生まれてきてからインキュベーターに出会うまで私は、生きることに絶望していた。
生まれつきの不幸体質のせいで両親に見捨てられるし、親戚中たらいまわしされるし、クラスメイトからは『お化け』と罵られ続け、小学校に入学して三日目で学校へは通わなくなった。
8歳の誕生日の時に出会ったのがインキュベーターであった。
痛みがだいぶ癒えてきて、ようやく動ける。
「待ち合わせの場所に向かわないと……」
私は独り言を呟きつつ立ち上がって前に進もうとする手前で
「加々美すみれ……だったわよね? 一体何の用なの?」
加々美すみれが邪魔をするように仁王立ちをしながら突っ立ていた。
通り過ぎようとしても通せんぼをして通そうとはしてくれない。
「貴女に伝言があるの」
「伝言……? こっちは初対面なのにやけに慣れ慣れしいわね」
加々美すみれの顔は七夕かなみの顔と瓜二つなのだが、性格、思考が全く違うこともあるけれど、なぜか逆らうとソウルジェムを壊されそうな気配が漂っている。
「そう。伝言。『宝石は魂にあらず。魂は宝石にある』それだけよ」
意味がわからない。
これが誰の伝言か聞こうかしたが、殺気を感じるからやめておく
「その伝言を貴女がいる時間軸の七夕かなみに言ってくれると嬉しいかな」
七夕かなみと正反対な性格をしている。
さらに加々美すみれは続ける。
「とある時間軸の七夕かなみは、貴女と同じ不幸を味わって来ているの。
貴女の通常の不幸よりも何十倍よ」
私は決して加々美すみれに私の過去を一切喋ったことがないし、喋った覚えもない。
「どうして、私の過去を知っているのかしら?」
私は武器である大剣をつきだしながらそういった。
加々美すみれはそれをみてため息をつく。
「………魔法少女だからって私を甘く見ないでくれるかしら? 私は貴女を簡単に倒すことが
できるけど?」
そういうが、武器をだそうともしなく魔法少女に変身しようともせずに睨みつけるだけ。
それだけなのに、私は恐怖を覚えてしまい思わず構えていた大剣を降ろしてしまった。
それをみた加々美すみれは
「貴女と此処で戦闘を行っている場合じゃないの。とりあえず伝言は伝えたから」
そういって手をひらひらさせたあとどこかへ行ってしまった。
「……なんなのよあいつ。挑発しにきたのか伝言を伝えに来たのかはっきりしないわね」
私はそう呟いて集合場所へと急いで向かうことになった。
もう二度と加々美すみれに会いたくない。
加々美すみれside
「本当にこれでよかったのかなぁ。七夕かなみの運命ってよくわからないなぁ」