを案内するということはつまり、自分の国に未知の兵器を持った生命体を招き入れるのと同じだ。
もっとも、そんなことをする気なんて微塵もないが。
「うん、怪しい人ならここまでやらないんだけど……。あなただから、かな」
僕だから?どういう事だろう。キョトンとしている僕を他所に、永琳は理由を話してくれた。
「私を、助けてくれたじゃない。それにとっても優しい目をしてるんだもの。そんな人を追い出すなんて私には出来ないわ。……そ、それに近くに居てもらえばすぐに会えるし……」
「………………」
い、いい子すぎる。最後はモゾモゾと聞き取りずらかったが、永琳の好意に甘えさせて貰うことにしてこう言った。
「ありがとう、永琳。最初に出会ったのが君でよかったと思ってます」
永琳の顔が真っ赤だが、あまり好意を伝えられるのに慣れていないのだろうか?
「これから宜しくお願いします」
そう伝えると顔を真っ赤にした永琳の心の暖かさに少し照れくささを覚えながら、空き家の掃除に取り掛かるのだった。
これはもう幻想郷に行くしかないですね(錯乱☆)