宝蔵院こよみ。
彼女の願いが『これから起きる不幸と不幸体質じゃない性格になりたい』
というもの。
けど、キュゥべえ曰く『失敗』で魔法少女の姿じゃなければ不幸体質じゃなくなるということになっていた。
「宝蔵院こよみ……です。宝の蔵の病院の院でほうぞういんって読みま……す」
いつも持ち歩いているのかメモ紙を取り出して私にくれた。
綺麗な字である。
「あ、私……七夕かなみです」
そういって私は軽くお辞儀をしてから
「それで……八十住さんお話って……なんですか?」
八十住あんみside
宝蔵院とは初めて会うはずなのに、以前どこかであるかのように驚かず見なれた人物に久々に会ったという感覚で七夕は宝蔵院をみていた。
「少し訊きたいのだけど……貴女の母親はどんな人なの?」
本当に七夕が私たちの義理の妹だと確信したわけじゃない。
少し疑っているから。
「え………」
地雷を踏んでしまったようね。
七夕の声のトーンが明らかに聞かないでくれという声。
宝蔵院は少し私をちらっとみてどうにかしなさいよというアイコンタクトを送る。
「ど、どうしても………訊きたいんですか?」
少しして七夕は聞いてきた。
「無理なら別に話さなくていいわ……母親の関係を知りたいだけで……」
そこで私は二度の地雷を踏んだ。
七夕にとっては母親のいいイメージがないようだ。
「そ、その……母は浮気をしていました………」
数分して勇気を振り絞るように七夕はそういった。
場所は移動して今は、私の家にいる。
「私が物心ついたときから、母は仕事だからと言い訳をして朝帰りが多々ありました」
浮気癖をもつ母親。
そこまでは私と宝蔵院と変わらないわね。というか浮気癖が悪化しているじゃない。
「長くて五年、早くて一年半帰ってこない時期がありました……。その時に私、母親が帰らない
理由を偶然聞いてしまったんです……『あんな風に望んで生んだ子じゃない』って……」
「その……偶然って夜に目が覚ました感じ……?」
宝蔵院は恐る恐るそういうと七夕は頷いた。
母親に拒否されたらそりゃあ、ぐれるわよね……
「そしたら父も頷いて……気が付いたら両親を殺してました……手には生温かい血と包丁の
先端には鮮血が垂れ下がって……」
七夕の言葉はすでに震えあがっていた。
これ以上は喋らしてはいけないと思ったのか宝蔵院は七夕の身体を抱きしめた。
私も思わず抱きしめていた。
七夕はそれに安心したのか落ち着いたのか大声で泣き出した。
私と宝蔵院は七夕が泣きやむまでずっと抱きしめたままだった。
主人公を暗い話にさせる定番があるんだ……そういう設定にした覚えはないのに……