美樹さやかside
「時間を掛けてゆっくり進むのと時間を惜しまないで進む人間ってどっちが正しいと思う?」
かなみが心配になるからっと他の皆は帰らせた八十住さんだったけど、あたしだけ残るように
言われた。
理由を聞く前に、そう質問してきた。
「……意味が分からいんですけど……」
難しいのは苦手。
仁美に宿題写させてもらったりして平均点を取るのが精一杯である。
「じゃあ、質問変えるわね。とある少年が事故で右腕が感覚をなくすぐらい怪我をしていた表面は
綺麗なのに腕を動かす神経細胞がズタボロ状態。
その少年はヴァイオリンをやっていたみたいだけど、右腕が動かないし、担当医師から諦めろ
と言われている。
もし、あなたがその少年の幼馴染だったら、命を引換に魔法少女になるか、時間を掛けて
少年に別なものをやらせるか。でも、その少年は自暴自棄になっているとする」
八十住さんが言う少年というのは、恭介と一致していた話で幼馴染と付け加えている。
でも、何で……?
《八十住あんみは心の声が聞こえる》
たしかキュゥべえがそう言っていたのを思い出した。
私はまだ、魔法少女ではない。正直契約しようか悩んでもいたが、かなみに危機が迫っている
と知ってからは契約は見送っていた。
「別なものをやらせてみます」
あたしは八十住さんの顔を見ながらそういうと
八十住さんは、少し微笑んでから
「そう……。じゃあ、頑張ってみてね」
八十住さんはポケットからペットボトルを取り出してあたしの方に投げた。
「それ、七夕に渡しておいて」
そう言って公園を出て行った。
「あたしも帰ろっ!」
あたしの心は少し軽くなっている感じがした。
美国織莉子side
「さて……と、美国織莉子……だったよね? 話があるんじゃないのかな?」
美樹さんが去った後、八十住さんは物陰の方をみて独り言のように訊いてきた。
「バレてたのね……」
私は物陰から八十住さんに姿を見せた。
「そりゃあね。長年魔法少女やっているから。感覚でわかるのよ」
キュゥべえが言うには魔法少女としては長い間やっているらしく、初めてのことらしい。
「貴女に聞きたいことがあるの。貴女の魔法、他にあるのでしょ?」
私は言葉を探しながら八十住さんに話しを聞く。
彼女は少し黙ってから
「キュゥべえから聞いているかも知れないけど、この世界はワルプルギスの夜の後の世界だと。
もしそうなら、ワルプルギスの夜なんて来ないはず。なのに、ワルプルギスの夜並の
魔女や魔獣、魔物とも言えないものがこの街に来ている。原因は不明。私も協力するけど
一応他のみんなに訊いてみたらどうかしら? 私も貴女たちの意見に尊重する」
八十住さんは、私の目をみながらそう言って
「美国は予知能力だったわね。明日には使えるから安心しなさい」
八十住さんはそう言い残し、その場を去った。
「質問の答えになっていないのだけど……」
私は八十住さんが消えた方向を見ながらそう呟いた。
なにこれ?
うわぁ~……設定がわけわからないよ!
追記
2・23 文章の変更