「ケーキ。迷わないように貴女が好きだと思うものを帰りに買って帰ったのだけれど、嫌いな物があった?」
その人はかなり困惑した顔でそういってくる。
「あ、いや……君が好きな物を勝手に選んでしまっては悪いかなって思ってね」
言い訳にも程があるような気がするが、考え方が少し一致したことに驚く。
その人は驚いてしばらく考えた後
「じゃあ互いに目隠しをして指をさして選んだほうを食べるで」
「互いに目隠しをしたら意味がないじゃない?」
「……じゃあ、貴女が目隠しして三つ選んだほうを食べるでいいかしら? 余った方は私が食べるということで」
「いや、それは貴女が……」
「いいえ、貴女が」
譲り合いが二十分近く続いた。
「互いに譲り癖なのがよおく分かったわ」
話し合いの結果。六個の別種類であるケーキを半分食べることとなった。
「そ、そうですね……ははは」
彼女の言うとおり譲り合いが終結したのは互いの腹の虫が鳴ったからで、これはこれですごい話しである。
「そういえば、名前を名乗ってなかったわね。私は七夕かなみ。貴女は?」
「長谷部かなみだけど……」
名前が一緒だった。偶然にも
「あぁ……私は長谷部さんって呼ぶわね」
「じゃあ、私はかなみんで」
こうなってしまって現在の暁美巴宅
「まぁ……あれだよ。 互いに気まずい関係が続いて会いに会えなかったというか?」
我ながらの言い訳に少し苦笑いを浮かべるしかない
暁美巴はそれをみて、少し落ち込んでしまう。
「まぁ、私もあの時は妹がいることさえ訊いていなかったし、確信したのが今だったから、内緒にするつもりなんてなかったのだけれどね」
かなみんはそういって顔が険しくなる。
「……ちょっと呼ばれたから今日の所は帰るわね」
そういうと同時に急ぐようにその場を去った。
「長谷部さんは今日も泊りますか?」
「んーまぁ、そうだね」
暁美巴の同意の上で今日も泊ることになる。
八十住あんみside
テレパシーで彼女を呼んで数分しないうちに彼女はかなり不機嫌であった。
「君には逢いたくないと思ったんだけどなぁ? あれだけ嫌われるようなことをしたのに君はそこまでして、私に協力を依頼しなきゃいけない状況に陥っているわけ?」
何かを中断された時と同じような文句を私に浴びせてくる、彼女は
「で、用件は?」
と訊いてきた。
「用件は、二週間後にワルプルギスの夜が来る、それを手伝って欲しいのよ」
「報酬は?」
「ないわよ」
そう返すと軽く舌打ちされた上に痰を吐いた。
「……まぁ、君には助けられた恩と魔女退治の時の報酬をありったけ貰っている件もあるからなぁ……仕方ない。その条件を飲むよ」