再びマミ宅へお邪魔すると、飾り付は既に直されていた後であった。
マミは小躍りしながら、キッチンへ向かい鼻歌を歌いながら料理を作る。
私の退院祝いの準備もこうだったのか、ほむらに訊いてみると
「ごめんなさい……。私が来た時には料理が出来上がった頃だったからよく分からないわ」
軽く頭を下げてからそう言われた。
杏子も知っているのか訊いてみようかと思ったら。
「あたしも知らないぜ。あたしがマミの所に来たのほむらより後だからな」
一緒に住んですらいなかった。
あれ? 一緒に住んでないのかこいつら。
いい関係で暮らしているかと思ったのに。
その思考を読み取ったのか杏子は付け足す。
「言っとくがマミとは一緒に暮らしてはいないが食事を提供してもらっているだけだからな」
杏子は顔をそむけながらいう。
そのことなら一緒に住めばいいのに……。
一緒に住めばといえば……
「織莉子とキリカはどこに住んでいるの?」
「へ? どこって織莉子の家だけど?」
私の質問にキリカは平然と答える。
織莉子の家か……。最初に行ったきり行ってないからなぁ……。
「機会があったら寄らせていいかな?」
「ほんとかい!? もちろんいいよ!」
おい、キリカが答えてどうする? 家主は織莉子だぞ。
「ええ。いつでもいらっしゃい」
「いつでもって、学校あるし……通っているよね?」
一応問いただす。
織莉子は少しうろたえながら
「行かなきゃ駄目?」
涙眼上目遣い。男性が最もその仕草でやられる必殺技だ。
でも私からしたら無効だ。
「織莉子が通っている中学校からキリカが通っている中学校に転校すればいいんじゃない?」
私はそう提案すると、キリカの目はしきりに明るくなる。
「そうだ! そうしなよ! 織莉子! 見滝原中にはあたしやほむら、マミやまどか、さやか
もいる。一緒に行こうよ!!」
キリカはぐいぐいと織莉子を畳み掛けるように話す。
「そ、そうね。キリカがいるなら行くわ」
決まった。
織莉子が通っている学校は織莉子を毛嫌いしている。
あの事件が発覚した後なら、キリカの魔法少女姿と速度低下の魔法もよくわかる。
キリカの引っ込み思案の性格は魔法によるものと、私が訂正したもので尚且つ
契約なのがキリカ。
このキリカは魔法少女によって造られたキリカなので押しが強いのだ。
「できたわ! カルボナーラよ!」
そこで嬉々とやってきたのは鍋を持ってきたマミ。
ちょっと待って、カルボナーラは麺をゆでた後既に作られているカルボナーラの具を
入れるものだと思ったが、巴家では
カルボナーラの具と麺が融合して出てくるのか……しかも鍋ごと。
「今盛り付けるわね」
マミは嬉しそうに言いながら杏子が準備していた皿にトングを使って一人前には多すぎる
量を皿に盛り付け始めた。
「マミ。これを食べたらふと……むごっ!?」
キリカが言いかけたのを織莉子が手を抑えてやめさせた。