七夕かなみを追いかけて並行世界を移動したと説明されて何か納得したものがあった。
「んぅん? でもおかしいなぁ。七夕かなみの話によるとワルプルギスの夜討伐時である前の並行世界では、その前の並行世界を移動していないのにもかかわらず突然泣き出したと聞いたんだけどなぁ?」
彼女は不思議そうにいいながら面白いおもちゃを発見したように顔をにやつかせた。
「で? どうなの? 私が納得いく説明をしてくれると超~~うれしいんだけど」
ココアをすすりながら腕を組んで私をからかっていることへの喜びなのか口元はにやつかせたままである。
少しいらついたが、またここで信頼をなくすとワルプルギスの夜の討伐に協力してくれないかもしれないという考えが頭をよぎってしまう。
「あの時は……突然だったのよ。顔をみたらなぜか涙が出てしまって……次々と記憶が頭の中に入り込んだのよ。嘘はついてないわ」
しばらく黙った後で私はそういう、彼女は少し笑ってから
「あぁ、そういうことね」
と納得した。
こっちはなんのことやらさっぱりなのだが……あれで納得できるなんて感が鋭いのかしら
「不機嫌そうな顔をしないでよ……。結果が知りたいんでしょ? 一応言っておくけれどこれは、あくまで“個人の意見”だから真に受けないで欲しいね。それくらいは同意してくれないかな?」
不機嫌そうな顔といわれて顔を触る……。少し眉間にしわをよせていたようだ。
私は彼女の個人の意見ってところに同意を示す合図を送ると、それをみた彼女は一呼吸してから
「アンタがいつ七夕かなみにあったか知らないし、なぜ彼女のあとを追いかけたかはあえて聞かない。私はそれを踏まえて話すよ。インキュベーターは第二次性徴期の少女に契約を持ちかけ、成功したら魔法少女になる。それは、まぁざっと22年前の話。とある一人の魔法少女がキュゥべえは精神疾患であることを知り魔法少女の真実をその時に知った。その少女の願いはいたってシンプルな願い願いだった。
その魔法少女はいずれ魔女になることを打ち明けて彼女はやがて魔法も使い切り魔女になる前に近くにいる一匹のキュゥべえにあるものを与えて魔女になった。
最初は何のことか知らなかったそのキュゥべえはアンタと宝蔵院こよみ、巴マミ、佐倉杏子、鹿目まどか、暁美ほむら、美樹さやか、呉キリカ、美国織莉子と次々に契約していった。最後は暁美ほむらの銃によって撃たれてしまったと同時に別の並行世界で植物状態だった少女がいた。それが七夕かなみ。つまり君たちが記憶を持ち越せたのも並行世界に移動できたのも『元インキュベーター』の七夕かなみによる不思議な因果がある。それが理由さ」
長々と説明したのかココアを一気に飲んでお変わりを要求した。今度は紅茶をと。
紅茶を淹れてから私は
「……あなたの仮説の中では七夕は元インキュベーターとどうしてそう思うのかしら? ふざけているようではないとおもうのだけど?」
そういうと彼女は前髪を少し気にしてから
「七夕かなみが言っていた。最初みた夢がキュゥべえそのものだって。あくまでも私の仮説だ。それに七夕かなみから聞いたけど、君たちが義理の姉妹である説はここだけだともきいた、前の世界ではそんなことも一切きりだそうともしなかったと訊いたけど、本当なのかい?」
そう言われた。
「ええ。母親の名前、生年月日にその他もろもろ母親だったもの。死体も見たけれどそうだと確信したわね……というかなんで個人の意見とはいえ、22年前のことを覚えているのよ? あなたまだ……学生でしょ?」
私はなるべくこの話題から逸らそうと彼女がさっき言っていた言葉を突っ込みをいれた。
「……そういえば、魔法少女だってことは明かしたけど、いつ契約したか何を願ったか言ってなかったねぇ」
思い出すように彼女はそういいながら口を動かした。