暁美ほむらside
七夕かなみが見せてくれた宝石に引き寄せられ思わず触れてしまい気づいたら、一ヶ月後の夏の見滝原市だった。
街並みは崩壊してはいたけれど、どれも半径一メートルの範囲ないである。
「すごいわね……ほとんどかなみさんによる魔法よ。なるべく崩壊を防ぐために結界を
張り巡らさせていたに違いないわ」
美国織莉子がそういいながら感想を述べる。
確かに美国織莉子の言うとおりなら、相当の魔力数があったはずである。
そこへ忌まわしきに奴が現れた。
《ワルプルギスの討伐おめでとう。これで僕のノルマは達成できたよ》
「ノルマ? なんのことだい? しろまる」
かなみがいないことに落ち込んでいたキリカは、織莉子に頭を撫でられながらそうきいた。
《おや? かなみに伝えたけどいってないんだね。ワルプルギスの夜を超えたらかなみ
以外の魔法少女は全員元の身体に戻るんだ》
え? どういう……意味よ?
「どういうことだ! キュゥべえ!!」
杏子は怒鳴りながらインキュベーターを掴もうとするがすりぬけてしまった。
《もう魔法少女じゃなくなるんだし、僕が掴めないのも無理はないよ。
まぁ、君たちが別の並行世界へいくと魔法少女のままだと思うけどね》
感情がないくせにドヤ顔される。
ちょっとイラッてくるわね
「とりあえず説明してくれないかしら? インキュベーター」
そういうのは、先ほど合流した八十住さんである。
《……本当にかなみは説明していないみたいだね。わかったよ》
インキュベーターはやれやれといいたげそうに説明をし始めた。
キュゥべえside
ワルプルギスの夜が来る前日。
僕はある報告をするために、七夕かなみの家に訪れた。
《かなみ。話があるけど時間は大丈夫かい?》
『あ、うん。いいよ』
かなみの許可で入る。
許可なしに入ると、八十住あんみらが攻撃してくるからやれやれだよ。
リビングにはかなみ以外はいなかった。
《ほかの人たちは寝ているのかい?》
「そうだよ。明日はワルプルギスの夜討伐の日だから早めにってことになっているんだ」
かなみは嬉しそうに呟くが、自分だけが別の並行世界に行くことに不安を覚えているようだ。
《できれば、起きているときにでも話しておきたかったけど、朗報だよ》
「朗報? なに?」
《ワルプルギスの夜を倒すと莫大な感情エネルギーが回収できることに気がついて、
そのエネルギー回収は僕たちのノルマ回収と利害が一致しているから、君たちが
魔法少女じゃなくて普通の女の子に戻せることにしたんだ。もちろん既に魔女に
なってしまっている子も元に戻すことを約束するよ》