キリカさんと織莉子さんが病室に来るのは分かるけどなんで暁美さんまで?
「なんですか……あなた達。七夕かなみさんのお友達か何かかしら?」
八十住さんは織莉子さんとキリカさんと暁美さんを知らないんだっけ。
仕方ないけど悲しいかな。
「ええ。そうだけれど……貴女は?」
織莉子さんが少し息を整えてからそういう。
「見て分からないかしら。はぁ……私も医者として失格ね」
八十住さんは医者という言葉だけを私にだけ聞こえるように呟いてそういう。
八十住さんってそういう人だったけ?
もうちょっと優しい人だとは思うんだけど何考えているかさっぱり分からないんだよ。
八十住さんの思考を読もうとしてもいつもブロックされているからなぁ
「君っ!!」
キリカは八十住さんを睨むように突っかかろうとするがそれを止めたのは暁美さんである。
「暁美さん……どうしてここに?」
私はそういうと暁美さんは髪をかきあげながら
「………お見舞いに来ただけよ」
少しの間沈黙を空かせてからそういった。
「お見舞いはありがたいのだけど、七夕かなみさんの上半身が動かせるまでの間は入室は勘弁
してほしいの。今日のところは帰ってもらえるかしら? 詳しい事情は検査が終わり次第、
あなた達に話しますので」
八十住さんはそういう。
「分かりました。今日のところは帰ります」
織莉子さんは八十住さんの顔をみてそう言い。
「帰りましょう、キリカ、暁美さん。じゃあかなみさんまた明日」
キリカさんの手と暁美さんの腕を握るとその場を去ってしまった。
去っていくのを確認してから
「さて、続きを話しましょうか」
そこから私は下半身の神経がボロボロで痛みすら感じなくなっていることを話してくれた。
「そ、そんなっ!? 撃たれたのは心臓あたりでしたよね!?」
確か胸当たりを撃たれたはずなのだが、それだけで下半身の神経がボロボロになるとは考えにくいので私はそう抗議すると、八十住さんは
「実は、七夕さんが銃に撃たれた後に物が倒れてしまったようなの。詳しい事情はご友人から
聞いてちょうだい。こっちにもまだよく分かっていない状態だから説明は難しの」
物が倒れた……?
私が意識を失ったと同時に物が倒れて偶然に下半身に当たってしまって神経が壊れた?
なんかおかしいな……。
私が意識を失うまで物が倒れることはまずないのだけど……一体どうなっているの?
考えても頭が回らない。
「今日のところは寝て頂戴」
そう八十住さんに言われると同時に私は意識を失った。
目を開けると一人の少女が椅子に座っていた。
これは……夢。
そうだ。これは夢だ。
「やっと七夕さんに話せる」
その少女はそういう。
その声の主は聞き覚えがあった。
ワルプルギスの夜になるまえの少女その子であった。
姿を見るのははじめましてなのだが、声で分かった。
なぜかやたら態度が冷たい八十住さんである