十二月二十四日。
街はクリスマス商戦で埋め尽くされている。そこら中にサンタがそれぞれの店の宣伝を行っている。
そんな中、一組の高校生カップルが手をつないで歩いていた。
男は極めて平凡な容姿をしている。良くも悪くもない。服装などもこれといった特徴はない。
それに比べて、女の方は眼鏡とカチューシャをした美人。スタイルも悪くない。だが、控えめな服装のためか目立ってはいなかった。
そんな二人はなぜか先ほどから話をしていなかった。
「ナツルさん、どうかしましたか?」
「最近、何か急に黙り込む事が多い気がするんですけど……」
「あ、いや、何でもない。大丈夫だよ」
なるべく悟られないように返事をする。だが、
「……もしかして、
「!」
俺は最近、隙があれば
「わ、分かるのか?」
「いえ、なんとなくそんな気がして」
「そうか……」
俺、
ケンプファーは戦う為の存在。敗れ、倒れるまで戦う存在。
しかし、俺たちは全ての元凶である
「でも、それで良いと思います。だって、考えてるって事は憶えてるって事ですから……」
「そう……だな」
「じゃあ、この話はここまでにして、アニメショップ行きましょ!クリスマス限定グッズに欲しいのがあるんです」
その後、紅音はアニメショップ7件をはしごした末に、お目当ての品を手に入れた。
「あーっ、疲れた……。それにしても紅音ちゃん、アニメと本の事になるとほんと元気になるね」
「いえ、流石に七件は私にもきつかったです」
「いや、その台詞、両手に紙袋持ってスキップしてる人の言う台詞じゃないよ」
そんな事を話してると、
「こんばんは」
いきなり声を掛けられた。
そこに居たのは一人の少年。多分同い年か少し年下だろう。だが、彼から発せられている威圧感の様なものは、彼が一般人とは違うと告げていた。
「瀬能ナツルさんと美嶋紅音さんですね。私、
「……」
「今日は用件だけお伝えして立ち去ります。明日の朝、あなた方二人に加え、
そう言って彼は言ってしまった。
全く、動けなかった。あの不自然な貫禄と尋常じゃないくらいの威圧感。
「水琴さんに、雫さん……まさか!」
「……ケンプファー?!」
彼の言った四人の共通点、それはケンプファーだった事。
「……とりあえず、俺の方から二人に連絡しておくよ」
「はい……」
「じゃあ、今日はもう帰ろう」
「はい……」
その後、会話と言える会話はせずに俺と紅音は家に帰った。