織莉子さんに御呼ばれを受けた私は一人で校内探索を行っていた、
昼休み以外はこうして校内探索をするのが常にある。
《七夕かなみ。聞こえるかしら?》
歩いている途中で私の頭の中に声が響いた。
テレパシーである。
《その声は……八十住先生?》
《ん。ちゃんと届いているようね……》
《届いているって今どこにいるんですか?》
《見滝原中学より東に2km先の所よ。それより放課後予定はある?》
そんなことはどうでもいいように話を逸らす八十住さん。
《美国先輩に御呼ばれしてますけど……》
《じゃあ、それが終わってからでいいわ。総合病院に来てくれないかしら?》
《へ? わかりました……》
《それじゃあ》
八十住さんは一方的に言うだけで切れてしまった。
用事ってなんだろうなと思いつつ私は教室に戻ることにした。
巴マミside
「かなみは教室に居たくないのか昼休み以外の休み時間は校内探索をするらしいんだ」
隣のクラスで私のいるクラスにやってきたキリカさんは最初にそういった。
「そうなの?」
私は念のためと思って確認をとると
「そうだよ、マミ。美樹さんに聞いた話だと転校して一日で全校生徒の名前を暗記するほどなんだよ」
その話を聞いていたのか一人の女子生徒が
「そうそう。この前なんて図書室の場所を教えてって言われた時に私の名前言い当てたんだから、しかもフルネーム漢字も書けるみたいだし」
「さすがだよねえ~」
「ね?」
キリカさんは私の顔を見ながらそういった。
「え、ええ……すごいわね……普通じゃできないことだと思うわ」
私はそれしか答えようがなかった。
八十住あんみside
七夕の連絡を終えて一息つきながら
「………他の魔法少女の勧誘はいいのかしら? インキュベーター?」
近くにいるインキュベーターはしっぽを動かしながら
《今のところは魔法少女の勧誘もしないつもりだよ。七夕かなみが契約してくれたからね》
そう答える。
「そうなの。じゃあ、美樹さやかと鹿目まどかの契約も見送りなのかしら?」
私はそういいながら斧を振りまわすと
《それはないね。いつも通り勧誘するつもりさ。ただ、魔法少女候補が少ないだけさ》
「少子化だものね仕方ないわ」
冷たく返して斧を拾って変身を解除する。
「たっく……休日出勤的なことも配慮してくれればいいのに」
「あら? 魔女の気配をたどってきたけれどもうないのね、流石ね。八十住さん」
「……だからいい加減に『お姉ちゃん』と呼んでくれないのかしら? 宝蔵院」
魔女退治で結界が解けると同時に宝蔵院は私に話しかけてくる。
「そういう八十住さんこそ名前で呼ばないじゃないですか。それに私が貴女を姉だと思った
ことは一切ありません。父親違いじゃないですか八十住さんと私は……それよりなんですか?
話って」
八十住さんと宝蔵院さんは父親違いの義理の姉妹である。