「宇佐見さんはいつから魔法少女をやっているんですか?」
しばらく進んでいくうち、そう聞いたのはさやかちゃん。
「あたしの事はノアでいいよ。魔法少女はなって数年くらいかな。ソウルジェムの秘密と魔法少女と魔女の正体を知った時は驚いたけどね。まどかとさやかも魔法少女になるならそれなりの願いじゃない限り魔法少女になってはいけないよ?」
ノアちゃんはそういってきんちゃく袋を回すと『使い魔改』が吹き飛んで行った。
「ノアは何を願ったの?」
さやかちゃんはそう言いながらもサーベルを振りまわして『使い魔改』を切っていく。
「周りを変えたい……かな。自分の周りにはいつも酷い目に会っていてそれが自分のせいで、しかもその原因の発端であるとわかったときに周りの視線が苦しかったの。だから、私の周りに会う人には酷い目に会って欲しくないからそう願ったの」
「酷いこと……?」
私は思わず聞き返した。
なんだか他人事じゃなさそうだから。
「私にかかわった人の親戚やら家族やらの人が事故や事件に巻き込まれるの。最初は偶然かな? っとは思ったけど100回以上も続ければただ事じゃないって分かって……私が原因なのはわかったけど、私の家族もその話を耳にして、私を置いて家を出て行ったの。その時にね、七夕かなみさんに出会ったの」
そこで何故かかなみちゃんが出てきた。
「え? かなみの奴が?」
「この空間が現れる四日前のことなんだけど、私の町で逃がした魔女が見滝原に逃げっていったときに、魔法少女狩りをする子に出会って死にかけたことがあるの。その時に魔法少女同士の戦闘で、割って入ってきたのが七夕かなみさんだったの」
四日前の宇佐見ノアside
目の前の魔法少女狩りを実行するその少女は嘲笑いながら
「いい気味だよねぇ!? さぁ!! 死んでもらうよ!!」
その子の魔法は、瞬間移動で逃げても回り込まれて死んでしまう可能性が大きかった。
私が死んだら、もう周りの人を苦しまなくて済む。
そう思うと同時に
「そこまでにしてもらえるかしら? 魔法少女狩りの穂波小織」
彼女の武器である時計を奪ってから私を安全地帯まで移動させられていた。
突然のことに驚きの言葉すら出てこないぐらいである。
「っち。あんたはこの見滝原市の魔法少女かい?」
敵意むき出しの、穂波と呼ばれたその子は舌打ちをしながら私を助けたその人を強く睨みつけながらそういう。
「……今のところわね。初めまして、穂波小織、宇佐見ノア。七夕かなみです」
相手の名前だけではなく、私の名前まで知っていたことに私は思わず目を丸くしてしまった。
「初めまして、なら、なんであたしやそいつの名前を知っているんだ!? キュゥべえから直接聞いたのか?」
「魔法少女は魔法少女同士で戦うなというルールはないし、縄張り争いは、何故か暗黙のルールとなっている。すなわち、魔法少女が魔法少女同士の戦いで勝手に割り込んでも良いというルールもない」
確かにそんなルールは聞いたことがない。同じ町に魔法少女が何人いようが、そこに魔女を見つけたら譲らなければならないという暗黙の了解すらもない。
「おいおい。話を聞いてたのかい? 名前を何故知っていると聞いたんだけどぉ?」
小馬鹿にするように穂波という子はそういう。
しかし七夕かなみは、それを無視しつつ
「キュゥべえの契約を邪魔してはいけないというルールも存在しないはずなのに、何故か上位に挙がって暗黙の了解がなされている。遠回しな言い方をすればこういうこと」
そういうと同時に穂波というこの武器である時計を上空に投げ、時計へめがけて銃を放ったと同時に
「……がっ!?」
穂波という子が苦しみ始めた。
「やっぱり……」
七夕かなみはそういいながら重力によって落ちてきた時計をパシッと掴んだ。
「な、……何をした!?」
穂波という子が苦しみながらそう訴えている。
「ただ、貴女の武器である時計を上空に挙げて撃っただけよ。その中に自分のソウルジェムを隠していたようだけど」
そこで、初めて魔法少女と魔女の秘密、そしてキュゥべえの正体を知った。
美樹さやかside
「その噂が全国に広がり、その後にこの空間が生まれたってわけ」
ノアの話を聞いていて、さっぱりわけがわからなくなった。
「あたしは、魔法少女狩りに殺されそうになった所を七夕かなみさんに救ってもらった。魔法少女狩りをおこなっていたその少女は、七夕かなみにとっての恩人になったと噂できいたよ。真実は知らないけれど」
ノアさんはそう言って一呼吸してから
「だから、魔法少女になっても構いやしないけれど。一度きりの願いは考えるべきだよ」
そういってニッコリ微笑んでから『使い魔改』を倒して云った。