五十嵐くんのIS転生life(仮)←適当 作:甘々胡麻ざらし
二時間目の授業が終わり航は暇なので何も描かれていないインフィニットカードを眺めていると。
「すみませんでした!五十嵐先輩!」
「うん?」
突然一夏が頭を下げてきて訳がわからず頭に"?"を浮かべていると秋十が呆れた顔でやってきた。
「さっきこのアホに確認したら名前しか聴いていなかったそうなんですよ。で、年上だって教えたら真っ先に謝りたかったそうです。」
「ああ、そうなんだ。」
「俺、同じ男が来て驚いて話全然入ってませんでした…。ほんとうにすみませんでした。」
「まぁ、人間誰しも失敗はあるからね。次からは気を付けてね。」
「はい!あの…それでもしよかったら俺と友達になってくれませんか?」
「うん。俺は構わないよ。」
「ありがとうございます!」
「で、五十嵐先輩は何を見てるんですか?」
「カード…ですか?」
「ああ、これは…。」
「ちょっとよろしくて?」
「「「え?」」」
航がインフィニットカードについて話そうかと思ったとき不意に声をかけられ振り向くとそこには金髪の白人の美女がいた。
「聴いてますの?お返事は?」
「えーっと誰?」
「まぁなんですのそのお返事は!このわたくしに話しかけられているのだからそれ相応の態度がありまして?」
「いや…。俺君のこと知らないし。秋十は?」
「彼女の自己紹介はまだ聴いてなかったから知らないよ。」
「イギリス代表候補生のセシリア・オルコットさんだよ。」
「「知ってるんですか、五十嵐先輩?」」
「あー、うん。ホテルにいたときに色々と調べてたんだ。」
「あら、そちらの殿方は少しは知的さがありますのね?」
「あのー、五十嵐先輩。」
「なに?一夏くん。」
「代表候補生ってなんですか?」
「えっ…。(そういえば一夏は知らないんだよな。)」
「あ、あなた本気で仰ってますの!?」
「おう知らん。」
「そんな堂々と言うなよアホ…。」
航は驚き、セシリアはあり得ないとブツブツ言い、秋十は呆れていた。
「イギリスのIS国家代表の候補生だよ。読んで字のごとくだけどわかる?」
「つまり凄いってことですよね?」
「そう!エリートなのですわ!本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも奇跡…幸運なのよ。その現実をもう少し理解していただける?」
「「そうか。それはラッキーだな。」」
「馬鹿にしてますの?」
「「そっちが言ったんだろ?」」
一夏と秋十の抜群すぎるコンビネーションにセシリアは顔を真っ赤にし、航は「やっぱり双子だなぁ」と思っていた。ちなみに航はもうめんどくさくなったのか何も描かれていないインフィニットカード(航はブランクカードと呼んでいる)を眺めた。
「で、あなたは人が話しているのに何を勝手に見ていますの!」
「あ、ちょっと!」
「なんですの?この真っ黒なカードは?日本人はこんなのを好みますの?」
セシリアは航の態度が気に入らなかったのかカードを一枚取り上げるが、何も描かれておらず航に投げて返した。
「人のものは投げないの。」
キーンコーンカーンコーン
「ふん、また来ますわ!逃げないでくださいね。」
「あいつ…。」
「ああ…。」
「「すげぇ腹立つな。」」
こうして一波乱あった休み時間を終え、三時間目。
「では授業を…、その前にクラス代表を決めなければならなかったな。クラス代表というのはクラス代表戦や委員会、まぁ学級委員だと思ってくれればいい。一年間は変更が効かないからそのつもりでな。自薦他薦は問わない。」
「はい!織斑一夏くんを推薦します!」
「えー、私は秋十くんのほうかな。」
「わ、わたしは、五十嵐先輩を…。」
「残念だが五十嵐は参加できない。」
クラス中からええーっという声があがるが
「五十嵐は記憶喪失のためあまり変に刺激を与えないよう、学園で指示があった。よって五十嵐は参加不可という結論になったのだ。」
千冬の言葉にはクラスの人は渋々納得した。
「では織斑兄弟のどちらかで…。」
「お待ちください!そんなの納得しませんわ!」
バンと机を叩きセシリアは高らかに演説を始めた。
「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!いいですか!?クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!大体、文化としても後進的な国で暮らさなくては言えないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で」
「イギリスだって大した国自慢ないだろ。飯マズで何年世界覇者だよ。」
だんだんクラスの顔が険しくなりこれは不味いと航が止めようとしたとき、一夏が言い返してしまいセシリアの顔が真っ赤になる。
「な、あなたわたくしの国を侮辱しますの!」
「先に侮辱したのはそっちだろ!」
ピリピリした空気が流れる中パンパンと手を叩く音が聞こえクラスの全員が注目すると航が席を立っていた。
「急に出てきてなんですの?」
「まぁまぁ二人とも落ち着いて。先ずは周りを見ようか。」
一夏とセシリアが周りを見るとクラスの大半の日本人がセシリアを睨んでいた。
「ね?せっかくのクラスメイトなんだからさ。オルコットさんももう少し発言を気を付けて。それと一夏くんも売り言葉に買い言葉があるでしょ?自分の国を馬鹿にされて腹が立っても言い返さないの。」
「はい、すみませんでした…。」
「うん。よろしい。オルコットさんもほら。」
「け、決闘ですわ!よくもわたくしに恥をかかせてくれましたわね!」
「…丁重に断らせてもらうよ。」
「あら?逃げますの?」
「日本では決闘は犯罪に含まれているんだよ?だから俺はしない。」
「くっ!」
「でも模擬戦ならしてもいいよ。俺も代表候補生と戦ってみたいし。」
「おい待て五十嵐。お前は記憶喪失なのだぞ?あまりにも危険すぎる。」
「心配してくれてありがとうございます。このままのんびり記憶を取り戻すのもいいですけど、この模擬戦で何かヒントが得られるかもしれません。今動かないと後悔するかもしれない。"ストップするなら止まらず進む!"そう決めてるんです。だからお願いします。」
「わかった…。では一週間後にクラス代表決定戦を行う。四人でトーナメント形式で闘い、一番上がクラス代表だ。各自準備を怠るなよ。」
「わかりました。」
「はい。」
「「え…俺たちも?」」
こうして一週間後にクラス代表決定戦が開催されることとなった。
オリジナルの展開を入れてるのでタグにも追加しておきます。