Fate/AlterZero   作:NeoNuc2001

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前回のあらすじ

英雄王を召喚。
魔法使いが登場した

以上!
改稿
2017/07/28 あとがきに追記
2017/08/09 英雄王のあだ名の呼び方を変更


第一話 愛される少女たち

アーチャーはただ一歩を踏み出しただけでここではないどこかに向かった。恐らく大橋であろう。とりあえず、大赦の関係者にその旨を伝えるべきだろう。

 

しかし、その前に英雄王に成すべきこと,果たすべきことを伝えたが理解したのだろうか、いや理解はしたのだろう。ただ、賛同はしていないのだろう。敵が人類の天敵であるバーテックスであると伝えた時はまさに不満を顔に表したのだった。

 

だが、どちらにせよ、彼は人類の守護者。バーテックスとの戦闘ではその力を自在に、それこそ見せつけるかのように振り撒くのだろう。

 

唯一の問題点は彼がバーテックスに対抗出来るだけの力を持っているかどうかだが、それに関しては私の知るところではない。

 

次に起きるのは、勇者システム起動時に令呪が私から移行されるということだ。

足りないあと6画の令呪は小聖杯を利用して捻出するらしい。

強引だとは思うが、これにより三人の勇者が一騎のサーヴァントのマスターになる。そしてマスター権限を失う私はバーテックスとの戦闘、いや戦争から離れるのだろう。

 

私に残ってい仕事はアーチャーのアフターフォローと大聖杯関連の仕事だ。とは言え、サーヴァントに魔術的エラーが起きるとは考えづらく、大聖杯の調整は戦いには関係なく、勇者システムは専門外なため、もはや勇者の戦いには関わらないのだろう。

 

だが、唯一行えることがあるとすれば...それは祈り。勇者が戦闘で死なないでほしいという祈りである。それを達成するために努力をすべきだろう。

 

 

 

 

 

 

 

ある朝、一人の少女が緊張したおもむきで水浴びを行っていた。

己の精神を高め、気を引き締めるその行為は魔術師及び魔術使いが使用するある種の自己暗示に近いとも言える。とはいえ魔術の概念を知らない彼女ではそれは初歩的な暗示にすら届かないが。さらに言えばそれは今回特別に行った行為ではなく常日頃行ったものである。これを世間一般では日課と言い、彼女の日常の一部なのである。

 

一人の少女、つまり鷲尾須美は今日もこの日常をこなしていく。そして彼女は日常を楽しんでいた。だがしかし、この日常を真に大切に思うのは当分先のことである。ともかく、須美は日常に生きていた。今はそれでいい。

 

「今日も鍛練ね。頑張らないと。」

 

須美がこの言葉を繰り返したのは三度、一日の中で、である。それを随分前から、三体目のバーテックスを倒してからである。

この事から須美は気負いし過ぎであることが窺えるが、彼女の気質ゆえに仕方のないこととも言える。さらに言えば三度の戦いでは思うように戦えなかった。その際には仲間の心強さを感じていたが、頼りぱなっしではダメだと思っているのだろう。

 

「さて、そろそろ父上と母上が起床なさる時間かしら。それじゃ、そろそろ朝ごはんを作らないと。」

 

朝食を作る、これもまた彼女の日課である。それはルーティンであり、小さくも日常である。さらに言えば、平凡で当たり前されど輝しく、いとおしい。そして壊れやすく、分かりやすい、須美を構成する要素である。

今日も彼女は日常に生きる。奇跡も含めたありとあらゆる万象を裁定した最古の英雄ですら日常はさぞや価値の高いものだと思うのだろう。何故ならば、その可能性はあまりにも膨大だから。しかし彼はそれに気づくのだろうか。

 

今日も学校に向かう。友人と共に日常を過ごすために。そう思うだけで彼女達は幸せな気持ちになった。ただ、あまりの幸せにそれを大切に思うことはなかった。

 

「おはよ~う。わっし~。」

 

いつもより気だるげに答えるのはそのっちである。彼女はわっし―が教室に入る前まではすやすやという寝言を言いながら寝ていたのだが、わっし―が教室に入るや否やそのっちは目を擦りながらも起きたのだった。これは彼女らの友情が果たせるものなのか、直感でわっし―に気づいたのだろうか、はたまたその両方か。どちらにせよそのっちの才覚が成せるものだろう。

 

「おはよう、そのっち。あら、サンチョはどこに行ったの?」

 

「それがね~、家においてきちゃの~。」

 

「珍しいわね。これは何かが起きる予感がするわ。バーテックスの襲来とかかしら。」

 

「最近来たばっかりだから、それはないよ~。もしかしたら新しい転校生かもしれないよ~。実はその転校生とわっし―は幼馴染みで今日の放課後に突然転校生の方から告白されて~、そこに銀さんが出てきてドロドロな三角関係になるんよ~。」

 

「そうかも...って、何で私が転校生に告白されてるのよ。そして何で銀と三角関係なのよ?」

 

「それは全て来週わかるんだよ~。真相はいつも私の掌の上に~。」

 

「恋愛なのか、推理なのか分からなくなってきたわ。あっ、安芸先生が来たわ。」

 

彼女達の会話は、担任の先生が教室に入り、朝の学活を始めようとしたところで止められた。

園子はウェブで小説を投稿しており、その小説の内容が恋愛がらみのため、いささか不安を残す状態となったが園子以外はその事実を知らない。故にそれはまた別の話になる。

 

「ちゎーすっ。今日こそ間に合った。」

 

「三ノ輪さん、今日も間に合っていません。」

 

安芸先生に怒られながら頭を叩かれてる女の子が三ノ輪銀である。元気が有り余っており、クラスの中で随一の身体能力を持つ。いわゆるクラスの人気者になっている。なお、女の子である。

銀はその元気ぷりから逆に危なかっしさが滲み出しており問題をよく発生させているが、彼女自信は困った人を放っておけない性格ため自他共に発生する問題に対処する日々である。これもまた銀の日常なのだろう。ちなみにこの体質とも言うべき状況は改善に向かいつつある。

 

「あっ!筆箱忘れた...」

 

改善に向かいつつあるはずだ。

ともかく、これで全てが整った。三つの花と一つの光。三つの花は光を守護の手段として手を取る。何を守るべきか分からずに。光は己の愉悦のために花を照らす。その光を遮れるものなどないかのように振る舞いながら。

 

 

 

 

 

 

彼女らの学校生活は充実したものだった。習字で何を書くのかを話し合ったり、宿題の教えあったりしていた。後者は主に須美が先生、銀が生徒の立場になっていたが。

時は放課後にて、彼女ら三人は稽古場で安芸先生の話を聞いていた。

 

「今日、あなた達に新たなサポートが来ます。」

 

「援軍ですか。大幅な戦力上昇に繋がります。」

 

「一体誰だろう~。もしかして上級生かな~。」

 

「それは少し困るな。私、敬語苦手だから。」

 

「大丈夫だよ~。勇者経験ではこっちの方が上だから~。」

 

「なら、敬語ナシでオーケーだよな。」

 

「こら、銀。誰に対しても礼儀正しく、親しき仲にも礼儀ありよ。」

 

「そうね、鷲尾さんのいう通りだわ。特に今回の相手は...」

 

「どうしたんですか~、先生~?」

 

「実際に会えばわかるわ。丁寧に対応してね。ではどうぞお入り下さい、英雄王。」

 

「「「?」」」

 

彼女らの先生の言葉を理解しても尚、勇者は困惑していた。新しい助っ人は勇者であるはずで、それを見れば分かる、と言うには違和感があったからだ。

だが、彼女らは更に困惑する。何故なら出てきた人は女性にはとても見えなかったからだ。更に言えば彼は子供ですらなかった。

 

「ふむ、貴様らが人類を守る盾にして矛か。しかし、戦いには強者をつれて行くべきだというのに貧弱な少女にしか任せられんとは大いなる“矛盾”ではないか...“矛盾”ではないか。どうした、笑ってもよいのだぞ。」

 

「「「...」」」

 

「もしかして“盾にして矛”の部分と“矛盾”を掛けたのかな~。」

 

「ほぅ、この我のジョークを見破るとは。貴様、もしや道化か。」

 

「ううん、私は道化じゃなくて乃木園子だよ。よろしくね~。ほら、ミノさんも挨拶。」

 

「わ、わたくしは三ノ輪銀であります。」

 

「最後の私は鷲尾須美です。宜しくお願いします。」

 

三人はそれぞれの対応をした。園子は自身のペースを崩さないで、銀は逆にペースを崩しながら。そして須美は先生の言い付けを守りながら挨拶をした。

 

「よもやこのAUOジョークを看破してかつ道化ではないとは、王とは別の気風を有しているな。俗に言う、天才か。」

 

「ちょっと待って。この人ジョークを理解出来ない前提で言い放ったんだわ。」

 

「そうなのか!最初からよく分からないやつだったのか。」

 

「王の配慮すらも理解できぬとは本来なら万死に値するところだが、この我の庭を僅かながらも守った実績をもって不敬の免罪符としよう。

理由ときたか...我は繊細でかつ大胆な芸術的ジョークをもって我が威光を知らしめようとしたが、ジョークがあまりにも高度な故に誰もが理解しなかったようだ。なればこそ、全く別の方向から言葉を投げ掛けることにより貴様らの本性を覗こうとしたが我が眼の前では要らぬ心配だったわ。」

 

「へ~、そうなんだ~。でも王様?ってどういうことかな。」

 

「それは私から説明するわ。つまり、かくかくしかじかということよ。」

 

安芸先生は彼女らに英霊について説明をした。それはとても丁寧で分かりやすいものであった。たとえ、かくかくしかじかとしか言っていなくとも。

 

「成る程成る程。それじゃ、この英霊の真名は何かな~?きっと有名な英雄なんだろうね~。どっか~んて感じですごいんだろうね~。なにせ、王様なんだから~。」

 

「よくぞ言った、乃木園子。我が真名、心して聞くがよい。この我は最古にして最強の英雄、英雄王ギルガメッシュである。クラスはアーチャーと少し物足りんが、そこは少し多めに見るがよい。」

 

「「「...」」」

 

「どうした?この我に聞くべきことなど沢山有るだろうに。真名を明かした今がチャンスではないか。」

 

「ごめんね~。多分誰もギルガメッシュなんて英雄に詳しくないと思うんだ~。」

 

「なに?誰もこの我を知らぬだと?ならば、この我が手ずから教授してやろう。」

 

最初に王様などと褒められたために気を良くした英雄王は多少の不敬を気にすることもなく、自らの逸話を自慢げに語ろうとしたが、

 

「その前に、戦闘の際の連携について確認したいのですが。」

 

三人の勇者に会わせる前に何があったが分からないが、固くなっていた安芸さんはチャンスと見たのか、話題の切り替えを促した。

 

「この我は王だ。そしてアーチャーでもある。前線の活躍を後方で見届けることこそがこの我の義務とも言えよう。なに、この我についてこれぬのなら我の横に立つ権利はないと思え。」

 

一見、無理をいっているようにも見える発言。だが、全体的に考えれば勇者三人の身の安全に気を使い、肝心なときには自身が駆けつける言動にも思える。おそらく。どちらにせよ、王の威厳は残したままだが。

 

「ところで先生。英雄王さんが召喚されたなら、他にも英霊を召喚する予定はあるんですか?主に日本を守護した英雄とかは。」

 

「残念ながら新たに英霊を召喚するには神樹様の力を強化するか、更に準備が必要だそうよ。前者は不可能に近くて、後者はかなり時間がかかるそうだから。少なくともあなたたちが中学生になるまではないわね。」

 

「そうですが...」

 

「さぁ、質問は終わりよ。鍛練を再開するわよ。今回は人が増えたからまず自身の能力を紹介するところから始めましょう。」

 

三人の少女は勇者システムを起動する。そこには清楚の花、優雅の花、情熱の花が咲いた。既に聞いていたとはいえ、人がここまでの力の奔流を得ていることに英雄王は少し感嘆をしていた。だからこそだろう、英雄王は次の不意討ちに気づくことはできなかった。

 

「それじゃよろしくね~、ぎるっち~。」

 

「ぎるっち?もしやと思うが、それはこの我を指したのか?」

 

「えっ?そうだけど~。ギラギラ王の方がいいかな~?」

 

「ええい!この我のことは好きに呼ぶがよい!なに、その程度で王の威光はうすれぬ。」

 

「それじゃ、私はギルギルと呼ぼう!」

 

「なんだその呼び名は?この我をこけにしているつもりか?」

 

「いやー、親愛を込めてのギルギルだよ。」

 

彼女ら二人に悪意はない。その事に気づいている英雄王は強く反論できずにいた。しかし、このような時は無理を通していたのが彼の流儀だったが。しかし、ここでは王の威厳が示せないと思ったギルガメッシュは口を開こうとするが。

 

「二人が迷惑をかけてごめんなさいね。私は英雄王さんと呼ぶわ。」

 

「...」

 

唐突に不意打ちを食らった英雄王である。須美がつけたそのあだ名には一見、敬意を込めているように見えるが別の側面から見ればけなしているようにも見える。須美はいつもはしっかりしているが、たまにドジを踏むことがある。

 

「もうよい。我が力を見てもなのその名で呼べるのなら、呼ぶがいい。」

 

そういいながら、湖のほうを向きながら後方に空間のゆがみを発生させた。それだけならば、さほど目立たないものであろう。

しかし、そこからは太陽と負けずとも劣らない黄金の光があふれていた。

そしてそこから様々な歴史を語る宝具が現れた。

 

其は剣であり、

其は斧であり、

其は槍であり、

其は弓矢であり、

其は短剣であり、

其は爆雷であり、

其は奇跡であり、

其は呪いであり、

其は破壊であり、

そして、万象であった。

 

そしてその門と形容すべき空間の融解からそれらの宝具がミサイルのごとく放たれ、複数の的に命中した。そこからとてつもない爆風と爆炎がひろがり、水と風が修練場にまで届いた。

 

「すっげー!!!」

 

「なに、この程度、小手調べだ。」

 

「すごいよ、ぎるっち~。」

 

尚、彼女らに悪意はない。




アーチャーのステータス

AABAAEX

英雄王の過去最高のステータスです。
この物語の時間軸は二章の手前あたりからです。
なぜかって?やりたいことがあるからです。

それにしても、この世界での英雄王のスタンスがよくわからない感じになっちゃたかな。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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