《繰り返す条件は毎回違うようだけど、それはどうなっているんだい?》
僕の隣にいる少女はにやりと笑いながら
「並行時間軸を移動する度に条件しては異なるのさ。今回はワルプルギスの夜を討伐だけどさ。前の時間軸のワルプルギスの夜の依頼ってやつだね」
そういいながらポケットから取り出したキャンディーを口に放り込み、右手に持っていた携帯型ゲーム機を操作し始める。
《七夕かなみの謎は解った。だけれど、僕は君がすでに魔女になって倒されるのを見た。
けど、どうして君は存在するんだい?》
その少女は100年前にある絶望で魔女化してしまった少女である。その少女は
「……別にいいじゃん? そんなの? 結果的あたしは、魔法少女やっているし、インキュベーターの資源にも協力しているから無問題でしょ? さぁーーってと、七夕かなみに会いに行くとしますかねーー!!」
彼女はそういって歩き出した。
僕は何も言わず着いて行くことにしている。
七夕かなみside
しばらく歩いていたら薄紫の髪をした赤い瞳をしている少女とキュゥべえがいた。
「やあ、はじめましてだね。七夕かなみ……いや、神楽みかど」
「……! どうしてそれを? それに貴女は……?」
私は自分の本名が違うってことを病室で目が覚めた時、テーブルの上に置いてあった手紙にそう書かれてあった。
でも医者は私を『七夕かなみ』と呼ぶ。まるで洗脳されたように……。
「あたし? あたしは、フォリアス。みんなからはファリスって呼ばれるけどね。100年前のアメリカで魔法少女になってその二年後に魔女化した。魔法少女さ」
「ひゃ、百年前!?」
あたしはその言葉を訊いて驚いた。まさか八十住さんより長く魔法少女をやって……って
「待って魔女化しているならどうして、貴女は人間の格好を……?」
《それだけじゃないよ。彼女はすでにほかの魔法少女に殺されているんだ》
彼女の隣にいたキュゥべえはそういう。
「ど、どういう………こと?」
私はその言葉を訊いて、彼女に問いかけた。
彼女、フォリアスは不気味なくらい笑みを浮かべてから
「君なら知っているはずだよ。七夕かなみ……いや『元・インキュベーター』?」
「っ!?」
その言葉を訊いて私は頭が割れるような衝撃が生まれた。
かなづちを持って頭を叩かれる痛みとほぼ同じ痛さだった。痛い。すごく痛い。
倒れた私を気にせずに彼女はつづけた。
「どうした? どうした? 『元・インキュベーター』? 君は無くした記憶を勝手に封印して七夕かなみとして過ごしてきたんだよ? 嘘の記憶を植えつけることで忘れるよりもこうやって煽れば思い出してくれるよねぇ? 答えろよ『元・インキュベーター』!!」
「……うぁがゅ」
変な声が出る。冷や汗も止まらない、身体は小刻みに揺れる。
そこで私の意識は消失した。
フォリアスside
『元・インキュベーター』である彼女の意識が消失したのを確認して、私はぺちぺちと叩き起こした。
「……へっ?」
『元・インキュベーター』の主張であったゴールドとシルバーの二色の髪はなくライトグリーンの色をした神楽みかどが目を覚ました。
「こんなところで倒れるなんて、大丈夫かい?」
「………あ、うん」
神楽みかどは立ち上がり頭を掻きながら
「たしか、被害者に謝って……それで何をしていたっけ……。あ、そこで眠くなって寝たんだった。起こしてくれてありがとう! じゃあね!」
神楽みかどは立ち上がってあたしに謝罪したあとその場を去った。
「宝石と『元・インキュベーター』であるソウルジェムも回収完了っと……どうしてそんな怖い顔をするんだい? 八十住あんみ?」
あたしは立ち上がり振り返ると、すごい剣幕をした八十住あんみが立っていた。