東方再々録   作:つっちゃん

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第2話

辺りは一面荒野であった。だが、ただ荒野が広く続いているのでは無くよくよく見ればジャングルや池があちこちにある。そしてそこには当然生き物が暮らしているのだが・・・

 

「おいおい、こんなリアルな感触もあって更には恐竜も居るとかスゲー夢見ているようだな」

 

マジでこれは夢だ。夢でなければこの現象はどう説明すればいいんだ・・・

 

体は夢では無いと訴え、しかし頭ではあまりの衝撃に現実逃避を行いここが夢だと思い込んでいる。だが俺はやはりここは現実であるとようやく踏ん切りがついた。

 

─────グァァァァ・・・

 

どこか遠くで大きな凶暴な恐竜でも居るようで雄叫び声が聞こえてくる。

 

目を凝らすと遠くに位置する大きい湖の方でこれまた巨大な首長の恐竜とそれよりも随分小さいのだが何か小さい恐竜が群れで襲っている。

 

俺は昔恐竜が好きだったのだがここでも役に立つだろうか、それともただここで野垂れ死にしてしまうのだろうか・・・

 

いや、それだけは嫌だ。これまでの20年間ただぼんやりとした人生を送ってきたのだがもしかしたら丁度良い機会なのだろう。

 

それに、どうせここに来たのも神様の悪戯やらだろう。神は今まで信じて居なかったのだが今日から信じる事にしよう。

 

だが流石にこれは酷い。裸でここに連れ出されてしかも何も道具は無いし、ノベルなどにもある能力付与も無さそうだ。

 

まぁ、これから生き延びる為に頑張らなければならない。特にこれまで無駄に蓄えた知識をフル稼働する必要がある。また、力もつける必要がある。

 

その前にまずは安全な場所。火と水の確保を優先する。

 

「ふぅ、まずは他の動物に出会わない様に迂回し続け、安全場所を探しながら使えそうな物を集める。うん、これでいくか」

 

安全な場所を探すといってもその前で死んでしまっては元も子もない。安全第一だ。

 

まずは裸足だと怪我すると今後怪我するので靴も作らなければ・・・

 

後、蚊ってこの時代に居たっけ?居たら感染症の防止の為にも服を作らなければならない。多忙すぎて気が遠くなりそうだ。

 

 

 

 

 

 

「いてててて・・・」

 

色々と探し回り、運よく危険な事に出くわす事は無かった。

 

本当に地道に回避しながら材料を集め、翼竜が近くを飛んで行った事にはぞっとしたが何とかここまでこれた。

 

もう夕方にまでなってしまったのだが安全な場所は確保する事が出来た。自然に出来たであろう洞窟である。

 

その洞窟は余り深くも無く、入り口も人が一人通れる程度で一杯だったのでここに巨大な恐竜も来る事も出来ない。さらに中も他の動物が巨大化しているものも多いせいなのかデカイ虫はいたがコウモリやネズミといった小動物は居なかった。

 

その虫はまるでカメムシのような形をしていて昼間から全く動く気配も見せず、ただ硬い甲羅を反射させて4、5匹ずっと固まっていた。恐る恐る近づいても全く反応を見せなかった。多分夜行性なのだろう。

 

本当に運が良かった。今までどの危険な生物にもあっても居なく、怪我もなくここまで来れた。そして一番の目標である安全な場所を見つける事が出来た。だが中に居るのがたった数匹の虫だからといって侮る事は出来ない。もしかしたら毒や予想の出来ない攻撃を仕掛けることだってあるのだ。しかも俺はまだ裸だ。だが足は怪我すると面倒なので木と葉とツルを使って何とか靴の様な靴を作ったが、走ったら確実に壊れるぐらい脆い。

 

あぁ、よく見たらツルがもう少しで切れそうだ。また直さなければ・・・

 

それに火も起こさなければ夜になれば洞窟の虫が寝ている間に襲い掛かるかもしれない・・・

 

やっぱり前言撤回。神様何故俺をここに連れて来た、時が戻るならここに来る前まで戻って逃げたいわ。まぁ、逃げられないかもしれないが足掻ける分は足掻きたいがな。

 

「クソッ、もう夜になるじゃないか。本当に時間がもっと欲しかった、時が戻せたらなぁ・・・!」

 

悪態をついても何も起こらない事は分かっている。だけど今はこうしていたいのだ。

 

安全な場所を見つけたが喉が渇き、お腹も空き、疲れも襲い掛かって今は動きたくない。そしてもう眠ってしまいたい。後ろの虫達がもし本当に夜行性であるのなら危ないかもしれない。

 

目を瞑って休みながらも祈る。時が戻って欲しいと。そして当初この時代に来れたのは嬉しかったのだが目が覚めたら元の時代に戻れたら良いとさえ思ってしまった。

 

カサカサと後ろから虫の動き出す音が聞こえる。

 

これで昼間動いていなかったのは夜行性だからだろうという事が証明された。逃げなきゃ何かされてしまうのだが何故か体が動かない。目も開く事も出来ない。一体どうしたのだろうか。

 

 

 

 

・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・あれ?何か明るい。

 

しかもカサカサという音も何もかもが消えてしまった。それにいつの間にか履いていたはずの靴が無くなっている感触もする。

 

俺はパッと目を開けるとそこに広がった光景は─────

 

─────グァァァァ・・・

 

あぁ、あの恐竜の声がする。それにここは・・・マジで時が戻ったというのだろうか。いや、それしか思いつかない。本当に神が起こした奇跡なのだろうか。それとも俺の眠っていた力とかが目覚めたとか何とかだろうか・・・

 

いや、さすがに眠っていた力が目覚めたとかいう設定は廚二病らしいな。だが実際起きている光景はそんな類に近い物だし、ここに来た時影響で力が備わったとか神様のせめてもの情けで授けた力とかが自然か。うん、そう思うことにしよう。

 

まぁ、とりあえずもう一度始めっからやり直しといきますか。あの場所も大体覚えているし始めよりも上手く行けるだろう。

 

 

 

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