異世界転生したからって選ばれし勇者になれる訳じゃない。   作:アルトルト

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お久しぶりですお待たせしましたぁぁぁ!!(土下座)
謎のモチベダウンや用事が立て込んで1週間以上も開けてしまいました…申し訳ないです。次回はもっと早く上げたいですね…頑張ります。

それとUAが1000を超えました。こんな拙い作品ですが、これからもよろしくお願いします。


盗賊少女の生い立ちが普通なわけじゃない。

どうも、ケンゴです。

 

「エレナだ。こいつが言うには伝説の勇者とかいうやつの仲間の子のセレナってやつの子孫…らしい。よろしくな」

「あ、あはーははは…」

 

大都市の酒場にて。

今俺は新たに仲間になるかもしれないエレナをジョンとエリーに紹介していた。

 

「「……………」」

 

2人はジッとこちらをジト目で見てくるだけ。

ねぇ2人とも何その目?「うわなんだこいつロリコンかよ」と言いたげな目をしてない!?ヤメテ!僕ロリコンじゃないもん!

 

……どうしてこうなった!?

 

***

 

事の始まりは、大体一刻(1時間)前…あの追いかけっこの後の質問タイムに遡る。

 

「え、ちょっと待てそれ本当に『セレナのダガーナイフ』なのか?」

「え?あ、うんそうだけど…それが?」

 

エレナは「あ、ふーん」くらいの感じで返答してくる。

 

「それが?じゃねぇよ普通に凄いものだよそれ!?かの古の勇者、そのパーティメンバーが1人『大盗賊のセレナ』が使ってた武器なんだぞ!?」

「え、これそんなに凄いものなの?お宝じゃん。売り飛ばしたらいい値段になりそうだな〜」

「何言ってんの絶対売り飛ばすなよ絶対だぞ!?」

「当たり前じゃん。これは母さんの形見だからね」

「え?あ、ああそれならいいんだ、それなら」

 

形見…なるほど、てことはリヴァスの言ってた通り一族で受け継いできたのか。

 

「でもなんでそんなすげーもんを普通の人だった母さんが持ってたのかなー?」

「それは…あれだ、お前の御先祖様がさっき言った大盗賊のセレナだから…とかかもね?アハハハハ」

 

しまった笑ってはぐらかす悪い癖が…!!

 

「へー、あたしがそのセレナって人の子孫?だったら面白いじゃん。

…ねえ、ケンゴは一体誰何者なのさ?」

「え、何者って…ううむ、じゃあ少し長くなるがいいか?」

「おう、構わないぞ」

「オーケー、んじゃまずは…」

 

と、俺はエレナに自身の身の上とここまでの経緯を話した。

 

「…へぇ、伝説の勇者の子孫ねぇ…にわかには信じ難いけど…まあ、でもあんだけの実力があるんだし、頷ける話だね…ねえ、お前の仲間ってやつらに会いたいんだけど、いいか?」

「え?何故に?」

「なんとなくだよ、なんとなく!で…ダメか?」

「っ、いや、ダメじゃないが…わかった、ついて来い。丁度いいしそこで話したい事もあるしな」

 

エレナ案外美少女だからね…そんな、「ダメか?」のタイミングで上目遣いで見られたらどんな男でもイチコロだろう。(精神的には)まだDTの俺なら尚更だ。

 

そして彼女を酒場に連れていくことになったのだが…

 

***

 

「まさかケンゴがロリコンだったとは…見損なったぞ!」

「ケンゴ…私という人がありながら…しくしく」

「2人は何を考えてるか知らないが俺は別に『新しい愛人ですっ☆』とかそういうニュアンスでエレナを連れてきた訳じゃねぇからな!?勘違いすんじゃねぇよ!?」

 

なんか妙な誤解をされていた。

 

「…プッ、ハハッ!冗談だよバカ。それ位もわからないほどお前は鈍感か?」

 

…え?冗談?

 

「お、おうわかってたとも、わかってたとも冗談だってな!」

「えぇー、ホントでごさるかぁ〜?」

「ウザッ、何その言い回し」

「ウザがってくれて何より」

「ぐぬぬ」

 

まあ冗談なら冗談でいいんだが…

 

「しくしくしく…」

 

と、横を見るとまだエリーが泣いていた。…もしや。

 

「え、エリーそれガチ泣きかよ!?」

「えぐっ、えぐ、だって、ケンゴが、私のケンゴがぁ…私以外の、ひっく、女の子とぉ…えぐ」

 

あーたそんなに嫉妬深い性格でしたか!?

 

「あー…今のエリーちょっと酒飲んで酔っ払ってるから…」

「エリー酒弱いの忘れたのかジョンよ!?」

「すまんすまん。でも今のエリーを止められるのはお前だけだと思うぜ?」

「そうやって人に責任を押し付けるなよ…はあ、仕方ねぇな…」

 

どうやらエリーのガチ泣きはジョンの失態の模様だが、それを止めるのは俺の仕事らしい。はあめんどくせぇ…

 

「そろそろ落ち着けよ…大丈夫、俺の一番はずっとお前だからさ」

「…で、ですよね!私にはケンゴしか合わないようにケンゴには私しか合わないんですから!」

「お、おう…」

 

なんとかエリーの期機嫌は取れた。良かった…あー歯が浮くようなかっこつけセリフは疲れるな…

 

「しかしてケンゴよ。なぜこんな子をここへ?」

「あー、それはだな…」

 

ジョンにさっきまでの事を説明する。

 

「なるほどなぁ、そういうことね」

「そういうこった」

 

ジョンも納得してくれた。

 

「なーケンゴ、そろそろ『話』をして欲しいんだが…」

 

後ろのエレナに急かされる。そういや彼女に話があるんだった。

 

「ん?ああすまん、んじゃ、そろそろこっちの本題に移ろうか。…なあエレナ、俺たちと旅をしないか?」

「へ、旅?」

「そう、旅さ。魔王を倒す旅。どうだ?いろんな景色や人に出会いながら、魔物を倒して、最後は魔王を倒す。そんな旅さ。それに、行く先で珍しい物を見つけられるかもしれないし、色々と援助金も出る。場合によっちゃ、孤児院の為にもなるかもしれないぜ?」

「そっか、うーん…」

 

エレナは腕を組み、うーんと考え込む。

 

「まあそうすぐに決めるもんじゃないさ。覚悟が決まってからでも「よし、アタシも行くよ!」はっや!?そんな簡単に決めていいのかよ!?」

「いや、だって元々そろそろ孤児院から出ていって、真っ当に仕事して、それで1人で暮らそうと思ってたしな…丁度いいさ」

「…そうか。んじゃ、一緒に行こうエレナ。これからよろしくな」

「おう、よろしくなケンゴ!」

 

俺はエレナと硬い握手を交わした。

盗賊の エレナが 仲間に なった!

 

というか、「孤児院から出ていく」ってことは彼女、孤児院に住んでるのか。それなら孤児院を支援する理由になるわな。…手段が真っ当なら最高なのだが。

閑話休題(それはともかく)

 

「で、次の出発はいつなんだ?」

「んー、明日の昼に港から出る軍の船で諸島部の前線基地に向かう予定だが…延ばした方がいいか?」

「いや、そんだけ時間があるなら充分だ。ちょっくら孤児院に寄ってちょっと荷物取ってくるだけだし」

「そうか。んじゃ、俺も着いてくわ」

「おうわかった…ってええ!?なんでケンゴが着いてくるのさ!?」

 

エレナは「その必要は無いだろ」と言いたげな表情でこちらを見る。だが断る。俺は今、エレナの部屋を見てみたいのだ!…嘘です。ホントは孤児院の人たちに挨拶しようと思ってます。

 

「一応孤児院の人にも挨拶しておかねぇといけないだろ普通」

「う、まあそれもそうだけど…」

「そーいう事だ。あ、ジョンとエリーはここで待機しといてくれ」

「了解」

「りょーかい、れーす…」

 

2人が返事を返す。ジョンはまだ酔ってないがエリーはもうベロンベロンだった。軽く呂律が回ってないし。明日二日酔いになってそう。

 

「んじゃまあ、行きますか」

「はぁ…仕方ないな、着いてきな」

 

そう言って、俺たちは酒場を後にした。

 

***

 

「…ここだよ」

「ここか」

 

エレナに案内された先は、街の隅の方にある、それなりの広さのある建物だった。俺たちの世界で言えば…そうだな、児童館くらいか。

 

「アタシは部屋から荷物取ってくるから。園長の部屋はあっちの方な。んじゃ、半刻(30分)後に」

「おう、わかった」

 

そう言ってエレナはさっさと早足で行ってしまう。

さて、俺も行くかな。

 

「ごめんくださーい、園長さんは居ますかー?」

 

ドアを開け、中に入って園長を呼び出す。

 

「はいー、どちら様でしょうかー?」

 

応答と共に奥から壮年の女性が出てくる。この人が園長だろうか。

 

「あ、俺はケンゴと言います。ちょっとここのエレナさんの事で話が…」

「あら、うちのエレナが何か…?」

「いえ、何かした訳では無いのですが…あの、明日から俺と俺の仲間たちと旅に出ることになりまして。仲間を代表して、その報告と挨拶に」

「あら、そういうことですか…では、こちらへ。お茶とお茶請けを用意して来ますから」

「あ、どうも」

 

俺は応接室に通される。

簡素だがそこそこ良さそうなテーブルとソファがあった。

俺はソファに座って待つことにする。

 

「お待たせしました」

「あ、ありがとうございます」

 

数分後、戻ってきた園長からお茶とお菓子を貰った。…うん、美味しいお茶だ。

 

「で、話についてですが…」

「ええ、旅についてですよね。大丈夫です、こちらとしても歓迎します。彼女も、もうそろそろ独り立ちする時期でしたから…」

「そうですか、ありがとうございます」

 

俺の話に、園長は少し感慨深そうな目で答える。

そこで、俺は少し質問を投げかける。

 

「…あの、すいませんが、彼女は、どうしてここに来たのです?」

「え?ああ、それは…少し長くなりますが、いいでしょうか?」

「ええ、構いません」

「そうですか。では…あれは、あの子が6歳くらいの頃でしたかね。雨の日でした…」

 

そう言って、園長は語り始めた。

 

***

 

あれは、10年前…この孤児院も、まだ開いたばかりの頃でした。

 

ある雨の日、私が買い出しの為に外へ出た所、園の門の前に1人のナイフを持った女の子が倒れていたのです。

 

女の子は酷く衰弱していました。

私はその子を園の中へ運び込み、布で拭いて、ココアを上げたのです。

 

しばらくして、女の子は私に話しかけてきました。「どうして助けたの」と。

私は、「あなたのような子供を、放っておく訳にはいきませんから」と答えました。

すると女の子は、「私みたいないらない子を、どうして?」と言いました。

私は、「いらない人間なんていません。この世界の全ては、全て女神によって生み出された、必要なものですから」と言ったのですが、女の子は「嘘、そんなことない。だったらなんでお母さんは私に優しくしてくれなかったの。なんでお母さんは私を家から追い出したの」と言います。何度説得しても、似たような反応しか返しませんでした。

 

でも、彼女はそれから私や、他の子供たちと触れ合うことでなんとか立ち直り、今の明るい性格になって行きました。

そして、今に至ります。

 

***

 

「なるほど、捨て子だったのか…」

「ええ。そんなあの子が、こうして旅に出るようになるなんで…人の成長とは、早いものですね」

 

よくまあ捨て子の、それもかなりトラウマものの状態から今みたいな所まで立ち直れたもんだ。その精神力に脱帽。

 

「…ありがとうございます。あ、そろそろ時間か。それじゃ、そろそろ俺はこれで…」

「あら、もうお行きになさるのですね。…では、あの子を、エレナを宜しくお願いします」

「はい、分かりました」

 

そして、俺は外へ出ていく。

すると、

 

「遅い、アタシ待ってたんだぞ?」

 

そこには、荷物を抱えたエレナがいた。

 

「あー悪ぃ、園長さんと話し込んじゃってさ」

「ったく、誰かを待たせてるなら気ぃつけろよ?」

「ああ、気をつけるよ。じゃ、行こうか」

「ああ!」

 

そう言って俺たちは酒場に戻ろうと門を潜った。

その時だった。

 

どぉ、ん…!

 

「…!?

爆発音!?どこから!?」

「…おいケンゴ、街の中心の方を見なよ!炎が…!」

「…あっ!!」

 

エレナの指差す街の中心部の方からは、真っ黒な煙がもくもくと立ち上がっていた。

 

「もしかして…魔物か!?」

「かもしんねぇな。何にせよ、アタシは放っておくわけにはいかないと思うけどな」

「…そうだな、急ごう!ジョンやエリーに何かあったら一大事だ」

「おう、全速力だな!」

 

俺たちは全速力で街の中心を目指す。

ジョン、エリー…無事でいてくれよ!

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