暁美巴side
しばらく八十住さんと宝蔵院さんとお話したあと、八十住さんは仕事で宝蔵院さんは用事を思い出したという事で帰って行きました。
「私もそろそろ帰ろうかしら。いろいろしなくてはならないこともあるから」
加波さんはそういって立ち上がるので私は思わず
「よ、よかったら! と、泊って行ってください!!」
そういった後で少し後悔したことは、しなくてはならないことがあると言った傍からそう言ったことと、声が思わず裏返ったことだった。
加波さんはそれを聞いて目を丸くしてから困惑し
「そういうことなら、泊るわね。しなくてはならないことも明日でも出来るから」
と返答をよこした時は予想外だった。
断れるかと思った……。
七夕かなみside
「あ、ありがとうございます。えっと、いま風呂沸かしますね!」
モエは嬉しそうにそういうとその場を立ち去った。
よほどうれしかったのか声が弾んでいたように聞こえた。
長谷部さんと二人きりになったところで長谷部さんは
「会うのは二度目だけど、まさか予想外だったよ、今の話を聞いて確信したよ。まさか君があたしの生き別れの双子のお姉ちゃんだってね」
そういう。
私は両親を手にかける前に、両親の部屋の机の引き出しに母子手帳がありそこには私が双子の姉である真実を知った。実際に長谷部さんに会った時に私は本能かそれとも無意識にか、長谷部さんが自分の双子の妹である事を確信してしまった。
実際に長谷部さんは身元不明で児童保育所に預けられそこで育っていて長谷部という名字も引き取り人が長谷部という名字であり名前もそのときに付けられたものであった。
「まさか義理の姉さんが二人もいることには流石に驚いたけれどさ。いつ分かったのかなん?」
「二度目の退院後よ。話があるからって呼びだされそこから」
「なるほどねぇん。暁美巴も他の人には内緒でよろしくよ」
風呂を沸かし終えていつの間にか戻ってきたモエは長谷部さんの言葉でビクッと驚いたあとこちらに向かって座ってから
「双子……なんですね?」
と聞き返された。
長谷部さんは頷き
「二卵性双生児の双子だけどね。性格は似てないでしょぉ?」
二ヒヒと笑ってからそういう長谷部さんだが、モエは笑わずに真剣だった。
「じゃあ初めて会った時にそういえば良かったじゃないですか」
モエは交通事故で家族を失っていることは前の世界で知って、今もこの世界でもそうだ。
家族に会うってことはそれだけで嬉しいはずなのに、かなり遠い親戚で赤の他人当然のマミでさえ家族の場所であったのにも関わらず、それを拒んでしまったのをかなり気にしていた。
私はその言葉に返答に困ってしまってしばらく黙ってから
「その時言えばよかったかもしれないけれど、私は家族をこの手で殺してしまったこと
に怯えて言えなかったのよ。また殺してしまうかもしれないってね」
そう答えた。