儂が初めてカインを見た時は、なんて悲しい子じゃろうと思った。
幼い子が一人ぼっちでいた時には何事かと思ったが、名前を聞いた分からないと言う。
恐らく名前をつける前に捨てられたんだろう。 これではあまりにこの子が不憫だ。 儂の家で育てよう そう決意した。
だから儂は『おい、お前さん。今から儂の家がお前さんの家だ。』そう言って、名前を与えた。そうしたら、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
住み始めてから分かったのはこの子はこの世界の事を全く教わってないとう事だった。 だから読み書きや、オラリオの事を教えたりしていた。
カインが住み始めて10日でカインが捨てられた理由がわかった。
あまりにも力が強すぎるのだ。 あの力はいつか、周りの人まで傷つける。 儂はカインに稽古を付けることにした。
カインには武に対する天賦の才がある。 稽古を始めて二年で一本取られると思っていなかった。
だが、カインにも問題がある。
それは儂やベルに依存しすぎているということだ。親の愛を知らなかったからだろう。
だから儂は自分が死んだということにして、カインには1人でオラリオに行かせることに決めた。 ベルはこう言ってはなんだが、あまり冒険者の才能はない。 本人の意思で決めさせるべきだ。
最後の稽古の時には完敗した。
あいつがよく使っているパンチや、強すぎる力を全て見切っていると思っていた。 カインはまだまだ成長する。
そうして稽古が終わり家に帰ると、儂のためのパーティーを開いてくれた。 『俺を五年間育ててくれて、ありがとう』 カインはそう言った。
ベルからは沢山の料理を貰った。 儂は満足だ。涙がとまらなかった。
儂は明日には居なくなる。 だからカインとベルにプレゼントをする事と遺書を書く事を決めた。
カインには
儂は幸せだ。 本当はここから居なくなりたくない。 だが、このままではカインもベルも成長しない。 居なくなるしかない。
今日は3人で寝た。 明日が来てほしくないと思ったのは今日が初めてだ。
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「本当に良いんですか、ゼウス様?」
「良いんじゃよ、ヘルメス。ここに居てはあの子達は成長しない。」
「分かりましたよ。じゃあ、行きましょうか。」
頑張れよ、カイン ベル。 お前らがダンジョンに行くのだとすれば…儂はお前達を見守っているよ。
カイン「名前?…思い出せん。」
ゼウス「そうか親に捨てられたんやね、かわいそうやわー」
このすれ違いっぷり