モモンガさんが不在ですって?!   作:琳鈴

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捏造過去です。
捏造パンドラズ・アクターの胸中。


パンドラズ・アクター視点※転移前

 

パンドラズ・アクターとは、ナザリック宝物殿の領域守護者。宝物殿の管理のほか、金貨の出納などを行う財政面での責任者でもある。

 

同じドッペルゲンガーでも変化できる姿を普段のひとつに絞り魔術師として特化したプレアデスのナーベラルとは違い、「至高の四十一人」全員の外装をコピーし、その能力の八割ほどを行使できるドッペルゲンガーとしての能力に特化したNPCである

 

「…よし、出来た。こんな所だろ。」

 

ギルド【アインズ・ウール・ゴウン】のギルドマスターであるモモンガは、開いていたコンソールを閉じて息を吐く。

ギルドの本拠地となったナザリック地下大墳墓に置いて 、各階層の守護者となるNPCは重要な役割となってくるだろう。特にモモンガの作成したパンドラズ・アクターは、これから増えてくるだろう世界級(ワールド)アイテムも収納される宝物庫を守る存在だ。

 

「しかし、我ながら結構格好良く出来たんじゃないかな。しかし…最後はちょっと恥ずかしいか、全くペロロンチーノさんめ。」

 

(ありがとうございます、我が創造主のモモンガ様!)

 

パンドラズ・アクターの声無き声が響く。

彼が作り出された瞬間、心臓が波打ち魂が宿る。勿論、製作者は気づく筈は無い。

 

うんうんと頷き、自身の最高傑作を眺める。

ドッペルゲンガーである為、通常は卵形の輪郭に目と口の役目である穴が三つだけ。古代の埴輪の様だ。

軍服にコートは肩に掛けて羽織った状態で、ナザリックトップクラスの頭脳と知略に加え上記の通り利便性に富む能力を持っている。

マジック・アイテム・フェチであり、エフェクトとしては敬礼を行い、ドイツ語を操る。

 

モモンガはまさかパンドラズ・アクターが生きる黒歴史になるとは知らず、満足そうにログアウトして行くのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこへタイミング良く現れたのは、ギルドのサブマスターグレート=ウルトラ=マウンテンだ。銀色の髪が揺れ、白金の瞳が輝き、じっとパンドラを見つめた。

 

「凄い…パンドラズ・アクターが生まれたんだ。」

 

パンドラは直立不動のモーションのまま、その美しい人物が自分の名前を知る事を不思議に思う。先ほど作られたばかりの自分にとって、見える物全てが新鮮に映るがこの人物は特異に映る。

 

ずっと自分を見ていて欲しい、自分だけを見ていて欲しい。側に居たい、側に居て欲しい。この美しい人を傷付ける物全てから守りたい。

 

鼓動が速まるのを感じ、創造主がこうあれと命じた自分を思い返す。まるで、役者の様に大袈裟に振る舞えと、知略に富み、宝物庫を護れと。

そして、最後に…モモンガ様と同様に至高の御方々の御一人であるペロロンチーノ様に、私がこうあれと望まれた事がある。

モモンガ様も、それを変更なさらなかった。それでは、私はそうありましょう。

 

『グレートを愛する』

 

「聞こえてたら良いけど…?初めまして、私はグレート=ウルトラ=マウンテン。会えて嬉しいよ、パンドラズ・アクター!」

 

(ああっグレート=ウルトラ=マウンテン様!貴女様のそのお言葉だけで…!)

 

花の様に咲くその笑顔は、動かない筈のNPCの心を明るく灯す。

興味深そうにパンドラの袖にグレートの指先が触れるだけで心臓が早鐘の様になり、白金の瞳で眼窩を覗かれるだけで呼吸も忘れた。

 

恋をする、とは斯様に苦しくも幸福な物だとは…。

創造主(神)は、もしや私に試練を下されたのか?

そうに違いない。一介の守護者に至高の御方を愛せとは、不可能な事。

 

私は愛を捧げることなら厭わない、けれど…愛を乞うても良いのでしょうか?

 

パンドラの心をただ風が撫でていく。

普段、宝物庫に居るパンドラにはあまりナザリック全体の様子は分からない。それでも、少しずつ至高の御方々がナザリックを去って行くことが分かる。

霊廟に増えて行く、至高の御方を象ったアヴァターラ。

 

もし、そこにモモンガ様が増えたら気が狂うだろう。

もし、そこにグレート=ウルトラ=マウンテン様が増えたら心を失うだろう。

どうか、お二人がいついつまでも私の上に君臨して下さいますよう…。

 

 

そう願っていたものの、とうとうもモモンガ様は姿を消されてしまった。いや、まだアヴァターラが作られていないのだから、一時の不在だとは思うが。

もし、このまま愛する方も共に消えてしまわれたら?

 

私は私を保てるのか?どうすれば…?

まだ、想いを伝えて居ないのに。

みっともなくても良い、軽蔑されようとも構わない。

私を嫌ってくれて構わない、だからどうか…貴女だけは、行かないで…。

 

言葉を発する許しを得られたら、必ず想いを伝えよう。

愛している、と。

 

 

 

 

 

 

 

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