五十嵐くんのIS転生life(仮)←適当 作:甘々胡麻ざらし
「うーん…。なかなかパラドクスの小説伸びないな…。」
五十嵐 航(いがらし わたる)18歳は悩んでいた。ハーメルンという小説投稿サイトに投稿している自分のある作品があまりにも低評価が多くついていることに。
「リメイク版出したのは良いけど前の方が良かったのかなぁ?あっちは低評価あんまりついてなかったし…。」
そう、彼は約二週間前に投稿した小説のリメイク版を書いたのだが、逆にコレがかなりの酷評を受けていてメンタルがボロボロになっていた。
「はぁ…。悩んでいても仕方ないか…。いざとなればまたリメイク版出せばいいし、それがまた酷評なら更なるリメイクをって、それじゃ無限ループじゃねーかよ。ってやべ!もうこんな時間かよ!早く行かなきゃプロトマイティアクションXガシャットオリジンのプレミアム前売り券が売り切れる!」
彼は急いで自転車に乗り、猛スピードで映画館へ向かった。
-二時間後-
「いやぁ~無事に並んでゲット!さてと、友達にLINEで報告しよう~。」
お目当ての物を手に入れ、嬉しさのあまり…
キキィィィィィ!
「え?」
ガシャァァァァァァン!
信号を曲がってきた車に気付かず彼は轢かれた。
-???-
「うん…。あれ?ここどこだ?」
そこはどこぞの格闘漫画の精神と時のなんちゃらみたいに、どこまでも真っ白な世界が広がっていた。
「確か俺は…あっ車に轢かれて…。」
「そして死にました。」
「…!」
突然背後から声が聞こえ慌てて振り替えるとそこには天使を思わせる"幼女"がいた。
「どうしたの?お嬢ちゃん迷子?」
「誰がお嬢ちゃんですか!私は転生の女神です!」
「またまた冗談を。」
「嘘じゃないです!」
ムキーっと怒りをあらわにし、地団駄を踏む姿はとても愛らしく、無性に撫でたくなる感情を航は押さえた。
「あ、そうだ。俺が死んだって言ってたけど死因は?」
「トラックに轢かれてそのまま全身を強打して死にました。あと一応私は年上です。」
「あ、すみません。それで即死だったのですか?」
「いいえ。良かったら痛みの記憶呼び覚ましましょうか?」
「いや…。遠慮しておきます…。で、俺はなんでここに?」
「何か随分と落ち着いていませんか?自分が死んだのですよ?」
「だって人はいつかは死にますよ?それが遅かれ早かれ。だから死んだらそのときです。」
「随分と変な考えの人ですね。」
「はは、よく言われます。」
ヘラヘラと笑うが航も後悔はしていた。自分が浮かれていなければ死ぬことはなかったと。この先の人生を見てみたかったと。だが、航はこうして死ぬことが自分の人生であり、運命であったと腹をくくっていた。
「とにかく、あなたは選ばれたのです!」
「選ばれた?」
「実は今ある小説の世界が混沌を迎えようとしているのです。」
「混沌…?」
「今から約1年前。ある男が今年死んだ10万人目に選ばれあるラノベの世界に転生したんですよ。」
「それどこのVシネのバスターですか?」
「と、とにかく!その男はとても歪んだ欲望の持ち主で、転生先で好き放題する前に止めてほしいのです! つまり、あなたはその世界を救うヒーローに選ばれたのです!」
世界を救う。それだけ聞けば特撮好きの航にとっては心が踊るような言葉だが。
「それ俺じゃないとダメなんですか?」
「え?」
「つーかなんで俺なんですか?あなたたち神が勝手にしたことでしょ?そんな理由で俺を巻き込まないくださいよ。
大人しく天国にでも地獄にでも連れていってくださいよ。」
事故で死んであの世にいくならまだしも、他人の起こしたミスを自分が何とかしなければならないなど理不尽だ。
「…そうですよね。私たちが招いたことだからあなたには関係ないですね…。」
女神が持っていた杖を空に掲げると大きな門が出現し、そこから光が溢れる。
「この門をくぐれば天国に行けます。」
「はーい。」
航はそのまま天国行きの門へ行こうとしたが、その前で足を止めた。
「…女神様。」
「…はい?」
「本当に俺はヒーローになれますか?戦隊や仮面ライダーのように誰かの笑顔を守れるのですか?」
「…それはあなたの行動次第です。でもあなたにはヒーローとしての資格があります。」
航は悩んだ。自分は過去に特撮ヒーローに憧れていたが、今までの人生で人助けなどなにもしてこなかった。だからこそ。
「女神様。断っといてすみませんけど、やっぱり俺ヒーローになります。その世界を救います。」
「ほ、ほんとですか!」
「はい。」
「で、ではあなたを転生させます!」
女神は再び杖を空に掲げると今度は航の体が光消えかけ始めた。
「では!世界をお願いします!」
「はい!」
航は消えかける体のまま空を見上げた。
「父さん。母さん。ごめんな。そしていままでありがとう。俺、世界を救ってくるよ!」
こうして航の第二の人生がスタートした。
「…あ、転生先と転生者倒したらどうなるのか聞くの忘れてた。」
続くのか?